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O plus E誌 非掲載
 
 
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『ロミオ・マスト・ダイ』
(ワーナー・ブラザース映画)
 
(c)2000 Warner Bros.All Rights Reserved
       
      (2000/4/17 ワーナー試写室 )  
         
     
  2匹目のドジョウを狙って  
   香港映画のスター,リー・リンチェイがジェット・リーと名乗って『リーサル・ウェポン4』に登場したが,そのアクションの切れ味を買われての初のハリウッド主演作品である。ワーナー製作で,マネックス・ビジュアル・イフェクツ社のVFXとカンフーの組み合わせとくれば,当然『マトリックス』の2匹目のドジョウ狙いかと考えられる。実際,配給会社もそれをセールス・ポイントにしていた。
 その割には,VFXのウェイトは大きくない。見どころは2つで,まず写真1は『マトリックス』でお馴染みのマシンガン撮影による空中スローモーション・バトルだ。エンディング近くのクライマックスで,そろそろ出てくるかなと思ったところに登場する。この種のB級娯楽作品は,観客の予想通りの作り方でよい。
 もう1つは「X線バイオレンス」と名づけられたVFXだ。写真2のような静止画では分かりにくいが,ジェット・リーの体内エネルギーが脊椎の中を移動する様を表現している。こういうマンガ的な描写は,繰り返し使った方が印象深いと思うのだが,意外とそっけなく使われていた。
 
写真1 写真2
(c)2000 Warner Bros.All Rights Reserved
 サンフランシスコ湾岸のウォータフロント地区の再開発利権をめぐって,アジア系と黒人系ギャング組織が対立する。皮肉なことに,対立する組織の首領の息子と娘が恋に落ちる。それぞれの弟と兄を殺された2人は,陰謀・裏切りの渦巻く抗争の中で……といったストーリーである。ま,ストーリーはあってないようなものだが。
 両家の抗争の中の恋を「ロミオとジュリエット」になぞらえたのだろうが,タイトルで目を引く以外は無理があった。ジェット・リーは全編英語は初めてだし,相手役のアリーヤはR&Bシンガーでこれまた映画初出演だという。両者の絡みのぎこちなさが,B級活劇を一層それらしく見せていた。この映画のテンポはハリウッド映画らしくなく,後半はかつての東映仁侠路線を思い出してしまった。
 時間が余っていて,小難しい映画は嫌いな人にはこんな映画もいいだろう。レンタル・ビデオやTVの深夜映画にはもっと向いている。
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  アメリカ製チャーハンの味  
 
「ロミオとジュリエット」の現代版というので,もう少し悲恋物語かと思ったら,とんでもなかったですね。せめてロミオは死ぬのかと(笑)。
カンフー映画で悲恋なわけがないでしょ(笑)。そもそも主人公の男女2人が,まるで恋人同士らしくないし,出会いも不自然です。
ミスカップリングですね。演技も下手だったし。
中国人男性と黒人女性の組み合わせがしっくり来ませんね。まだ逆なら,それらしく見えるんでしょうが。
それじゃ,ジェット・リー主演になりませんよ。
彼もヒーローにしてはカッコ良くないなぁ。あれじゃ,山田洋次作品に出てくる労働者か教員ですよ(笑)。
香港映画じゃ結構人気者なんですよ。
私はあんまり香港映画は見ないけど,カンフー一辺倒ではなく,さりとてハリウッド映画にしてはアクションも音響も淡泊でした。
カーチェイスも大人しかったですね。ハリウッドでも香港でもなく,中途半端でした。
何やら,アメリカで食べる炒飯か焼きそばの味という感じですね(笑)。
ハハハ,そういえば香港の刑務所シーンでは受刑者の食事も炒飯でしたね。
結構,美味しそうでした(笑)。
映画はB級娯楽作でも,音楽は良かったですね。
あなたの好きなヒップホップだったからでしょ。
カンフーとヒップホップは合いますね。SFXはもっとあっても良かったのに,こちらは控えめでした。
『パーフェクト ストーム』の予告編がありましたが,このSFXの方が凄そうですね。
アメリカの夏シーズンは大作が多いので,楽しみにしています。
 
   
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