|
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(注:本映画時評の評点は,上から,,,の順で,その中間にをつけています。) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
人気シリーズの最終章は,想定範囲内のエンディング | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
新たに始まる期待のシリーズもあれば,大ヒットの内に最終章を迎える作品もある。実を言えば,本号の紹介作品の中で,個人的には一番待ち遠しかった作品だった。 当初は「女子供でも作れそうな他愛もない作品」と馬鹿にしていたし,2作目は「なぜこんな作品に人気がでるのか理解できない」と評して,短評欄に追いやったほどである。ところが,米国の若い女性観客層に支持されて,たっぷりと製作費を使えるようになったためか,3作目から観賞に堪える作品になって来た。見続けていると製作者の作戦にはまり,分割した最終章のPart 2を首を長くして待ち望んだ次第である。ま,シリーズものとは,そういうものであるとの典型例だ。 監督や出演陣は当然Part 1(12年3月号)のままだが,シリーズ全体を思い返しても,若い主演俳優たちは随分成長したなと感じる。『パニック・ルーム』(02年5月号) でジョディ・フォスターの娘役を演じたクリステン・スチュワートは,順調に美少女スターとして成長し,本シリーズのベラの他にも『スノーホワイト』(12年7月号)で戦う白雪姫を演じて,シャーリーズ・セロンと渡り合った。相手役エドワードのロバート・パティンソンとは,私生活でも同棲関係にあることが公知の事実であり,恋愛物語のリアリティを増す要因となっているようだ。彼もまた『リメンバー・ミー』(10)『恋人たちのパレード』(11)の主役を得て,こちらも順風満帆で人気男優のキャリアを積んでいる。 残された狼青年ジェイコブ役のテイラー・ロートナーは,相変わらず横恋慕の脇役のままかと言えば,6月号で紹介した『ミッシングID』 で主演の座を獲得し,ハイティーンで高額ギャラのAリスト・スターの仲間入りを果たしている。私生活では,同作品で共演したリリー・コリンズと交際中という。彼女もまた『白雪姫と鏡の女王』(12年9月号)で白雪姫を演じていたから,ちょっと出来過ぎの芸能ニュースである。 待ち遠しかったとはいえ,最後は分かりやすいオチの完結編が予想されたので,先に内容を予想してみた。 (a) Part 1の最後では,出産で死地を彷徨ったベラがヴァンパイアとして転生することが,瞳の色で暗示されていた。そのままエドワードの妻としてカレン家に加わるのだろう。 (b) となると,かねてより確執のあるヴァンパイアの王・ヴァルトゥーリ族(写真1)との衝突は避けられない。完結編はその大バトルがクライマックスのはずだ。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(c) ジェイコブが刻印する運命の相手は,ベラの娘のレネズミだった。見事な三角関係解消策を思いついたものだ。新たなこの2人の関係を巡って,もう1つのサブストーリーが展開するのだと思われる。 (d) 紆余曲折あったにせよ,最後は女性観客を満足させるハッピー・エンディングに違いない。歯の浮くようなセリフやディープ・キスで終わることだろう。 (e) いやいや,意外な結末が待っているかも知れない。(b)の大バトルで1人ずつ死に絶え,狼一族も壊滅して,最後はジェイコブとレネズミだけが生き残るパターンも十分に有り得る形だ。 と予想したのだが,(a)(b)は大方の予想通りだった(写真2)(写真3)。いや,ベラのヴァンパイアの能力は予想以上だった。森の中を高速移動したり,岩をよじ登るシーンはVFXの活躍の場となっている(写真4)。ヴァルトゥーリ族とのバトルは見ものであり,オオカミの描写もここまで進化したかと感慨新たである。レネズミを背に疾走するシーンや,オオカミが人(実はヴァンパイア)と絡み合う格闘シーンは,3作目までの出来とは大違いだ。雪原が割れるシーンも上出来だったが,全くスチル画像が公開されないのが残念だ。VFX主担当は引続きHydraulxだが,Part 1同様,Tippett Studio, Lola VFX, SOHO VFX, SPIN FX, Legacy Effects等,約10社がクレジットされていた。 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(c)は予想が外れ,さしたる展開はなかった。結末はネタバレになるので詳しく書けないが,まずまず想定の範囲内と言っておこう。最後に特筆しておくとすれば,挿入曲の出来がいいことだろう。とりわけ,エンディングで流れる「A Thousand Years, Pt. 2」が美しく,それに続く「The Forgotten」も佳曲だ。 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
() |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(画像は,O plus E誌掲載分に追加しています) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
▲ Page Top | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||