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O plus E誌 2003年8月号掲載
 
 
『チャーリーズ・エンジェル フルスロットル』
(コロンビア映画/ソニー・ピクチャーズ配給)
 
       
  オフィシャルサイト[日本語][英語]   2003年6月19日 SPE試写室  
  [6月28日より全国松竹・東急系にて公開中]      
         
  (注:本映画時評の評点は,上からの順で,その中間にをつけています。)  
   
  全世代向けサービス満点のポップコーン・ムービー  
   既に公開されて日が経つが,この人気シリーズにも一言触れておく必要があるだろう。夏映画の宣伝大合戦にこの映画も果敢に参戦し,キアヌ・リーブスやシュワに負けじとメディア露出作戦を取った。キャメロン・ディアスはじめエンジェル達が3人揃って記者会見,続いてTV各局に出演,週刊誌等でもあれほど露出されれば,TV版や前作を観ていない層にも「チャリエン」の名前は浸透したことだろう。ドリュー・バリモア,ルーシー・リューの名前も今回で随分知名度が上がったようだ。
 かつての人気TV番組の映画化第2作目と来ると,いわゆるヒット方程式に乗った,商品として最も売りやすいタマだ。特に『マトリロ』『T3』には馴染めない女性層をターゲットにしたというのは正解だ。かつての番組名を覚えているオヤジ世代に対しても,セクシーショット満載のこの作品は,入場料分もとを取ったと感じて貰えるだろう。色々な世代に受けるギャグや懐メロも用意してあって,サービス精神は超一級だ。
 とにかく楽しい。サービス精神満点の映画だ。音楽もコスプレもアクションも,お金をかけただけあってハイレベルに仕上がっている。監督のMcG(マックジー)や主演のエンジェル達3人組(写真)も前作と同じだが,謎の富豪チャーリーとの連絡役のジョン・ボスレー(ビル・マーレー)はなぜか今回登場しない。その弟のジミー(バーニー・マック)が代わりを務めるが,彼がいい味を出している。そして,有能な元エンジェルで敵役のマディソン・リーとして登場するのは,『ゴースト/ニューヨークの幻』(90)のデミ・ムーアだ。ダイエットとトレーニングで大減量し,高額の美容整形でシェイプ・アップしたという。ご苦労なことだ。
 チャーリーから出されたミッションを,ナタリー,ディラン,アレックスの3人組が達成するアクション・ドラマだが,ストーリーはあってないようなものなので省略しよう。犯罪組織との対決というお決まりの構図の中で,前作にも増して,観光案内,コスプレ,懐かしの音楽やギャグ,カンフー・アクションを充実させたバラエティ・ショーだ。それ以上でもそれ以下でもない。
     
 
写真 撮影中も根っから楽しそうな3人組
 
     
   VFXはといえば,冒頭のモンゴルのテロリストの巣窟潜入シーンから,CGによる視覚効果ぎんぎんにぶっ飛ばす。装甲車が崖から転落したかと思いきや,ヘリに変身して逃亡なんてのはCGの面目躍如たるシーンだ。モトクロスのアクション・シーン等々もデジタル合成を多用しているに違いない。そして最も撮影を容易にしたのは,何度か登場する爆発や炎のシーンだろう。炎を相当なレベルまでCGで描けるようになったことで,安全確保とアクションの幅が広がった。VFXは,当然Sony Pictures Imagewotksが主担当だが,Asylumや新興のOrphanage社なども参加している。  
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  パロディ,ギャグは何割分かるかな?  
 
楽しかったですね。映画というより,バラエティ番組です。3人とも本当に楽しんでいますね。
監督のMcGは,CM,MTV畑の出身ですから,そのセンスでぐいぐい迫って来てるんでしょう。
なるほど,それで納得しました。アメリカ発のギャグCMのノリですね。
私は,昔あったTV番組『ゲバゲバ90分』を思い出しました。かなり古いけど。
「あっと驚くためタメゴロー」ですか(笑)。
よく知ってましたねぇ(笑)。あのコント,ギャグのタッチですね。ゲバゲバはアメリカの『ラーフ・イン』を下敷きにしていたはずですから,McGもそれを観て育ったのかも知れませんね。
映画の中のTVにMCハマーが出ていたり,ボン・ジョヴィやデヴィッド・ボウイ,AC/DCのTシャツなどで,あれは嬉しくなります。
世代が違うなぁ(笑)。私はビートルズのLPのジャケットがあったり,ビーチ・ボーイズの「サーファー・ガール」や「ピンク・パンサーのテーマ」,映画『明日に向って撃て』(69)の主題曲「雨に濡れても」などですね。最近ネタでは,キャメロン・ディアスが,スパイダーマンのパンティをはいていたのには笑いました。
あれは男性用のブリーフですよ(笑)。沢山ギャグやパロディがあるようですが,半分も分かりませんね。
炎の中から敵が歩いて出て来るのは分かりますか。
あれは有名な『T2』のパロディですよね?
そうです。あの炎のシーンで液状金属ロボットT-1000を演じていたロバート・パトリックが,この映画で別の役で登場しているから尚更受けるのでしょう。
修道尼姿は『天使にラブ・ソングを…』(92)のイメージですね。

歌は『サウンド・オブ・ミュージック』(64)の曲を使ってましたね。全く理解できなかったのが,アレックスの父親が口にする「イタチちゃん」なるセリフの意味です。これは全然想像つきません。

読者の皆さん,ご存知だったら教えて下さい。
 
   
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