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(注:本映画時評の評点は,上から,,,の順で,その中間にをつけています。) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
質感十分,本物を見たくなるスタント・ショー | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
本作品も既に公開中だか,本映画時評としては見過ごして通れない一作だ。続編やアメコミの映画化ばかりの夏映画の中でオリジナル作品だというが,ちゃんと元ネタはある。言うまでもなく,デイズニーランドの人気アトラクション「カリブの海賊」だ。最近は,新登場のアトラクションに人気No.1の座は奪われたが,人形の質感や演出のクオリティの高さは今でも色褪せていない。 |
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この映画のVFX担当は,最大手のILMだ。船も海も海賊たちも,本物指向であるから安易なCG映像の出番はない。いくつかのシーンの背景がディジタル・マットなのは当然として,船のキールが激しく回転激突する場面で,そこに捕まっている人物はCGだろうか。ILMの重鎮ジョン・ノールがVFXスーパバイザを務めていて,この程度の視覚効果で終わるはずはないと不思議に思っていたら,後半見事な出番が用意されていた。 見どころは,月夜になるとゾンビと化す海賊たちの骸骨姿だった。全くの骨だけをモーション・キャプチャ・データで動かすなら簡単だが,骸骨にミイラ状の皮膚を付け,それぞれの衣服の一部を残した姿で登場する。写真2のバルボッサ船長の変身などは序の口だ。各俳優を3Dスキャンして形状データを得るのは最近の定番だが,そこから俳優毎の骸骨(特に頭部)を推定し,その上に数層の皮膚を重ねているので,どの俳優のゾンビ姿なのか見分けがつく。これは凄い。『ハムナプトラ』シリーズのミイラで経験済みのテクニックとはいえ,何十,何百というゾンビたちが,実写の兵隊たちと入り乱れて戦うのだから手が込んでいる。『ハルク』『T3』が同時進行中に,別動チームがこれだけのVFXを軽々とこなすのだから,ILMのパワーは凄いなと改めて感心する。 派手な前宣伝に見合うだけの豪華さは備えていて,エンターテインメントとしての期待を裏切らないが,全編2時間23分は長く,途中少しだれてしまう。これはオーランド・ブルームの売り出し映画だ。ジョニー・デップは3枚目風の引き立て役に回っているのが,彼のファンにとっては少し残念かもしれない。 映画全体の印象は,海賊船を舞台とした見事なスタントショーだ。テーマパークのディズニーMGMスタジオにある「インディ・ジョーンズ・スタント・スペクタキュラー」,ユニバーサル・スタジオなら「ウォーターワールド」の類いのあのショーだ。今後これを生身のショーとしてディズニーランドに再導入するのだろうか? そちらの方も是非見てみたい。では,今までの「カリブの海賊」は引退させるのか? いやいやそれは残しておいて,ディズニーシーにこのアトラクションを作ればもっと似合うぞと感じる。うーむ,これは完全にディズニーの手の内にハマってしまったわい。 |
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