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DVD/BD特典映像ガイド
   
O plus E誌 2010年8月号掲載
   
  『カールじいさんの空飛ぶ家』
 BD2枚とDVD1枚のセット。DVDとBD-1は同じ構成で,本編の他に短編2本を含む数点の特典映像がある。
「南米ベネズエラ冒険記」(22分余)はロケハンの様子で,景観に圧倒される。映像記録しても上出来だ。
 BD-2には,ゲーム以外に約1時間のメイキング映像がある。「製作の舞台裏」は4〜9分の7編の映像に分かれている。「異色のヒーロー」「探検家ラッセル」「犬のキャラクターたち」「伝説の鳥」は主要登場キャラの設定と設計で,皆で意見を出し合い練り上げている。犬の生態やダチョウの挙動もしっかり観察している。出色なのは「カールじいさんの家」で,外観だけでなく,素材・内装への配慮も顕著だ。模型を作り,各部屋に照明までつけている。「風船と飛行」では実在した飛行船を参考にし,「音楽」は時代やキャラの性格に合わせて丁寧にサウンドデザインされている。まさにクリエイティブ集団が情熱を込めた作品だと分かる。
「プロモーション映像」(6分弱)は何のための映像か不明だが,「未公開シーン:結婚生活」(9分余)は2人の結婚生活の初期バージョンで,結婚に至るまでが長い。絵コンテの連続再生映像だが,興味深い。
 
   
  『パブリック・エネミーズ』
 DVD2枚組。Disc 2 に特典が5点あるが,どれも同じ作りだ。1930年代同当時の記録映像とこの映画のシーンの両方を使い,史実をいかに描き,いかに演じたかを語る。「デリンジャーとパーヴィス」(10分余)は主人公2人を対比した時代背景の解説。「最後の伝説的アウトロー」(9分弱)は,銀行強盗の手口や強盗団の役割分担が中心。「残された痕跡:ロケ地について」(10分弱)では,主人公の足跡を追い,本当の刑務所で脱獄を撮影。殺害場面の精緻な再現など。「暗躍の裏側:銃と車」(10分弱)は,表題通りの歴史考証とFBIの組織論。「メイキング・オブ…」(20分半)は,企画,キャスティング,撮影等の普通のメイキング。マイケル・マン監督は冷静かつ情熱的で,スタッフの信頼の厚さが窺える。特典映像全体は,ドキュメンタリー的価値はあるが,美術・音楽・VFX等の解説が全くない。
 
   
  『かいじゅうたちのいるところ』
 DVD&BDのセット。BDにはDVDの倍以上の特典があるが,内容的には今イチだ。「集めて こねて 形にして」(約13分)が,構想から完成までの普通のメイキングだが,特筆すべきものはなし。他は,撮影現場でのエピソードやおふざけ映像で,些細な出来事の記録に過ぎない。主人公の少年の家族や多数の子供を見学させ,和気あいあいとした雰囲気での撮影だったようだが,内輪話だけではつまらない。メイキングで知りたいのは,着ぐるみのデザインや制作過程,CGとの合成等だ。
 同じM・センダックの絵本をS・ジョーンズが製作した短編(23分半)があるが,これも余り面白くない。
 
 
   
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