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DVD/BD特典映像ガイド
   
O plus E誌 2010年12月号掲載
   
  『ウルフマン』
 DVD&BDの2枚組。大容量のBDには劇場公開版の他に拡張版も入っている。DVDの特典映像は未公開シーンだけで,各種メイキング映像はBDのみの収録だ。 「リターン・オブ・ウルフマン」(12分余)は,リメイクの意図,旧作との比較等,撮影シーンと語りを巧みに組合せ,メイキング映像として悪くない。「獣を作り出す男:リック・ベイカー」(約12分)は,特殊メイクの達人,R・ベイカーの「狼男の作り方」を堪能できる。メイク技術の進歩も分かり,一見に値する。
「変身の秘密:視覚効果の制作」(15分余)で,ILM出身のJ・ジョンストン監督は,VFXは控えめにしたというが,狼男への変身シーンは相当なものだ。機材や技術の解説も丁寧で,当欄としても大満足だ。「放たれた獣:アクションシーンについて」(約9分)は,スタントシーンのメイキングで,撮影シーンは大迫力,スピード感に溢れている。CG抜きの25mジャンプシーン,蒸気バスの横転シーンが見もので,装置やカメラも興味深い。映画の評価は低かったが,もう一度観たくなった。
 
   
  『アイアンマン2』
 DVD 1枚,BD 2枚の3枚組。DVDの特典は監督の音声解説のみで,残りはすべてBD専用だ。BD2枚も費やすだけあって,特典映像の分量も膨大だ。
 BD-Disc1の「SHIELDデータ保管庫」は,登場キャラクターや機材の様々な設計データが収納してあり,インタラクティブモードで探索できる。じっくり見たいが,時間がないので,解説はパスする。「プレビズとアニマティクス」は,本編上映中にピクチャー・イン・ピクチャー」モードで,プレビズ映像を見せてくれる。とはいえ,絵コンテに単純にアニメ化したものやビデオコンテが大半で,余り価値はない。肝心のVFXシーンに対応していないと思ったら,価値ある精巧なプレビズはDisc2の方に分散して存在していた。
 BD-Disc2では,「進化したアイアンマン」なるメイキング映像だけで1時間半もある。4つのパートに分かれているが,ほぼ収録順であって,各表題は内容にピッタリではない。価値ある部分をいくつか列挙するなら,「スーツの強化 」中にある手持ち液晶モニターを使ったカメラワーク試行プロセス,「帰ってきたアイアンマン」中のパーティでの格闘シーンの収録風景,「新たなる挑戦 」中のレースシーンの撮影現場である。
「映像特典」には6項目あり,全部観ると30分半になる。中身が濃いのは次の2点だ。「スターク・エキスポの製作 」(7分弱)で,本作の前半と終盤に登場する「スターク・エキスポ」の設計で,ディズニー・ワールドを参考にしたパークのデザインには,かなりの制作エネルギーが投じられている。このパークに関わるシーンは,しっかりプレビズされていた。「実物とデジタルの出会い 」(約8分半)は,数々のVFXシーンのメイキングで,当欄の読者を大いに満足させるに足る内容だ。他の4項目は,登場人物毎の人物設計論である。
 デザイン重視の作品だけあって,静止画の「コンセプトアートギャラリー」も充実していて,一見に値する。
 
   
  『ザ・ウォーカー』
 BD1枚もの。なぜ2つに分割したのか理解に苦しむが,「イーライの旅」(約18分)と「世界崩壊からの再生」(約13分)は,まとめて1つの充実したメイキング映像だ。聖書がテーマであること,悪役のカーネギーの存在への言及が多い。監督は,VFXシーンをイメージするため,通常の絵コンテやCGによるプレビズでなく,アーティストに精巧なコミック画を描かせている。この絵が素晴らしい。特典映像なら,全点収録して欲しかったほどだ。「失われた物語」(約5分)は,その絵のタッチで,カーネギーの少年時代を描くサイドストーリーを短編アニメとして製作したもの。この特典は嬉しい。その一方で,「音楽について」(5分)は監督と音楽担当者の語りだけで,肝心の音楽がなくつまらない。
 
   
 
   
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