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(注:本映画時評の評点は,上から,,,の順で,その中間にをつけています。) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
スタイリッシュな暴力ムービー,VFXもハイレベル | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ずばりスタイリッシュで,斬新なビジュアルがウリの映画だ。スピーディで破壊的なアクション,予告編やTVスポットを観ただけでそう感じるだろう。実は,それだけで済ませた方がずっと印象はいい。いやいや,話題作ではあるし,VFX表現もかなり優れているのだが…。 |
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写真1 銃を構える仕草も,銃自体も実にカッコいい |
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VFXには見どころの多い映画だ。全800余のVFXショットの内,約500をモスクワのBazelevs
Studiosが担当する。他にも,Framestore,Hammerhead, Hydraulx, Pacific Title, Hatch FX,CIS
Hollywoodといった各社の名前がエンドクレジットを飾っている。 まずは,前述の弾丸がカーブを描くスローモーション映像が目を引く。そのアップのシーンで「GOODBYE」と描いてあるのはご愛嬌だが(写真2),弾丸が頭を突き抜ける表現も面白い。ガラスを突き破るシーン(写真3)やその他の破壊シーン,カースタントもデジタル技術の産物だろう。いずれもビジュアル的に凝っている。 後半の大量のネズミも勿論CG製だろうが,特筆に値するのは,大鉄橋からの列車の脱線墜落シーンだ。質・量共に素晴らしく,『キングコング』(06年1月号)でのコングとV-レックスとの戦いに匹敵する大落下シーンだ(写真4)。VFX史に残る名場面だろう。これをロシアのVFXスタジオが制作できたのかと驚いたが,ここはロンドンのFramestore社の担当とのことだ。少し安心した。 VFX的には高い評価を下しつつも,評点が低いのは,演出全般がどうも筆者の肌に合わないからだ。ただし,このタッチを若者は好むかも知れない。ヘヴィメタルやハードコア・パンクを聴いている気分だ。『スピード・レーサー』(08年7月号)を「10%の快感,90%の不快感」と評したが,この映画には30%か40%の信奉者がいるかも知れない。そう感じつつも,暴力的表現ゆえに,この映画はやはり好きになれなかった。 |
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(画像は,O plus E誌掲載分から追加しています) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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