O plus E VFX映画時評 2026年1月号
(C)2025 Paramount Pictures
2025年12月23日 東宝東和試写室
2026年1月14日 東宝試写室(大阪)
(注:本映画時評の評点は,上から![]()
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数カ月前の方針変更後のメイン記事と同様,まず「評点と感想」のみを記して,画像を入れた「完成版」は後日アップロードする。本作の場合は,かなり早い時期にマスコミ試写を観ていたので,早めに完成版に取りかかりたがったのだが,時間的余裕がなく,やはり遅れてしまった。すべては,『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』(25年12月号)の「完成版」のせいである。当欄始まって以来の最長記事,最大画像数の超特別記事で,約1ヶ月かけてしまった。このため,翌月扱いの『MERCY/マーシー AI裁判』と本作はあおりを食って,まだしかるべき画像を選択し終えていない。よって,両作とも完成版は今しばらくお待ち願いたい。
本作の主演は,グレン・パウエル。昨年の夏以降,映画雑誌で大きな特集が組まれていた男優である。現在の年齢は37歳で,そう若手でもないのだが,業界あげてアクションスターに育てたい旬の俳優のようだ。映画デビュー作は,当欄でも取り上げた『スパイキッズ4D:ワールドタイム・ミッションン』(11年10月号)のようだが,チョイ役だったようで,全く記憶にない。名だたる大スターが多数登場の『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』(14年11月号)でも同様だった。ようやく,話題作『トップガン マーヴェリック』(22年5・6月号)で名のある役を得たが,トム・クルーズ演じる教官に指導される若手パイロットの1人に過ぎなかった。
それが,リチャード・リンクレイター監督の『ヒットマン』(24年9月号)では,自ら製作・脚本・主演を担当し,当欄も高評価を与えた。ただし,題名が地味な上に,VFX大作ではなかった。一方,『ツイスターズ』(同8月号)は当映画評のメイン記事で取り上げたが,女性主人公の相手役の準主役であった。そして,いよいよ本作ではVFXを多用したメジャー系のアクション映画であり,晴れてその主人公としてメイン記事で紹介する訳である。そうなると,当然,昨年11月7日に日米同時公開だろうと思ったのだが,年明けの月末の公開となったのは意外であった。秋の映画繁忙期を避け,意図的に大作の閑散期を狙ったのだろうか?
本作はオリジナル作品ではなく,『バトルランナー』(87)のリメイク作品である。原作は,あのスティーヴン・キングが「リチャード・バックマン」名義で発表した同名小説とのことだ。そのせいもあってか,お得意のホラー要素はなく,近未来を描いたディストーピア小説であり,映画もその路線に従っていた。本作は題名を劇中で登場するTV番組名に変え,かなり現代化している。それもそのはず,原作の想定年は2025年であったから,まさにその年に現代劇として再映画化した訳である。
監督はエドガー・ライト。低予算のゾンビ映画『ショーン・オブ・ザ・デッド』(04)がデビュー作で,監督・脚本・出演をこなし,英国でヒットしたが,日本では未公開だった。それ以降は,監督・脚本と俳優を兼業し,ほぼ半々の数である。二刀流と言えば聞こえはいいが,いずれでも大きな成功は得ていない。当欄で紹介した監督&脚本作品の『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』(14年4月号)『ベイビー・ドライバー』(17年9月号)も,興行的には地味な映画であった。この監督自身にとっても,本作は初めてのメジャー系大作なのである。
詳しくは画像を交えて「完成版」で語る。「イカれた鬼ごっこ」「30人間生き残れ」のキャッチコピー通り,ノンストップアクション映画であり,サバイバルゲームがテーマだ。題名通り,主人公はひたすら走る。では,面白かったか,楽しかったかと問われれば,否定はしないが,抜群の面白さではない。残念ながら,新春公開まで待機した本作は,一茶の句どおりに何事も「中くらい」なのである。ただしこれは,新しいアクションスターとなることが期待される旬の俳優であるゆえに,同じ配給会社の『M:I』シリーズの楽しさ,斬新さと比較しての評価である。
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