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(注:本映画時評の評点は,上から,,,の順で,その中間にをつけています。) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
アクションもコンピュータ画面も超ハリウッド級 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ハリウッド製以外にも,ソニー・ピクチャーズエンタテインメントが香港やドイツで製作したり,ヨーロッパ映画やラテンアメリカ映画を発掘してきて配給する「ワールドシネマ」の一作だ。中でも,この映画のように香港製でも最初から「コロンビア映画」ブランドで世界配給する予定で製作した作品は,ハリウッドを意識し少しスケールの大きな作りになっている。 原題は『夕陽天使』,英題は『So Close』だが,邦題には『クローサー』なる国籍不明の言葉が選ばれた。台湾生まれ,中国本土生まれ,香港生まれの女性3人が並んだポスターを見せられて,カンフー・アクションのスタイリッシュ・サスペンスと聞くと,同じSPE製の『チャーリーズ・エンジェル』(00)を思い出させる。いや,今夏にその続編『チャーリーズ・エンジェル/フルスロットル』が公開されるので,それを十分意識していることは明らかだ。ところが,アクションの出来栄えはずっと上で,ストーリー展開も面白かった。キャメロン・ディアスやドリュー・バリモアの付け焼き刃のお嬢ちゃんバトルと違って,さすが中国女優は基礎訓練が違うと感心した。 3人ワンセットの女性チームかと思いきや,それは違っていた。リュック・ベッソン製作の最近作『トランスポーター』(02)でヒロインに抜擢された台湾生まれのセクシー美女のスー・チー(写真1)が中心で,コンピュータと通信衛星を駆使してメールで依頼された殺人を請け負う暗殺者「電脳天使」のリンを演じる。その妹クワン役は,『少林サッカー』(01)で日本にも知られるようになった中国のトップアイドルのヴィッキー・チャオ(写真2)。この2人を追う女性刑事コンが香港女優のカレン・モクで,2対1に分かれての対決となっている。 |
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監督は,上述の『トランスポーター』でハリウッド・デビューを果たしたコーリー・ユン。むしろ,ジェット・リーと共にアメリカに進出し,彼の『リーサル・ウエポン4』(97)『ロミオ・マスト・ダイ』(00)『ザ・ワン』のアクション監督や,『X-メン』(01)のセコンドユニット監督とアクション・シーンを担当した経歴に注目すべきだろう。なるほどこの監督のアクション指導は並みではない。何となくかったるかった香港映画の単純な展開が,リンとコンの女性対決シーンから急に引き締まる。中盤の襲撃シーンやクライマックスの武道マスター(倉田保昭)との刀剣でのバトルは迫力満点だった。いやぁー凄い。本格的を通り越して,超ハリウッド級で世界一のアクションだ。 VFXは『少林サッカー』と比べるとそう多くなく,2度の人物落下シーンなどは下手くそだった。むしろCGは,リンやクワンが駆使するコンピュータ画面上で多用されていた。このグラフィックは,ハリウッド映画と比べても極上の出来栄えだった。センスがいい。 人工衛星から観察した地球上の映像を自在に操るシステムを「ワールドパノラマ」と称していたが,その使い方も上出来だった。『エネミー・オブ・アメリカ』(98)『エネミー・ライン』(01)等でも似たシーンはあったが,この映画のカーチェイス場面での使い方は出色で特筆に値する.このテンポ良い画面とアクションの迫力だけで,この映画は一見の価値がある。 |
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カンフーと中国語はリズムが合う |
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