O plus E VFX映画時評 2026年1月号

第83回ゴールデングローブ賞ノミネート作品
+受賞結果

(注:本映画時評の評点は,上からの順で,その中間にをつけています)


◆今年で6回目, 授賞部門数・選考方式は変わりなし

 年初にこのページを設けるようになって,もう6年目になる。初回の2021年はコロナ禍で,アカデミー賞授賞式開催日が大幅に遅くなり,ひいてはその予想記事の掲載も遅らせたため,手持ち無沙汰で前哨戦のGG賞候補作で紹介済み作品と今後紹介する予定を整理したのであった。それが好評であったため,その後も同趣旨で継続している。
 第83回GG賞ノミネート作品は2025年12月8日に発表され,授賞式は1月11日夜に発表される(いずれも現地時間)。理由は不明だが,今年は例年よりも,その間隔が1週間長かった。月曜日にノミネート発表,日曜日夜に授賞式というスタイルは踏襲している。当映画評としての授賞作品予想はアカデミー賞に譲り,前哨戦であるGG賞は国内公開予定ノミネート作の一覧までで留めていることは例年通りである。強いて違いを言えば,昨年までは授賞式以前にこのページをアップロードし,授賞式後に受賞作品名を追記していた。今年は後述の理由により,授賞結果が判明してから公開することにした。
 選考方式は,一昨年に大きな変化が2つあった。既存の各部門の候補作品数が5本から6本に増え,「興行成績賞」(ノミネート数は8本)が新設されたことである。昨年も今年もその数は変わらない。結果としての,映画部門の今年のノミネート作品数は計36本である。昨年は43本,一昨年は36本であったから,一昨年に戻ったことになる。即ち,昨年は1つの部門にしかノミネートされない作品が半数もあったのに対して,今年は一昨年と同様,複数部門にノミネートされている映画が多くなった。有力作品への集中度が増した(元に戻った)と言える。
「興行成績賞」に特筆すべきことが2つあった。過去2年は,候補作8本の内,半数の4本がこの部門だけのノミネートであった(即ち,興行成績以外の何も評価されなかった)。ところが,今年の候補作は7本で,上記に該当するのが『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』1本だけなのである。他の6本は他部門にもノミネートされているから,内容的にも充実していた映画がヒットしたことになる。
 もう1つは,『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』である。同作のページでも触れたが,公開日は10日以上先で,米国だけでプレミア上映があっただけなのに,この部門にノミネートされていたのである。過去作の実績と前評判から,高額の興行成績は確実と(勝手に)予想していたことになる。果せるかな,公開2週目で早くも世界中での興行成績は大台の10ドルを突破している。このフライングをした選考委員は胸をなで下ろしていることだろう。
 今年の最多ノミネートは,『ワン・バトル・アフター・アナザー』の9部門で,『センチメンタル・バリュー』の7部門8ノミネート,『罪人たち』の7部門,『ハムネット』の6部門,『フランケンシュタイン』の5部門,『ウィキッド 永遠の約束』の4部門5ノミネートが続く。この内3本は既に公開済/配信中であり,残る3本も国内公開日が既に確定している。アカデミー賞でのノミネートも確実と思われる。
 当記事で整理したのはこれまでと同様,①未紹介で,筆者が既に視聴した作品の当ページでの紹介,②当欄で紹介済みのノミネート作品の一覧,③未視聴作品の掲載予定の一覧,の3種類である。過去3年間と今年の分布は,以下の通りである。

  2023年 ①9本,②11本,③11本
  2024年 ①10本,②13本,③6本
  2025年 ①3本,②12本,③18本
  2026年 ①6本,②9本,③12本

 ①〜③の合計本数が昨年より少ないのは,ノミネート合計本数が7本も減ったのだから当然と言える。①が少し持ち直したのは,NetflixやAmazon Prime Videoでの配信中の作品のノミネートが増えたためである。それはすべて視聴済みであるが,時間的余裕がなく,まだ未執筆となっている。劇場公開作のような「まもなく上映終了」はないので,今月中には下記を順次掲載して行くので,しばしお待ち願いたい。


◆当ページで順次紹介予定の作品と対象部門

■『センチメンタル・バリュー』(2月20日公開)[候補部門:作品賞(D),監督賞,主演女優賞(D),助演男優賞,助演女優賞×2,脚本賞,非英語映画賞]
■『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』(配信中)[候補部門:アニメ映画賞,主題歌賞,興行成績賞]
■『トレイン・ドリームズ』(配信中)[候補部門:主演男優賞(D),主題歌賞]
■『ジェイ・ケリー』(配信中)[候補部門:主演男優賞(M/C),助演男優賞]
■『ヘッダ』(配信中)[候補部門:主演女優賞(M/C) ]
■『アフター・ザ・ハント』(配信中)[候補部門:主演女優賞(D) ]


◆紹介済みのノミネート作と対象部門

■『罪人たち』(2025年4月号) 作品賞(D),監督賞,主演男優賞(D),脚本賞,作曲賞,主題歌賞,興行成績賞
■『F1®/エフワン』(2025年6月号) 作曲賞,興行成績賞
■『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』(2025年7月号) 興行成績賞
■『星つなぎのエリオ』(2025年8月号) アニメ映画賞
■『ワン・バトル・アフター・アナザー』(2025年10月号) 作品賞(M/C),監督賞,主演男優賞(M/C),主演女優賞(M/C),助演男優賞×2,助演女優賞脚本賞,作曲賞
■『フランケンシュタイン』(2025年11月号) 作品賞(D),監督賞,主演男優賞(D),助演男優賞,作曲賞
■『WEAPONS/ウェポンズ』(同上) 助演女優賞,興行成績賞
■『ズートピア2』(2025年12月号) アニメ映画賞,興行成績賞
■『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』(同上) 主題歌賞,興行成績賞


◆次号以降で紹介予定のノミネート作と対象部門

■『ブゴニア』(2026年2月号) 作品賞(M/C),主演男優賞(M/C),主演女優賞(M/C)
■『ウィキッド 永遠の約束』(2026年3月号) 主演女優賞(M/C),助演女優賞,主題歌賞×2,興行成績賞
■『しあわせな選択』(同上) 作品賞(M/C),主演男優賞(M/C),主演女優賞(M/C),非英語映画賞
■『アメリと雨の物語』(同上) アニメ映画賞
■『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』(同上) 作品賞(M/C),主演男優賞(M/C) ,助演男優賞,脚本賞
■『ハムネット』(2026年4月号) 作品賞(D) ,監督賞,主演女優賞(D) ,助演男優賞,脚本賞,作曲賞
■『ARCO/アルコ』(同上) アニメ映画賞
■『シンプル・アクシデント/偶然』(2026年5月号) 作品賞(D),監督賞,脚本賞,非英語映画賞
■『スマッシング・マシーン』(同上) 主演男優賞(D),助演女優賞
■『ヌーヴェルバーグ』(2026年7月号) 作品賞(M/C)
■『アン・リー/はじまりの物語』(未定) 主演女優賞(M/C)
■『Sirāt(原題)』(未定) 作曲賞,非英語映画賞



[付記]「主演女優賞(M/D)」は『If I Had Legs I’d Kick You』のローズ・バーンが,「主演男優賞」「非英語映画賞」は,ヴァグネル・モウラ主演のブラジル映画『The Secret Agent』が受賞した。いずれも授賞式当日(日本時間で1/12)時点では,日本国内での劇場公開予定はない。後者は,昨年11月6日公開と報じられていたが,実現しなかった。

[注]太字:受賞作
   (D):ドラマ部門
   (M/C):ミュージカル・コメディ部門


 

●アカデミー賞のノミネート作品発表は1月22日で,授賞式は3月15日夜(いずれも現地時間)です。3月上旬には恒例の予想記事を掲載する予定です。楽しみにして下さい。


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