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ティペット・スタジオ製作のクリーチャーが冴える | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
写真だけを見たら,これもILMか,スタン・ウィンストン・スタジオ製作の恐竜かと思ってしまうだろう。確かに,本欄で紹介する怪獣系の特殊メイクやクリーチャー・デザインの多くは同スタジオの作だ。『エイリアン』『ターミネーター』『ジュラシック・パーク』シリーズでの実績は言うまでもなく,『シックス・センス』『ホワット・ライズ・ビニース』のコワ〜い死人メイクから,『エンド・オブ・デイズ』『ギャラクシー・クエスト』の悪魔やエイリアン,『A.I.』のロボットたちまでその腕のほどは確かだ。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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ところが,この作品はそうではなかった。こちらは,コマ撮りアニメーションの達人フィル・ティペット氏が興したティペット・スタジオの担当で,御大自らが視覚効果スーパバイザを努めている。もっとも,『ジュラシック・パーク』の恐竜のデザインはスタン・ウィンストンでも,その動きの監修はティペット氏が担当していたから,どことなく似ていても不思議はない。いずれも,ILMと共に歩み育ち,独立して行ったスタジオだ。 この映画は,そのクリーチャー・デザインやアニメーションのセンスが遺憾なく発揮されたSFコメディだ。80年代は『ゴースト・バスターズ』(84),90年代は『メン・イン・ブラック(MIB)』(97),そして21世紀はこの映画という触れ込みだけあって,徹底的にその手のノリで攻めて来る。 監督・製作は,その『ゴースト・バスターズ』のアイバン・ライトマン。主演は,『X-ファイル』シリーズのモルダー捜査官のディビッド・ドゥカブニー,ヒロインは『ハンニバル』でスターリング捜査官を演じたジュリアン・ムーア。FBI捜査官で名を売った2人が,この映画では生物学の大学教授アイラ・ケインと政府の科学担当官アリソン・リード博士の役どころで登場する。 ケインの相棒は黒人で若手の地質学教授のハリー・ブロック(オーランド・ジョーンズ)で,この2人の掛け合いは明らかに『MIB』のトミー・リー・ジョーンズとウィル・スミスのコンビを意識している。隕石の第1発見者,キャディの青年ウェイン(ショーン・ウィリアム・スコット)が加わってからの3人組のドタバタは,なるほど『ゴースト・バスターズ』そっくりだ。 ある日アリゾナの砂漠に落下した隕石には,地球の生物には存在しないDNA構造を持つの生命の種が付着していた。この謎の生命体は,地球上では驚異的なスピードで進化し,アメーバから恐竜までをたった数日で到達してしまった。このペースでは,地球が46億年かけて歩んだ進化(エボリューション)の過程を1が月で済ませてしまう。このままでは,街が州が,やがては地球全体が征服されるのは明らかだ。それを防ぐには…というのがストーリーの骨格だ。 単細胞の生命体から,次々と生まれる生命体,生物たちが実に楽しい。蜘蛛,トンボ,歩く丸太,触手をもった木,両生類ならぬ陸海空を生きる三生類トライフィビアン…。どれも愛嬌があり,ビジュアルとしてもいい出来だ。VFX担当は,他にSony Pictures Imageworks, Amalgamated Dynamics, Pacific Data Images社などで,かなりの視覚効果を生み出している。奇妙・奇天烈なクリーチャーたちが織りなすバイオ・ショーは,今年の夏の大味な大作群とは一風変わった味付けだ。 |
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前半快調,後半はやや失速か | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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