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O plus E誌 2014年5月号掲載
 
 
キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』
(マーべル・スタジオズ/
ウォルト・ディズニー・
スタジオ・ジャパン配給 )
      (C) 2014 Marvel. All Rights Reserved.
 
  オフィシャルサイト[日本語][英語]    
  [4月19日より丸の内ルーブル他全国ロードショー公開中]   2014年4月2日 GAGA試写室(大阪)
       
  (注:本映画時評の評点は,上からの順で,その中間にをつけています。)  
   
  侮るなかれ,誠実なキャプテンの活躍に思わず拍手!  
  全く脱帽だ。シリーズの繋ぎ作品,本命作品を盛り上げるための脇役的存在と,少し侮っていたのだが,素直に恥じ入り,謝罪の弁を述べたいほどだ。大きな期待をしていなかった分,本作の痛快さ,娯楽作品としての完成度の高さにすっかり魅せられてしまった。
 マーべル・コミックのヒーロー達が集結した『アベンジャーズ』(12年9月号)のNYの戦いから約2年経つ。スーパーヒーロー達4人の中でも,リーダー格で出番も多く,目立ちたがり屋はアイアンマンであり,同作で意外にも最も存在感のある重量級の活躍を見せてくれたのはハルクだった。マイティ・ソーやキャプテン・アメリカは,4人組のメンバーで敵と戦っていたとはいえ,少し引いた存在であり,出番も少なく,顔見せ的な扱いであった。既に『アベンジャーズ2』は2015年4月公開が公言されていて,題名も『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』になる予定だ。その再集結に向けて,各ヒーローたちをソロ公演させてしっかり稼ぎ,人気も維持する算段である。
 既に『アイアンマン3』(13)は昨年のGWに公開され,『アベンジャーズ』以上の痛快な娯楽大作であった。続く『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』(14年2月号)は前作よりもスケールはアップしたものの,すっかり人気者になった弟ロキの存在で巧みな営業戦略を感じさせるものであった。となると,最も地味で,戦闘能力もさほどでないキャプテン・アメリカの第2作目は,あまりアクションを強調せず,やや小粒なヒューマンドラマで押して来るのではないかと予想していた。この予想は見事に外れ,近年のマーベル・スタジオズ製作での屈指の娯楽大作に仕上がっていた。繋ぎの作品どころか,シリーズ最高傑作ではないかと思う。マーベル作品なら満足度保証付きで,外れはないと思わせる一作だ。
  監督は,『ウェルカム トゥ コリンウッド』(03)のアンソニーとジョーのルッソ兄弟。TVシリーズで頭角を現し,S・ソダーバーグ監督に抜擢されたというが,初めての大作をかくも見事に仕上げるとは,さすが映画大国は層が厚いと感心する.主演は勿論クリス・エヴァンスだが,本作では助演陣の存在感,活躍ぶりが目立った。前作まではアベンジャーの召集役で少し登場するだけだった国際平和維持組織S.H.I.E.L.D.のニック・フューリー長官役のサミュエル・L・ジャクソンと,女スパイ,ブラック・ウィドウ役のスカーレット・ヨハンソンの出番がたっぷり確保されている。名優ロバート・レッドフォードの役どころが見ものだ。副題にあるウィンター・ソルジャーは敵役の暗殺者で,キャプテンとはかつての親友という設定も重要な意味をもつ。
 何が傑作か一言で言うのは難しいが,テンポの良さ,一刻たりとも飽きさせない語り口の上手さだろうか。以下,CG/VFXを中心とした見どころである。
 ■ 始まってしばらくしての最初の見せ場は,インド洋航行中の船上でのバトル・シーケンスだ。キャプテンの身体能力を活かした素晴らしいシーンだ。続いて,フューリー長官の車が襲撃されるシーケンス。この車がトンデモナイ代物で,これまでこんな痛快で魅力的なカーアクション・シーンは観たことがない。いずれもCG/VFX満載で,もうこの2つだけで堪能してしまう。
 ■ 超硬合金製の盾1枚だけで,飛び抜けた超能力もないキャプテンが,単身高性能戦闘機に挑むシーンは,まさに健気そのものだ(写真1)(写真2)。その誠実なキャプテンの言葉ゆえにS.H.I.E.L.D.職員が信頼を寄せるシーンは感動ものだ。本作で,そのキャプテンを補うべく登場した相棒のファルコンは,元空軍パラシュート部隊のエースで,何と,驚くべき人工翼を身につけて空中を縦横に飛び回る(写真3)。これは,アイアンマンもビックリの強力な装備だ。いや,楽しさ満開だ。
 
 
 
 
 
写真1 単身で戦闘機に挑むキャプテンは健気だ
 
 
 
 
 
写真2 盾1枚だけ身に付けたこの後ろ姿にも痺れる
 
 
 
 
 
 
 
 
写真3 新相棒のファルコンは特殊パラシュートで大活躍
 
 
 
  ■ ビジュアル面で圧巻なのは,S.H.I.E.L.D.ビルの地下に作られていた秘密工場だ。そのビジュアルデザインにまず感心する(写真4)。終盤の大バトルを前に,この工場の天井扉が開き,川面に登場するシーンも圧巻だ(写真5)。そこからヘリキャリアが飛び立ち,大作らしい大バトルを繰り広げる(写真6)。これがビルの壁面に衝突するシーンも見せ場だ(写真7)。いやはや,恐れ入りました。この映画の試写は2D版でしか見ていないのだが,これで3D版なら迫力は倍加していたと感じた次第だ。
 
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写真4 S.I.E.L.D.本部地下の秘密工場のデザインは壮観
 
 
 
 
 
写真5 その天井扉が開いて川面に現れるシーンも圧巻
 
 
 
 
 
写真6 クライマックスはお決まりのように大バトル
 
 
 
 
 
写真7 ヘリキャリアがついにS.H.I.E.L.D.ビルに激突!
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  (画像は,O plus E誌掲載分に追加しています)  
   
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