|
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(注:本映画時評の評点は,上から,,,の順で,その中間にをつけています。) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
またもピクサーが生んだCGアニメの大傑作,絶品! | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
またまたCGアニメの大傑作が飛び出した。もはや,3D-CGによるアニメ映画は珍しくも何ともないと書いてから久しいが,毎年のように傑作が生み出される。それも,その賞賛に値する作品の大半がピクサー作品だ。この映画の評点も,観る前から最高の☆☆☆と分かっていた。作品毎に「褒めたくはないのだが……」と断りながら,いつも☆☆☆を与えざるを得ない上に,前評判で世界中から絶賛の声が聞こえていたのだから,☆☆+以下になる訳がなかった。 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
そして何よりも印象的なのは,家を釣り上げる多数の風船だ(写真3)。この数とカラフルさだけで,映画史に残るデザインになったと言える。単に空中に浮かんでいるだけではない。静かに浮かび上がり,ビルの谷間を抜け,空へと舞い上がる描写が秀逸だ。風船の数は約1万個。それが単に並んでいるだけではなく,個々の風船の動きが他の風船にぶつかり,互いに及ぼす影響を全部計算したという。それゆえのリアルな動きだ。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
写真3 カラフルな風船に持ち上げられて空飛ぶ家は,映画史に残る印象的なシーン |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
設定も脚本も素晴らしいが,キャラクターのデザインもしっかりしている。騒々しい少年ラッセル,南米で出会った不思議な犬のダグ,カラフルな怪鳥のケヴィンは,驚くほどのデザインではないが,全体のバランスが良い(写真4)。桃太郎の供の犬・猿・雉,西遊記の孫悟空・猪八戒・沙悟浄を想い出す。ロード・ムービーの基本形をしっかり踏まえているのだとも言える。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
写真4 何やらお伽噺風のお供のトリオ |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
夫婦愛を機軸にしたほのぼの物語だと思っていたが,嬉しい誤算があった。後半のケヴィンの救出作戦のアクション演出は,かなりの見せ場である。構図もアイデアも一級品だ。空中戦など,いかにも3D上映を意識したものだ(写真5)。本作品はピクサー初の3D作品である。今回の試写は2D版だったが,SIGGRAPHで代表的シーンを観た感じでは,3D表現の工夫は既にトップレベルだ。 最後に付記しておくと,同時上映の短編『晴れ ときどき くもり』も絶品だ。何度観ても味があるし,こちらも3D上映の効果は抜群だった。 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
() | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(画像は,O plus E誌掲載分から削除・追加しています) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
▲ Page Top | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||