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O plus E誌 2000年11月号掲載
 
 
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『ギャラクシー・クエスト』
(ドリームワークス作品/UIP配給)
 
       
      (UIP試写室00/9/22)  
         
     
  徹底したパロディと上質のSFX  
   米国での公開は1999年のクリスマス休暇で,春には国際線機内でも上映されていたというのに,なかなか日本では劇場公開されなかった。ようやく正月映画として登場しそうだが単館上映の扱いである。SFX作品としての評価は高いのに残念だ。
 1979年から4年間TV放映された人気宇宙SFシリーズ「ギャラクシー・クエスト」の熱狂的ファン達は,20年経った今も当時のスターを囲んでファン大会を続けていた。放映電波を宇宙で傍受し,これを歴史ドキュメンタリーと勘違いしたネビュラ星宇宙人サーミアン達が,宿敵エイリアンのサリスの攻撃に追われ,タガート艦長ら英雄に助けを求めて大会会場にやってきた。嘘から出たまこと,本物の宇宙戦争に巻き込まれ,止むなく役柄通りの活躍を演じる羽目になる宇宙船プロテクター号の乗組員達は……という荒唐無稽なギャグ・ストーリーである。
 これは徹底した『スター・トレック』のパロディだ。宇宙船や宇宙戦争の様子,乗組員のコスチュームやファン大会までそっくりで,STファンには,乗組員の表情や決めセリフまでニヤリとするシーンの連続らしい。主演のタガート艦長役は,『トイ・ストーリー』のバズの声で知られるティム・アレン。こんな顔してたんだ。『スター・トレック』シリーズのピカード艦長に感じが似ているからの起用のようだ。お相手のセクシーな女性乗組員役に『エイリアン』のシガニー・ウィーバー。鉄の女のイメージがあるこの大女優が,金髪で胸元露わなコスチュームで登場する。『エイリアン』シリーズでの過酷なサバイバル・バトルを知るファンは,彼女がコンピュータの指示を復唱するだけの紅一点役とは,それだけで大笑いしてしまう。
 SFX担当は老舗ILM,クリーチャー・デザインとエイリアン・メイクアップはスタン・ウィンストン・スタジオ。有名タレントは使わずに製作費を浮かした分,こちらは一流どころを使っている。パロディとしての宇宙船やエイリアンは古典的な手法で軽く流しているが,岩だらけの惑星に到着してからはSFXのレベルがぐっと上がる。ベイビー・エイリアン(写真1)の動きや表情,巨大ロックモンスター(写真2)の重量感や画質は,さすがILMと思わせる出来だ。こうした明るい場面での合成にもVFX技術の進歩が感じられる。
 といった予備知識をもった上で観たほうがずっと楽しめるB級SF映画の傑作である。
 
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写真1 ベイビー・エイリアン写真2 ロック・モンスター
 
どうせならシガニー・ウィーバーのミニを
 
『スター・トレック』シリーズはあまり知らないんですが,古くさい感じが良くでてますね。乗務員服のマークやジッパーまで,いかにもです。
当時は胸元露わではなく,超ミニスカートでしたけどね。ここまでやるなら,シガニー・ウィーバーのミニ姿も見たかったです(笑)。
宇宙船の飛び方や凶悪エイリアンのサリスは,『ジュブナイル』のボイド人を思い出してしまいました。ILMが気楽にやっているのと,日本の最高峰が丁度いい勝負ですか。
サリスはCGではなく,むしろ懐かしのラバースーツでしょう。だったら質感はいいはずなのに,わざと悪い画質で見せてましたね。そこにも遊びを感じます。
アメリカ人のおバカ映画好きには呆れますが,この映画は健康で楽しいですね。
でも,単館をワイド公開にしても,そう当たらないでしょうねぇ。日本じゃ大スペクタクルのアクションか女性向きのラブロマンスしか入りませんから。
映画館で見る機会のない人は,単純で面白い映画で過ごしたい夜,ビデオで楽しむのに最適です。
 
   
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