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(注:本映画時評の評点は,上から,,,の順で,その中間にをつけています。) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
90分楽しめる,良くできた3Dテーマパーク・ムービー | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
この映画がどれだけ日本でヒットし,3D上映館が賑わうかに注目したい。米国の映画市場は,時ならぬ3D映画ブームである。既に3D上映可能な劇場は1000を超え,2010年には5000スクリーンに達すると予想されている。大型テレビやホームシアターが普及しつつある中で,映画館に観客を呼ぶ魅力的な題材として(両眼立体視による)3D映画に再び注目が集まっている。 |
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写真1 白雲母が割れて大落下した先は,雄大な地底の世界 |
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2D版でも,元が3D映画用だとすぐ分かる。人物・事物が真ん中に配したデプスを感じさせる構図が続き,背景はパンフォーカスの画面が多用されるからだ。全編を通じて,CG/VFXの利用はかなりの比率に及ぶ。そりゃそうだ。地底に行く訳にはいかないから,模型やCGに頼らざるを得ない。3Dだとマット画や奥行きを誤魔化すテクニックは使えないから,VFX的にも苦労が多かったと想像できる。VFX担当には,Meteor
Studios,Hybride,Frantic Filmsなどの名が並んでいる。 正直なところ,この2D版はアクションも少なく,かなり大人しいファミリー映画だ。ジュール・ヴェルヌの描いた冒険は,現代から見ると,かくも単純でノンビリしたものかと感じた次第である。 この評価は,3D版を観ると一変する。これまでに作られた中で最も優れた3D映像の1つと評価できる。坑道を走るトロッコのジェットコースターや浮遊する岩での移動は,3D-CGならでは魅力的なシーンだ。座席を揺らすギミックが欲しくなるくらいだ。光る鳥の飛翔やピラニアの攻撃も,立体映像の特性をよく計算して描かれている。突然飛び出す物体で脅す立体映像の定番シーンは少なく,背景の奥行き方向で自然な立体感を演出しているのが好ましい。何よりも,次はどんな冒険がやって来るのか待ち受けられる,そのテンポがいい。 難点を言えば,試写会場のプロジェクタが暗かったことだが,これは地底探検と考えれば我慢できた。終わってから気がついたが,筆者はこの作品をアクション映画のリズムではなく,テーマパーク・アトラクションの映像として楽しんでいた。そう考えれば,90分も楽しめるライドムービーは,貴重なエンターテインメントである。この映画は是非3D版で観て頂きたい。 |
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(画像は,O plus E誌掲載分から追加しています) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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