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DVD/BD特典映像ガイド
   
O plus E誌 2010年11月号掲載
   
  『シャーロック・ホームズ』
 最近多いDVD&BDの2枚組。 両方共通の特典映像は「メイキング」(14分余)のみだ。これは主要シーンやその撮影現場をバックに,キャスト&スタッフが概要を語る標準的な構成だが,これだけで結構なアクション大作だと分かる。さらにBD専用では「フォーカス・ポイント」と称する8点の特典映像(各3〜5分)がある。見どころは「美術デザイン:ビクトリア朝後期のロンドン」(5分)と「視覚効果:当時の再現」(3分余)である。前者は徹底した歴史考証に基づき,建物の内外装の色合いから調度類の細部まで目配りしたプロの技で,それに呼応した後者のVFXも上質だ。現存する建物とCGのマッチングも完璧である。その他では,「原点に戻ったキャラクター像」「新解釈の"シャーロック・ホームズ"」(いずれも4分余)で,なるほど本作は原典に近く,しかも新解釈つきなのだと分かる。
 
   
  『第9地区』
 同じくDVD&BDの2枚組。両方に収録の「エイリアン・アジェンダ "製作日誌より"」は,3章に分かれていて,全部で34分余もある。企画を具体化するプロセス,ドキュメンタリー風の撮影の裏話,膨大なポスプロ作業の様子が詳しく語られている。南ア共和国の本物の貧民窟を買い取って撮影したという着想に驚く。
 BD専用の特典は4点ある。「ヴィカスの変身 ?苦悩の舞台裏?」(10分弱)は,主人公ヴィカスがエイリアンに変身して行くメイクで,朝3時から開始して5時間もかかるとは,俳優も大変だ。「キャラクターを作る ー演技の可能性を信じて?」(12分余)は,俳優の演技作りだが,これはあまり面白くない。「"第9地区"の世界を描く ?想像力を駆使して?」(13分余)は,隔離地区の様子,エイリアンの身体,卵,武器等の小道具,大企業MNUの描写等,各種デザインへの拘りを語る。本欄のお目当て「エイリアン誕生 ?驚異の視覚効果?」(10分余)は,マーカー付きスーツで演技させ,1コマずつ切り出してCG重畳した技法の解説だ。
 
   
  『アリス・イン・ワンダーランド』
 またまたDVD&BDの2枚組だが,特典映像はどっさりある。共通の収録分が3点あり,「アリスを探して」(5分半)「ジョニー・デップが語るマッドハッター」(6分余)で本作の製作意図や人物設定を語りながら,グリーンバック多用の撮影風景がよく分かる。「不思議の世界の住人たち」(6分半)は技術解説中心で,赤の女王や動物や双子の制作方法等のVFX解説もかなり含まれている。中身は濃く,解説も丁寧だ。
 BDだけのボーナス・コンテンツは9点あるが,本欄の目当ては「大きくなったり,小さくなったり」(2分余)で,人物の拡大・縮小に関わる特撮の舞台裏だが,短過ぎる。もっと観たかった。「赤の女王―早送りメイクアップ風景」は2時間半かかる特殊メイク,「ケーキの秘密」「お茶会の小道具」は美術関連で,いずれも楽しい。他に「音楽」「スタント」に関するクリップもあるが,3D版制作の解説が欲しかった。
 
   
  『タイタンの戦い』
 これもDVD&BD2枚組だが,本セットのDVDの特典としては「未公開シーン」しか入っていない。完全にBD重視の商法で,「もう1つのエンディング」等の他に,「フォーカス・ポイント」には9項目ものメイキング映像がある。本欄としての注目は「スコーピオン」(4分余)「メイキング・オブ・メデューサ」(4分弱)「クラーケン襲来」(4分弱)で,3種のCGクリーチャーのデザイン&制作過程が楽しめる。「テネリフェ島での撮影」(約4分半)「ウェールズでの撮影」(約2分半)のロケ模様も,大作らしく贅沢だ。
 
   
  『シャッター アイランド』
 BD1枚もの。他では特典映像がないので,これを買わざるを得なかった。2点しかないが,「……の舞台裏」(17分余)「灯台の中へ」(21分余)はいずれも長い。本作のプロットの伏線,精神医学の観点からの解説は,じっくり副読本として楽しめる。VFXシーンは出て来るが,その解説はなかった。この作品にその種のメイキングを求める方が無理だとも言えるが。
 
   
 
   
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