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plus E誌 2016年11月号掲載 |
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『デスノート Light up the NEW world』
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(ワーナー・ブラザース映画)
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(C) 大場つぐみ・小畑健/集英社 (C) 2016「DEATH NOTE」FILM PARTNER
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オフィシャルサイト[日本語] |
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[10月29日より丸の内ピカデリー他全国ロードショー公開予定] |
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2016年10月3日 GAGA試写室(大阪)
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(注:本映画時評の評点は,上から,,,の順で,その中間にをつけています。) |
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10年ぶりに再登場の続編は,CGだけが少し向上 |
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| 純洋画メジャーでありながら,邦画製作に最も熱心なのはワーナー・ブラザースである。『DEATH NOTE デスノート』シリーズと『るろうに剣心』シリーズの成功が特筆に値する。毒にも薬にもならない草食系若者映画中心の邦画とは,一味も二味も違うテンポの良さが快感であった。監督・俳優・スタッフのほぼすべてが日本人であるのだから,これは企画力や資金力の差か,監督に与える自由度の違いなのかと想像した。
本作は,2006年に公開された前後編2作の続編である。後編『デスノート the Last name』(06年12月号)の結末は平凡であったが,『DEATH NOTE デスノート 前編』(同7月号)が抜群に面白かった。原作コミック全12巻の後半はぐだぐだの駄作であるから,最初の数巻の面白さだけを上手く使っていたと言える。
今思えば,夜神月役の藤原竜也とL・竜崎役の松山ケンイチの演技が出色だった。若手俳優2人は,この映画でブレイクしたと言って過言でない。特に松山ケンイチは他の出演作の印象とは全く違い,役作りが見事であったことを後日再認識した。その人気に便乗して,彼だけが登場するスピンオフ作品『L change the WorLd』(08年2月号)も製作されたが,これは今イチだった。
さて,第1作から10年経って公開される本作は,劇中でも「月」と「L」が死んでから10年後の世界に設定されている。「世界には6冊のデスノートが存在する」という原作中の記述だけを利用し,後は全くのオリジナルストーリーというのは,ある意味で期待がもてた。主演は,東出昌大、池松壮亮、菅田将暉の若手人気男優3人で,誰が夜神月の意志を継いだテロリストの「新生キラ」であるかを探る物語である。演技力のある池松壮亮,菅田将暉は,筆者のお気に入りなので,その意味でも期待した作品である。
10年前の2部作からの継続出演は,月を慕い,「第2のキラ」であった弥海砂役の戸田恵梨香と死神リュークの声を演じた中村獅童だけである。2人とも,10年後の同じ役柄で再登場する(写真1)。思えば,戸田恵梨香は前2部作が映画初出演で,その頃は軽いだけの少女「ミサミサ」を演じていたのだと感慨深い。
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写真1 あのミサミサも10年経つと,大人のいいオンナになった
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| 例によって,既にネット上で熱心なファンが様々な意見を言い合っているので,物語の概要や展開を書くことは控えておこう(そもそも,試写会時に誓約書の提出を義務づけられていて,詳しく書けないことだらけだが)。ずばり映画としての評価だけを書くなら,☆か☆+程度である。主演3人に焦点を当ててはいるが,彼らの持ち味が生かせていない。テンポが悪く,これでは演出も編集も,ただの凡庸な邦画のレベルだ。
以下,当欄からの精一杯の応援演説である。
■ 死神リュークのCG描写だけは格段に良くなった。前2部作は作品は褒めても,CGは褒められなかったのに今回はその逆である。既にMoCap採用していたのに,動きはぎこちなかった。まだいかにも使いこなせていないという印象であった。質感はいいなと思ったら,そのシーンはCGでなく,操り人形のパペットであったという笑えぬ逸話もあった。10年間の進歩だから,当然と言えば当然であるが,身体の動きも顔の表情も「まともに見られる」レベルに達している(写真2)。リュークの他に女性の死神アーマ等も登場する(写真3)。アーマの表情は乏しいが,崩れ去って粉々になるシーンは,ハリウッド映画に近いレベルに達していた。このCGの頑張りを最大限に評価して,映画全体も☆☆にしておこう。
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写真2 本作では死神リュークはすべてCGで制作。身体の質感も顔の表情表現も格段に向上した。 |
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写真3 新登場のアーマは女性の死神。無表情だが,崩れ行く様は上々の出来映え。
(C) 大場つぐみ・小畑健/集英社 (C) 2016「DEATH NOTE」FILM PARTNERS
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| ■ 2D版の他に3D版も作られている。3Dに不熱心な日本映画界と違い,海外への輸出も考慮して3D版を作っているのだろう。ただし,国内では3D変換の腕が伴わないのか,折角の3D版の効果が薄い。
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(画像は,O plus E誌掲載分に追加しています) |
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