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O plus E誌 2019年1・2月号掲載
 
その他の作品の短評
  (注:本映画時評の評点は,上からの順で,その中間にをつけています。)  
   
   『未来を乗り換えた男』:魅力的な邦題がついているが,パラレルワールドを往き来するSF映画ではない。ただし,時代設定が少しユニークな異色作だ。原作は1942年発表のサスペンス小説で,第2次大戦中のナチスのフランス侵攻に対して,国外脱出をめざすユダヤ人男女の恋の顛末を描いている。この物語の前提と骨格はそのままで,舞台を現代の南仏の港町マルセイユに置き換えている。即ち,現代社会にドイツ軍が攻め込んで来る設定だから,それを知った上で観ないと,頭が混乱する。1940年代を再現せずに,単に製作費をケチっただけかと疑いたくなる。 それでも,次第に物語には引き込まれる。監督・脚本は『東ベルリンから来た女』(12)の名匠クリスティアン・ペッツォルトで,演出は上手い。ネタバレになるので書けないが,結末には驚く。それにしても,女は怖い。よくも3人の男の間を巧みに泳いで渡れるものだ。どの男も純情で,同情したくなる。
 『マイル22』:マーク・ウォールバーグ主演のスパイ・アクション映画で,監督・脚本はピーター・バーグ。即ち,『ローン・サバイバー』(13)『バーニング・オーシャン』(16)と同じ組み合わせで,これが4度目のタッグとなる。CIAの特殊部隊が重要参考人を東南アジアのインドカー国の米国大使館から空港までの22マイルを護衛する物語で,同時に敵に奪われた危険物質の奪還をも目指す。テンポが速過ぎ,しばらくは何が何だが分からない。それは雰囲気作りの目眩しで,ストーリーの骨格は意外と単純だった。途中から米国政府の保護なく作戦遂行を余儀なくされるのは,よくあるパターンで新味はないものの,電子機器による後方支援の描き方が秀逸だ。気心の知れたタッグで過激なアクションも盛り込み,しっかり入場料分は楽しませてくれる。最後にきっとどんでん返しがあるなと予想できるが,それが何かは不明なので,ラストまで十分楽しめる。
 『ミスター・ガラス』:「そろそろ完全復活か」と思いながら,何度も裏切られ続けたM・ナイト・シャマラン監督作品だが,やはり観てしまった。『シックス・センス』(99)に続く2作目『アンブレイカブル』(00)は比較的出来が良く,その後日譚との触れ込みだったからだ。同作から超人的能力をもつダン(ブルース・ウィリス)とミスター・ガラス(サミュエル・L・ジャクソン)の2人,前作『スプリット』(17)から多重人格者ケヴィン(ジェームズ・マカヴォイ)と誘拐された女子学生ケイシー(アニャ・テイラー=ジョイ)の2人が本作で合流し,恐るべき物語が展開する……。この両作の予備知識がないとさっぱり分からないだろう。とりわけ,24人の人格が宿るケヴィンの存在が鍵で,J・マカヴォイの怪演は前作以上だ。前半はワクワクする面白さだったが,3人が施設に収容されて以降の中盤からダレる。くどく,かつ結末の意外性も今イチだ。劇中に出演する監督の演技力は向上したが,演出力は一向に進歩しない。
 『バハールの涙』:舞台となるのは,イラク北部のクルド人自治区で,ISの襲撃で夫を殺され,子供たちと引き離されたクルド人女性達の戦う姿を描く。2014年8月から2015年11月に起きた出来事に着想を得ている。と聞いただけで,楽しめそうにはなく,尻込みする人も少なくないだろうが,世界情勢の把握のためにも観ておくべきだ。ISの非道ぶり,中東情勢の複雑さは,いくらニュース報道で見聞きしても,この映画ほどには伝わって来ない。弁護士の職を捨て,息子の救出のために女性武装部隊「太陽の女たち」のリーダーとなったバハールが主人公で,イラン出身の美人女優ゴルシフテ・ファラハニが演じている。彼女の恩師のフランス人弁護士の難民救出の呼びかけ,愛娘と離れて報道を続ける隻眼の女性記者マチルドの矜持と語りに感動を覚える。極東の島国で,平和な生活を享受している女性達も(いや,男性も)一見するべき作品だと思う。
 『そらのレストラン』:『しあわせのパン』(12)『ぶどうのなみだ』(14)に続く北海道オリジナル・シリーズの第3作で,今回のテーマはチーズ作りだ。主演は一貫してシリーズの象徴たる大泉洋で,北海道が舞台の映画となると熱演ぶりも倍加する。ところが,前2作を酷評したのは,脚本が安直で,彼の持ち味を生かしていなかったからだ。監督・脚本が深川栄洋になり,配給会社も変わったので,少し期待した。ところが,本作も「皆で仲良く,楽しく酪農と有機農業」の基本路線は同じで,前半はやはり退屈だった。中盤でチーズ作り名人・大谷(小日向文世)の死があり,物語が少し引き締まる。終盤は料理と音楽で盛り上がるので,評点を半分おまけしておこう。特筆すべきは,挿入歌の「Bradford」をピアノで弾き,フランス語で歌う世武裕子だ。今後,このシンガーソングライターには注目したい。
 『ジュリアン』:フランス映画のヒューマンドラマで,家庭内DV,両親の離婚で親権争いに巻き込まれる少年ジュリアン(トーマス・ジオリア)が主人公である。母親(レア・ドリュッケール)は単独親権を主張し,ジュリアン自身も暴力的で横暴な父親を嫌っているのに,家裁の裁定では父親にも共同親権が認められ,隔週の週末に会う権利が与えられてしまう。そもそもここで誰もが不条理だと感じるはずだが,これがこの映画のドラマ設定なのだから止むを得ない。なるほど,嫌な親父だ。妻子や友人だけでなく,実の両親にも絶縁されるに至っては,少し可哀相にも思えてくる。では,この父親に感情移入するかと言えば,全くそうはならず,完全に少年の視点で観てしまう。必然的にそうなるだろうと思う展開で,特に驚くことのない結末だ。それでも,迫り来る不安と恐怖に,しっかり見入ってしまう。監督はグザヴィエ・ルグラン。とにかく演出がうまい!
 『ナチス第三の男』:ナチス・ドイツと言えば,ヒトラー,ヒムラーに続いてゲッペルスの名が浮かぶが,彼は啓蒙・広報担当の宣伝大臣に過ぎず,No.3の地位にあったのは,副総督兼親衛隊大将のラインハルト・ハイドリヒである。「鉄の心臓」をもった,この権力者の英雄譚かと思いきや,ユダヤ人虐殺の首謀者とされる彼の暗殺計画を描いた物語だった。ナチスによるユダヤ人の銃殺シーンも印象的だったが,ハイドリッヒの暗殺後,チェコのレジスタンス・グループとドイツ軍との銃撃戦の描写が凄まじい。70年以上前の出来事であるが,現場となる町や,銃,装甲車などの描写がリアルだ。その半面残念なのは,セリフがすべて英語であったことだ。ただし,主演のジェイソン・クラークがドイツ人に見え,独語訛りの英語で補っている。しばしばロシア人を演じるロザムンド・パイクやミア・ワシコウスカを東欧系の女性として登場させているのも好感がもてた。
 『サスペリア』:「映画史を塗り替える,未曾有の恐怖体験」だそうだ。時代は1977年,東西分断中のベルリンに,世界的舞踊団のオーディションを受けに米国からやって来た女性が遭遇する物語である。原点はダリオ・アルジェント監督の同名の傑作ホラーで,それを『君の名前で僕を呼んで』(17)のルカ・グァダニーノ監督が大胆に作り替えた「究極のトリビュート」とのことである。「史上空前の賛・否・激・突!!」と聞いて挑戦してみたくなったが,凡人の筆者の理解力では全く歯が立たなかった。映像は驚くほどシャープで,ダンスは凄い。音楽も美しい。衝撃シーンもたっぷり盛り込まれている。「高尚なホラーポルノ」「濃密で反抗的なアートテロ」という評も頷ける。ティルダ・スウィントンが1人3役をこなすというので,凝視して試写を観たが,1人は後で解説を見るまで全く分からなかった。その化けさせ方の絶妙さに対して,半分プラスしておこう。
 『十二人の死にたい子どもたち』:衝撃的な題名は,冲方丁の原作小説通りで,すぐに密室もののサスペンス・ミステリーだと分かる。ネットでの集団安楽死の呼びかけに応じ,廃病院に集まった12人の若い男女(男6人,女6人)が織りなす青春群像劇だ。さすがに,1人ずつ死んで行って「そして誰もいなくなった」などという陳腐な展開ではない。既に死体が1つあり,全員が疑心暗鬼になる。途中で容易に結末は読めるが,問題は辻褄合わせと種明かしで,この種のミステリーはその描き方が興味の的だ。監督は堤幸彦。12人全員が若手俳優で,中では杉咲花の存在感が抜群だった。他は演技力がないのは織り込み済みだったが,まるで学生劇団のリハーサルのようだ。女性は髪形,衣服で描き分けやすいが,男は没個性で,なかなか見分けられない。現実社会の縮図だ。エンドロールで流れる分刻みの時間経過の映像が一番面白かった。これはもう一度観たくなる。
 『天才作家の妻 40年目の真実』:ようやくノーベル文学賞を受賞した著名な作家夫妻の物語で,この映画を観たのは本物の授賞式(本庶佑教授が和服姿で参加)の翌日だった。時差の関係で,帰宅後,その模様がTV報道されていたので,式典や晩餐会の光景には一段とリアリティを感じた。妻役のグレン・クローズは既に今年のゴールデングローブ賞(ドラマ部門)を受賞している。アカデミー賞でも最有力候補だろう。若き日の彼女を演じる女優(アニー・スターク)が美しい。妻子を捨て,彼女と再婚した教授の心情も理解できる。成功したから良いものの,勘違いしてセクハラ騒動になる大学教授も少なくない(笑)。晩餐会でのスピーチ以降の展開が圧巻で,これは間違いなくG・クローズの代表作である。この「真実」はフィクションだと思うが,モデルとなった作家はいるのだろうか?1992年当時はまだ欧米間にコンコルドが飛んでいたことが印象に残った。
 『雪の華』:中島美嘉の代表曲に基づくラブロマンス映画だ。名曲,ヒット曲が先にあり,その歌詞と世界観をモチーフにした映画が後という点では,大林宣彦監督の『なごり雪』(02)『22才の別れ…』(07)と同じパターンである。監督は橋本光二郎,主演は登坂広臣と中条あやみ。物語は,余命わずかの女性と青年の恋という青春映画の定番1つに過ぎないが,女性側の提案で100万円で1ヶ月間の恋人契約を結ぶという発端がユニークだ。若い2人の恋の行方を見守る丁度良い役がいなかったので,主演男優の心境で観てしまった。長期ロケしたフィンランドの街並みもオーロラも美しく,デートムービーには手頃な内容だと思う。「赤いオーロラはCGだろう」「医者が患者の個人情報を流していいのか?」「飛行機代はどうした?」「手袋もせずに,凍傷になるぞ」等,突っ込みを入れたく点が多々あるが,それだけ熱心に見てしまったということか。合格点だ。
 『バーニング 劇場版』:この映画の表題の意味は,最後に分かる。原作は1983年に発表された村上春樹の初期短編「納屋を焼く」らしいが,韓国映画で,監督・脚本は巨匠イ・チャンドンである。納屋をビニールハウスに置き換えただけではなく,監督独自の解釈で,大幅に翻案して膨らませ,結末も全く変えたという。もはや,全くの別作品と考えていいだろう。小説家志望の青年ジョンス(ユ・アイン)が,幼なじみのヘミ(チョン・ジョンソ)と再会し,彼女の旅行中に猫を預かることから物語が始まる。帰国時に紹介されたベン(スティーブン・ユァン)は得体の知れない富豪で,その後,次々と不可解なことが起こる。単なる2人の男と1人の女の三角関係ではなく,犯罪者心理を描いた上質のサスペンス・ミステリーに仕立てている。整形手術も富豪ぶりの描写も,なるほど韓国映画だ。結末は予測できず,ラスト10分の展開には息を呑んだ。
 『ともしび』:上述の『天才作家の…』と同様,主演女優の演技力だけが目立つ映画である。『まぼろし』(00)『さざなみ』(15)のシャーロット・ランプリングが本作で演じるのは,老境に指しかかってから夫が逮捕され,逆境と悲しみの中でもう一度「生きる」決意をする老女役である。監督も製作会社も使用言語も異なるが,やはり平仮名4文字の邦題にしたのは,オスカー・ノミネートされた『さざなみ』と同路線と思わせたかったのだろう。本作では,夫の犯罪もその証拠も,息子の拒絶理由もはっきりとは描かれていない。セリフも少なく,映像的な説明もなく,意図的に分かりにくくしているとしか思えない。主演女優の表情と行動だけで,その内面にあるものを読み取れということだろう。監督の意図は分かるが,これが芸術のつもりならば,単なる不親切とは紙一重だ。第74回ベネチア国際映画祭の主演女優賞受賞作であるが,筆者は好きになれなかった。
 『女王陛下のお気に入り』:ベネチアでは上記の翌年の第75回の主演女優賞,銀獅子賞(審査員大賞)を受賞した作品で,ゴールデングローブ賞はミュージカル/コメディ部門の主演女優賞を女王役のオリヴィア・コールマンが得ている。18世紀初頭の英国が舞台で,女王陛下とは,病弱ながら大きな権力を奮った「アン女王」(1702 - 1714年在位)である。女王の「お気に入り」は,前半は幼なじみのレディ・サラ(レイチェル・ワイズ)だったが,後半は彼女の従妹で新しい侍女のアビゲイル(エマ・ストーン)へと移る。とにかく重厚で,中身の濃い映画だ。げに女の権力争いは凄まじく,3女優の演技合戦は映画賞レースの有力候補に相応しい。宮廷内外の描写も素晴らしく,美術賞,衣装デザイン賞のオスカーも狙える出来映えだ。R・ワイズとE・ストーン,どちらも好きな女優であるが,本作以降,映画界における2人の地位も入れ替わる気がする。
 『半世界』:ここから邦画が3本続く。まずは,阪本順次監督の26本目の監督作品である。ずっと暖めていたオリジナル脚本というので期待したが,期待を大きく上回る力作だった。舞台となるのは,三重県内のある地方都市の,そのまた郊外だ。主人公の高村紘(稲垣吾郎)は妻子と暮す中年男だが,古い窯を使った炭焼きが生業というから,少し驚く。元自衛官の瑛介(長谷川博己),中古車業の光彦(渋川清彦)との同級生トリオの友情物語が基軸であるが,中年夫婦の会話の機微やぎくしゃくした親子関係の描写も絶品で,感激する。1カット1カット,セリフも場面も丁寧に選んで作られている。炭焼きのシーンが素晴らしい。瑛介の住むボロ家も,よくぞ見つけてきたものだ。稲垣吾郎がこんなに好い俳優であることには,初めて気付いた。邦画の年間ベスト1か2に値する良作だが,2月公開であるのが賞獲りレースには不利に働くだろう。少し残念だ。
 『トラさん~僕が猫になったワケ~』:原作は板羽皆が描いた癒し系コミックである。今年『男はつらいよ』50作目が公開されるとはいえ,誰も混同しないと思うのに,映画化に際して蛇足気味の副題が付いてしまった。猫好きのための映画ではない。主人公は売れない漫画家(北山宏光)だが,交通事故で急死したため,思い残した人生を挽回するため,猫の姿になって,家族のもとに1ヶ月間(原作では1年間)戻ってくるという設定である。死者が近親者に何らかの方法でコンタクトするのはよくあるプロットだが,その猫の姿に仰天する。「本物の猫+声だけ人間」でも,「本人に似せたCG製の猫」(ハリウッド映画なら当然そうする)でもなく,何と,安っぽい着ぐるみ姿だった。意表をつくためか,ほのぼの系の映画を強調するためか,あるいは製作費節減のためか……。おそらく,その全部だろう。見慣れてくると,この素朴さも結構いいなと感じてしまった。
 『ねことじいちゃん』:猫好きのためには,断然こちらがオススメだ。何しろ,全編のほぼすべてのシーンで(本物の)猫の姿が登場する。こちらもコミックが原作だが,メガホンはこれが初監督作品となる世界的な動物写真家の岩合光昭である。既に世界の猫のドキュメンタリー映像も製作しているので,猫の挙動を捉える目は確かだ。猫好きの満足度は高いと断言できる。被写体は動いても,カメラは据えたままのシーンが多い。構図,映像の明るさはさすがで,海岸での猫,花畑での猫のシーンは絶品だ。じいちゃん役の主演は落語家の立川志の輔で,ヒロインは柴咲コウ。助演陣は,小林薫,田中裕子,柄本佑らが名を連ねている。愛猫タマ役の主演猫は,100匹の候補の中から選ばれた「ベーコン」で,名演技を見せてくれる。この映画には涙はないが,犬でも何でも,最近ペットを亡くした人は見るべからずである。きっと思い出して,涙ぐんでしまうからだ。
 『サタデーナイト・チャーチ 夢を歌う場所』:原題は『Saturday Church』だが,一般公募したという邦題は,主題も副題もこの映画のエッセンスを的確に表している。堂々とLGBT支援を謳った映画で,監督の教会でのボランティア体験に基いている。単館系映画では格好の題材であるが,現実にはまだまだ周囲は無理解であり,いじめに悩むLGBT達のために,NYブロンクス地区の教会は土曜の夜だけ彼らが集える場所を提供しているそうだ。これが初監督作品となるデイモン・カーダシスは,暗くなりがちな物語をミュージカル仕立てにし,彼らの心情を歌詞に込めている。主人公の黒人青年ユリシーズを演じるルカ・カインはなかなかの美形であり,「もっと美しくなりたい」という役柄にぴったりだ。筆者は,母親の視点で感情移入した。『ナチュラルウーマン』(18年2月号)と本作を観れば,保守的な考えの観客も彼らの権利を擁護したくなることだろう。
 『サムライマラソン』:来年の東京五輪の男子マラソン・チームの愛称かと思ったが,幕末の上州・安中藩を舞台にした時代劇だった。『超高速!参勤交代』(14)『同 リターンズ』(16)の原作者・土橋章宏の小説「幕末まらそん侍」の映画化だと聞くと,この題も納得が行く。日本のマラソン発祥の出来事とされる1855年の同藩での「安政遠足(あんせいとおあし)」を題材とし,安中藩取り潰しを画策する公儀隠密との攻防を絡めた物語である。主演は佐藤健,ヒロインは小松菜奈だが,助演陣が森山未來,染谷将太,青木崇高,竹中直人,豊川悦司,長谷川博己という豪華キャストだ。前2作のようなコメディタッチではなく,かなりしっかりした活劇に仕上げている。銃剣の威力や精度,傷ついた登場人物の振舞い等のリアリティは格別だ。企画・製作はジェレミー・トーマスと中沢敏明,監督は英国人のバーナード・ローズであるから,安直な邦画基準の時代劇でなかったことも頷けた。
     
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