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DVD/BD特典映像ガイド
   
O plus E誌 2011年1月号掲載
   
  『9 <ナイン> 〜9番目の奇妙な人形〜』
 1枚もので,BDもDVDも特典映像は同じだ。予想通り,原点となった短編『9』(約10分)が収録されていた。オリジナルでも,監督+スタッフの音声解説付きでも観られる。嬉しい,細やかな配慮だ。
 他では,下記3編が充実していた。「9<ナイン>短編から長編へ」(約16分半)は,文字通り,原短編で高い評価得てから,長編の企画・完成までの道を描く。短編とはいえ,1人でこの作品を作った才能に驚くが,米国の映画製作教育のレベルの高さも感じる。声の出演者たちも,このメイキングに何度も出て来て,しっかりとコメントしている。
「9<ナイン>の世界」(約13分)では,想定された時代は1920〜40年で,電球,送電線,工場の煙突から廃墟の描き方まで,キチンと計算された作品だと分かる。それをCGで表現する際の質感表現やクリーチャーの動き,人形の表情作成の話まで,盛り沢山で,中身が濃い。 「キャラクターの動きと個性」(5分弱)は,ユニークなアニメ制作論だ。アニメーターは大抵鏡で自分の表情を見て制作するというのが面白い。フルCGでは先にセリフを吹き込むので,声優達の吹き込み時の所作も動きの生成に役立てるという。
 
   
  『ザ・ロード』
 これも1枚もので,特典映像はBDもDVDも同じだ。未公開シーン,フォトギャラリー,予告編等の他には,「メイキング」(11分半)が一編あるだけだった。作品概要,原作紹介とちょっとした撮影風景しか入っていない。良く計算され,真摯な態度で制作された作品だとは分かるが,セット制作,ロケ地選択,VFXへの言及等が,ほとんどない。250カットもあって,いいVFXだったのに残念だ。
 
   
  『アバター』
 BD版 Extended Editionの3枚組。DVD版3枚組もあるが,特典映像の数が全く違う。4月に本編だけのBD+DVDが発売されたが,メイキングに関する映像を,それから7ヶ月も待たせただけのことはある。量も質も圧巻で,絶対にBD版を買うべきだ。まさに映画史に残る大映像記録で,本欄のルールに違反し,☆4つをつけてしまった(笑)。
 Disc 1に本編が3種類ある。「オリジナル版」(162分)「特別編」(171分)「エクステンデッド・エディション」(178分)で,差分だけ観られるのが嬉しい。新しい獣の大群も別のオープニングも一見の価値あり。
 Disc 2の「ドキュメンタリー:『アバター』大解剖」は,4つのPartに分かれていて,全部で1時間38分もある。ほぼ時間順か? 話題豊富で中身も濃そうだが,とても全部見切れなかった。正月休みにゆっくり観よう。「パンドラからのメッセージ」(20分余)は,地球環境破壊に対するキャメロン監督からのメッセージだ。彼の教養,思慮深さ,志の高さにも感心する。自作品のBDに,こういう一編を入れておく配慮にも敬服する。「プリ・プロダクション:メイキング映像集」は,14項目で計1.4時間もある。表題は変で,プリプロだけでなく,ポスプロでのVFXメイキングがしっかり6社分入っている。どれも感心するほどハイレベルだ。最後にある,スタッフ製作の作品「The Volume」(31分)が楽しい。こんなジョークを収録するのも,余裕だ。
 Disc 3の「段階別に見るモーションキャプチャー」は,17のシーン,全1時間余のシーンで,MoCapの活用事例を3種類のモードで見せてくれる。「製作の舞台裏」には,模型制作,衣装デザイン,撮影,編集,音楽からナヴィ語まで,16項目もある。撮影関係者なら「3Dフュージョンカメラ」「サイマルカム」が必見だ。最後の「偉大なニュージーランドのスピリット」も素晴らしい。「アバター・アーカイブ」の中には,脚本やパンドラ星に関する記載原稿が,丸ごと入っている。
 
   
 
   
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