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            plus E誌 2016年3月号掲載 | 
         
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                      (C) 2015 Disney / Pixar
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                      オフィシャルサイト[日本語][英語] | 
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                      [3月12日よりTOHOシネマズ日劇他全国ロードショー公開予定] | 
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                      2016年2月10日 GAGA試写室(大阪) 
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    (注:本映画時評の評点は,上から   ,  , , の順で,その中間に をつけています。) | 
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    物語は子供向け過ぎるが,映像と音楽はハイレベル | 
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     |   |  フルCGアニメの本家ピクサーの16本目の劇場用長編作品である。昨年夏に『インサイド・ヘッド』(15年7月号)が公開され,今夏に『ファインディング・ドリー』(『ファインディング・ニモ』(03)のスピンオフ作品)が控えているから,その間にもう1本公開するとは,物凄い量産態勢だ。本作は,米国では昨秋11月25日公開だから,年に2本公開されたことになる(日本では今年2本だ)。『トイ・ストーリー』(95)から20周年記念で,特別な年という配慮だったのだろうか。 
 そうではない。以前にも書いたが,年1作のペースで2013年夏に公開される予定が,途中で企画が破綻し,監督を交替させ,1年半遅れでようやく完成した曰く付き作品である。当然,その分ストーリーは練り込まれ,映像的にも格段に進歩しているものと期待された。 
 この数年,ディズニー・アニメは原題と邦題が全く違うケースが多い。『Tangled』⇒『塔の上のラプンツェル』,『Frozen』⇒『アナと雪の女王』,『Big Hero 6』⇒『ベイマックス』といった具合で,ピクサー作品も『Up』⇒『カールじいさんの空飛ぶ家』,『Brave』⇒『メリダとおそろしの森』となっていた。即ち,原題はパンチの利いた短い単語を使い,日本の配給会社が内容に応じた邦題を付けている訳である。 
 本作も全くその類いで,『The Good Dinosaur』が原題だ。新約聖書ルカ伝の「善きサマリア人」(The Good Samaritan)をもじったのだろうか。対する邦題『アーロと少年』とメイン画像を共に見て,まず思い出したのはライバルDreamWorks Animationの『ヒックとドラゴン』(10年8月号)である。どう見てもドラゴンを恐竜に置き換え,少年との心温まる友情がテーマだと予想できる。ピクサーも節操がないな,「ヒック」を「アーロ」に換えただけかと思ったら,少し違った。恐竜がアーロ(Arlo)で主役であり,少年(スポット)が従なのである。この逆転現象こそが本作のミソだった。 
 6,500万年前,地球に衝突するはずの隕石が外れてしまった。このため,絶滅するはずの恐竜が生き延びてしまう。数百万年後,草食恐竜たちは農業を営み,肉食恐竜たちは家畜を育てている。家族がいて,文明を持った上に言葉も話す。主人公のアーロは,草食恐竜アパトサウルスの3姉弟の末弟で,心優しい甘えん坊だ。それに対して,人類はまだ四足歩行の原始人であり,言葉も話せない。ふーむ,なかなか面白い設定だ。監督は,ピーター・ソーン。長編は初めてだが,短編の監督や過去の長編のストーリーやアニメーション部門を担当している。 
 そんな経験を持つ監督だから,脚本は相当練られていることを期待したのだが,余りにもお子様向けの童話だった。以下,長短所を含めたコメントである。 
 ■ これでは一昔前のディズニーお伽話の域を出ない。ピクサーらしさはどこに行ってしまったのだろう? アーロの家族は,ムーミンに似たルックスで,少し間が抜けた感じもする。性格は好いのだろうが,キャラクター・グッズを買いたいと思うレベルではない。アーロとスポットの別れのシーンは少しじんと来るが,それだけだ。この程度の物語なら,恐竜と人間を逆転させた設定が全く生きていない。ドラゴンやロボットとの友情を描いたり,動物やオモチャ同士の物語でも,ほぼ同じだ。 
 ■ キャラのデザインが単純な場合は,背景をかなり描き込んであるのが定番だが,まさにその類いのCGアニメだった。生き残って文明をもつ恐竜たちの農園を観ただけで,その構図やデザインの素晴らしさに感嘆する。樹木や農作物の高精細さにも息を呑む(写真1)。山や農地には約270種類の植物をモデリングし,風の強さは15段階用意して揺らせたという。遠景の地形は,米国地質調査所のデータを参考に描かれている(写真2)。雲の描写やライティング(写真3)にもディテールへの拘りが感じられる。川や雨のシーンが多く,いずれも見事な出来映えで,CGアニメ史上の最高峰だと言える(写真4)。 
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              | 写真1 キャラはシンプルだが,樹木や農園の高精細な描写は特筆に値する | 
             
          
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              写真4 水面への映り込み,水辺の描写も見事 
(C) 2015 Disney / Pixar. All Rights Reserved.
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       |  ■ 音楽も映像の品質の高さに引けを取らない。マイケル・ダナ,ジェフ・ダナ兄弟が書いたスコアは,物語進行に合わせた普通の映画音楽に思えるが,後でサントラ盤を聴き直すと,その美しいスコアに魅せられる。劇中に歌曲はないので,輸入盤は演奏だけの全30曲だが,日本盤には吹替版のエンドロールで流れるKiroroの歌「Best Friend」が追加されるようだ。      
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    (画像は,O plus E誌掲載分に追加しています) | 
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