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(注:本映画時評の評点は,上から,,,の順で,その中間にをつけています。) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
破壊パワーよりも,ウィル・スミスの悪人面が印象的 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
先月案内したように,ソニー・ピクチャーズ配給のスーパーヒーローもの3本の2作目である。主演は絶大な人気を誇るウィル・スミスだから,期待も大きい。『アイ,ロボット』(04年9月号)『幸せのちから』(07年2月号)という秀作の後,前作『アイ・アム・レジェンド』(08年1月号)は前評判倒れだっただけに,本作で名誉挽回を図って欲しいところだ。 |
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ちょっとネタバレになるが,最初から訳ありの伏線があり,前半で明かされるからいいだろう。このメアリーが実はハンコックの元パートナーで,彼女もまた何千年も生きている不死身のスーパーパワーの持ち主だったという設定である。となれば,この2人の掛け合いやスーパーパワーの発揮は見せ場だらけのはずなのだが,どうも切れ味が今一つ鋭くない。軽快さでは『アイアンマン』(次号予定)に勝てないし,重厚さでは先月号の『インクレディブル・ハルク』や『ダークナイト』に一歩譲ってしまう印象だ。この監督はコメディ向きでなく,シリアス系,サスペンス系の方が得意そうだ。 VFXの担当は,勿論Sony Pictures Imageworksが主担当で,御大ジョン・ダイクストラが指揮をとる。数々の破壊シーンや空を飛ぶシーンのVFXに,ワイヤーアクションやグリーンバックでの合成,CGキャラクターによるデジタルダブルも登場するのは言うまでもない(写真3)。前述の『ウォンテッド』ほどではないが,列車の脱線シーンやその破壊された姿は当然CG表現だ。前半の破壊シーンは丁寧に作られているし,後半のビルの谷間を飛翔し敵と戦うシーンは,『スパイダーマン』で培ったVFXパワーで安心して観ていられた。 J・ダイクストラは今年のSIGGRAPHでも元気な姿を見せていたが,彼が「技術進歩が早く,常に業界初を目指す気概で臨まないと,公開時には陳腐化してしまう」と指摘するように,なるほど細部はきめ細かな作りだ。それでも新鮮さは少なく,もはや誰も驚かない。VFX技術の中身ではなく,使いどころの問題だろう。よって,この作品も評価が低くなってしまった。 |
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写真3 VFXは予想通り,ワイヤーアクション,グリーンバック,CG製のデジタルダブル等の併せ技で多彩 |
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(画像は,O plus E誌掲載分から削除・追加しています) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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