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DVD/BD特典映像ガイド
   
O plus E誌 2010年9月号掲載
   
  『サロゲート』
 DVD&BDの2枚組だが,音声解説以外の特典はBDのみに収録。「サロゲート:最新技術の行方」(14分半)は,表題通り徹底取材した最新関連技術の解説だ。シリコン素材で作った義手,阪大・石黒教授のジェミノイド,米国のテレプレゼンスロボット等が興味深いが,映画と同様,未来へのダークメッセージ調なのが気になる。「グラフィックノベルから映画へ」(6分半)は,GNの原画を使った書割り調アニマティックスを見せつつ,原作者や関係者が映画化された歓びを語る。
 
   
  『Dr.パルナサスの鏡』
 DVD2枚組で,Bonus Disc に10点の特典映像がある。「鏡の世界」(約3分半)と「ギリアムのイマジナリアム」(約6分半)はよく似た構成で,監督が世界観を語り,出演者がこの映画の概要を語る標準的なメイキングだ。監督への信頼は厚く,尊敬の念に溢れている。「寺院の建立」(7分余)は,パルナサスが悪魔と会う寺院のVFX制作の詳細で,ギリアム監督が描いた下絵が実に見事だ。1/100模型も芸術的な出来栄えで,そこに高度なVFXを駆使して完成させる過程は一見に値する。
 同じ2分11秒のシーンを題材にし, 「プレビズ&ストーリーボード」「ブルーバック」「VFX」「ファイナルシークエンス」の順で映像制作過程を見せてくれる。本欄にとっては嬉しい充実した企画だ。
 
   
  『ラブリーボーン』
 BD2枚組。Disc 2には何と3時間ものメイキング映像がある。ピーター・ジャクソン監督が,週単位で撮影現場での出来事を丁寧に解説してくれる。「本編撮影 アメリカ編」(約1時間半)は8週分,「本編撮影 ニュージーランド編」(約1時間)は5週分の記録だ。ほぼ同時進行で整理して行かないと,ここまでのボリュームのものは作れない。Before/Afterやマルチスクリーンなども駆使し,良い映画制作教本になっているが,一般人はせいぜい早送りで観るのが精一杯だ。
「視覚効果編」(約30分)だけはじっくり観ようとしたが,これも結構長い。どんな機材を使っているのかがよく分かる。ただし,現場風景と演出の意図だけ語って終わりではなく,もう少し技術論が欲しかった。
 
   
  『スパイアニマル・Gフォース』
 DVD&BDのセット。BDにはDVDの倍以上の特典があるが,内容的には今イチだ。「集めて こねて 形にして」(約13分)が,構想から完成までの普通のメイキングだが,特筆すべきものはなし。他は,撮影現場でのエピソードやおふざけ映像で,些細な出来事の記録に過ぎない。主人公の少年の家族や多数の子供を見学させ,和気あいあいとした雰囲気での撮影だったようだが,内輪話だけではつまらない。メイキングで知りたいのは,着ぐるみのデザインや制作過程,CGとの合成等だ。
 同じM・センダックの絵本をS・ジョーンズが製作した短編(23分半)があるが,これも余り面白くない。
 
   
  『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』
 DVD&BDの2枚組。DVDには1点だけ,BDにはさらに数点の特典映像があるが,未公開シーンの他はいずれも語るに値しない低レベル・コンテンツだ。想定観客層は中高生とはいえ,こんな子供だましのゲームでお茶を濁すとは,顧客を馬鹿にしている。

 
 
   
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