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(注:本映画時評の評点は,上から![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
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ノーラン版バットマン・シリーズ3部作の完結編 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
高い評価を得ているクリストファー・ノーラン監督の新生バットマン(ダークナイト)・シリーズの3作目である。原題は『The Dark Knight Rises』で,まるでこれからシリーズが始まる印象だが,『バットマン ビギニング』(05年7月号) 『ダークナイト』(08年8月号) と続いて,これがシリーズ3部作の完結編である。 第1作は,両親をなくしたブルース・ウェイン少年がヒマラヤ奥地で武術修行し,ゴッサム・シティーを守るため闇の騎士・バットマンとして登場するまでを描いていた。コミック・ヒーロー誕生の爽快感は残しつつも,骨太の人間ドラマとしての格調高さを感じられた。2作目『ダークナイト』ではますます重厚感が増し,悪役ジョーカーを演じた故ヒース・レジャーの鬼気迫る演技も相俟って,大きな話題となった。当欄にとって痛恨の極みは,この佳作に「長過ぎる」という理由だけで,評価☆☆+しか与えなかったことである(2度目を観て訂正したくなったが,既に遅かった)。ともあれ,このシリーズの功績は,アメコミ・ヒーローものは芸術性とは無縁の娯楽作という評価を一変させ,シリアスで深みのあるドラマの素材となり得ること実証したことだろう。 それから4年後の完結編である。もう4年も経ったのかという印象もある。その間,C・ノーラン監督作では『インセプション』(10年7月号)があり,改めて同監督の映像作家としての実力に関心した次第だ。満を持しての完結編製作にはかなり気合いが入っていたことが伺え,期待通りの大力作である。なぜ3D作品にしなかったのが少し不思議だったが,IMAX 15/70mmフィルムでの上映を想定して,本編のかなりの部分をIMAXカメラ,高解像度15/65mmフィルムで撮影したという。迫力ある映像を作るのに,その選択もあるかと納得できる。 実時間では4年間だが,劇中では(悪役の)地方検事ハービー・デントが死亡し,その罪をかぶったバットマンが姿を消してから8年が経過したことになっている。ゴードン市警本部長(ゲイリー・オールドマン)は検事の死を逆手に取り,強力な犯罪防止の「デント法」を施行して,ゴッサム・シティーの平和を維持していた。そこにマスク姿の凶暴な怪人ベイン(トム・ハーディ)が現われ,ゴッサム・シティーの破壊を目論む。負傷したゴードン本部長は,病床から「バットマンが,今こそ必要だ」と感じ,若き熱血警官ジョン・ブレイク(ジョゼフ・ゴードン=レヴィット)にその復活への支援を託す……。 こう書いてしまうと,あとはベインと復活バットマンの戦いだけの物語に思えてしまうが,そんなに単純な構図ではない。ベインの出生の秘密やブルース・ウェインとの関係,ウェイン産業や市警本部内部の確執,バットマン復活に反対する執事アルフレッド(マイケル・ケイン)の想い等々が盛り込まれている。脚本担当は,監督自身と弟のジョナサン・ノーランで,前作『ダークナイト』に引続き,本シリーズを格調高い素晴らしいドラマに仕立てている。 主演のブルース・ウェイン/バットマン役は,勿論クルスチャン・ベールだが,前作よりも出番は多く,存在感も大きく,完結編に相応しい活躍を見せてくれる(写真1)。相手役はダブルヒロインで,マリオン・コティヤールとアン・ハサウェイだ。それぞれブルースを助ける女性投資家ミランダ・テイトとセリーナ・カイル(=怪盗キャットウーマン)を演じる。共にコミック版でも登場するキャラクターである。「キャットウーマン」という呼称は明示的には登場しないが,その外観からして明らかだ(写真2)。レギュラー・キャストでは,前述のゲイリー・オールドマン,マイケル・ケインの他,ルーシャス・フォックス役のモーガン・フリーマンも健在で,改めてこの豪華助演トリオの存在が本シリーズの至宝であることを感じた。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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写真1 やはり,このヒーローの復活が鍵(当たり前だが…) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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写真2 グラマラスで,運動能力抜群のキャットウーマン | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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本編は2時間45分とかなりの長尺だが,本作はその長さを感じずに,物語に没入できる。その緊張感と集中力を与えてくれたのは,見事なハンス・ジマーの音楽である。『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』(04年3月号) 『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』(05年7月号) 『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』(11年8月号)など ,いずれも完結編は,大団円に向けての物語進行のペース配分が上手く,緊迫感を煽る音楽がエンディングに向けて観客を誘っていた。本作の音楽も,そのパターンを踏襲しつつ,低音を利かせた印象的な音が,強弱,緩急を巧みに使い分けて響いていた。編集技術と見事にマッチし,邦画との実力差を最も感じさせられる点である。 映像的に前2作と異なる印象を受けたのは,「ゴッサム・シティー=ニューヨーク」と思える描写である。高架鉄道の存在からか,前2作ではモデルはシカゴであると思っていた。実際にシカゴでのロケも行われたはずである。ところが本作では,橋で囲まれた島の印象,高層ビルの密度,証券取引所近隣の光景からして,これはどう見てもニューヨークである。ロケには,ピッツバーグ,ロサンジェルスに加え,実際にニューヨークも使われたようだ(写真3)。 |
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写真3 実際にNYロケも敢行 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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VFXはといえば,カースタントや空中戦の部分で効果的に使われている。バットマン・ビークルとして,前作でバットモービルの中から生まれたバイク形状の「バットポッド」が再度登場する。外観はほぼ同じだが,緊急時に90度急速転換できる機能が加わっている(写真4)。勿論,実機を製作した上で,激しいカーチェイス・シーン等では,VFXで補強されている。後半,ルーシャス・フォックスが開発した空中走行できる乗り物が登場する(写真5)。垂直離着陸も可能で,名称は単なる「バット」だそうだ。ヒーローの武器として荒唐無稽すぎず,派手過ぎず,ゴッサム・シティー内を縦横無尽に動き回る様が,実にカッコいい。NYを模したゴッサム・シティーの景観にも,かなりのCG/VFXが駆使されている。VFXの主担当は,前作に引続きDouble Negativeである。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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写真4 キャットウーマンが操るバットポッド | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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写真5 新しいこのジェット・ビークルが大活躍 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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意外性もバトルもあり,見事な結末に堪能 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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