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DVD/BD特典映像ガイド
   
O plus E誌 2010年6月号掲載
   
  『BALLAD 名もなき恋のうた』
 DVD3枚組が,何と8,190円。本編ディスクがBlu-rayになっただけで9,240円もする。邦画のDVD/BDは,相変わらず高過ぎる。本編ディスクに「ミニメイキング」(19分弱)があるが,そこそこ良くできていて,制作現場の雰囲気を味わうのなら,これだけで十分だ。
 特典ディスク1で価値があるのは「VFXメイキング」(10分半)だけだ。想定質問に監督が答える形になっていて,これは良い着想だ。想像以上にVFXが使われ,用途も手法も納得で,さすが山崎監督と白組だと感じる。他には主演男優・女優の撮影記録,助演陣1人ずつの記録があるが,全部で2時間弱ある。とにかく長い。「山崎監督語る」(14分余)では,監督のこの映画への情熱があまり感じられない。何故だろう?
 特典ディスク2には呆れる。草g剛×監督,新垣結衣×監督の2つのビジュアル・コメンタリーがあるが,本編ディスクにあるオーディオ・コメンタリーと同内容だ。単に小さな画面を見ながら語る2人の姿が2時間前後も写っているだけである。これでDVD1枚を費やすとは,何たるプアで安直な企画だ。顧客を馬鹿にするな。
 
   
  『きみがぼくを見つけた日』
 特典につられて,BD1枚ものを購入したが,たった2点しかない。「メイキング:時を越えた愛の物語」(21分余)と「2人の愛の軌跡」(26分弱)は,似たようなもので,この映画をスタッフと主要キャストが語っているに過ぎない。強いていえば,後者は撮影風景があるだけ,少しためになる。複雑なタイムトラベルは,映画では描きにくいという言葉が印象的だった。
 
   
  『ATOM』
 これもBD1枚もの。特典映像を観たければ,高いBDを買えと言わんがばかりだ。「キャラクターデザインと美術」(10分半)は,アトムの描き方の実演や3Dモデル化を紹介し,後は構図や色使い等を語る。あまり面白くない。「メトロシティにようこそ~ヴァーチャル・セットツアー」(約7分半)は,イマジ社の見学から始まり,CGメイキングへと続くが,中身は凡庸だ。
「キャラクター・リメイク秘話〜手塚眞(監修)&清水義裕(手塚プロダクション)インタビュー」(約6分半)は,アトムのデザインをめぐって,手塚プロとイマジ間で揉めたというが,その裏話として興味深い。
 
   
  『2012』
 DVDとBDの2枚組。BDに10数点の特典映像があるが,意味のあるのは次の5点だ。
「世界の終わりの映像化」(26分余)は,事実上VFXメイキングで,どのシーンもボリュームたっぷりの解説で,皆プロだ。SFXとVFXの使い分けやセット準備もためになる。物理レンダリングの威力やPreVizの必要性も実感できる。このVFXがオスカー候補にならなかったことが解せない。
「大作映画の巨匠:ローランド・エメリッヒ」(9分半)はキャスト&スタッフが監督を語り,「世界の終わりを体験した俳優たち」(7分半)は監督がキャストを語る。背景に流れる撮影風景がいずれも大規模で感心する。
「世界の破滅を裏付ける科学」(13分余)は,災害シーンの科学考証というべきもので,話はマヤ文明の歴史考証にまで及ぶ。映像番組として面白い。「マヤ暦 イントロダクション」(4分弱)は,マヤのツォルキン暦の解説だが,いずれも手抜きせず,金がかかっているという実感がする。邦画のDVDとは大違いだ。
 
 
   
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