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DVD特典映像ガイド
   
O plus E誌 2010年3月号掲載
   
  『ノウイング』
 2枚組。Disc 2には,音声解説・予告編集以外に,特典映像は2つしかない。これなら十分1枚に入るはずであり,2枚組にするならもっと充実させるべきだ。
「メイキング・オブ・ノウイング」(約12分半)は,主としてキャスト&スタッフの語りと撮影風景。これだけなら,普通の凡庸なメイキングだが,後半,飛行機墜落後のシーンのメイキング映像は充実していた。
「ノウイングと終末のビジョン」(17分余)は,神話,黙示録,魔女伝説もからめて終末思想を紹介する。宗教画風の絵画もまじえた解説で,さほど高尚な教養番組ではないが,なかなか面白い映像だ。
 
   
  『トランスフォーマー/リベンジ』
 勿論,2枚組。Disc 2の特典映像は全部で3時間余もあり,ものすごいボリュームだ。まず「メイキング・オブ……」だけで,通して観ると2時間15分もある。ずっと監督を追ったビデオ記録なので,かなり冗長だが,映画人がハリウッド流大作映画の作り方を学ぶには最適だ。小項目の「マイケル・ベイ監督のこだわり」「軍の撮影協力」「中東での撮影」では撮影規模の大きさに圧倒される。「編集」「ポストプロダクションと劇場公開」では,現在の設備や工程がよく分かる。「視覚効果」だけで29分もあって,工程の遅れに緊急事態宣言を出し,ILMとの共同作業に臨む様子が詳しく描かれている。
「プレビズ映像」(23分余)は,プレビズ監督のスティーブ・ヤマモトの音声解説つきで,11シーンのCGメイキングが語られている。「トランスフォーマー:25年の歴史」(11分弱)は,玩具やアニメも含めた歴史で,子供たちの反応が印象的だ。じっくり観ている時間はなかったが,マニアには嬉しい映像だろう。 随所にマイケル・ベイ監督が登場し,「ベイさんとの1日」まである。この人はブロックバスター映画は撮れても,心に滲みる芸術作品は創れないだろうなと感じた。
 
   
  『ボルト』
 1枚もの。特典は「ボーナス・コンテンツ」と呼ばれている。全体として,映画本編ほどは面白くなかった。
「製作の舞台裏」には3点ある。「監督デビューまでの道のり」(約4分半)は題名とは異なり,2人の若手監督の実際のマネージメントの様子が描かれている。とにかく楽しそうで,巨大ハムスター・ボールでの遊びなど,洒落っけもある。「ボイス・キャスト」(約9分半)は,マイリー・サイラスやジョン・トラボルタの吹き込み風景だが,特筆すべきものはない。「ボルトの世界観」(7分弱)の中心は,シーンの背景を伝統的な絵画風にした話だ。下絵は見事で,完成画像も素晴らしい出来映えで,これは一見の価値がある。
 音楽セッションと未公開シーンの他には,脇役のハムスターを主人公にした短編アニメ『ライノ!』(約4分半)が入っていたが,ほぼ予想通りの出来だった。
 
   
  『ナイト ミュージアム2』
 DVDとBlu-rayのセットで,最近この形態での発売が増えている。DVDはPCでも手軽に観られるが,Blu-rayプレーヤーの利用環境が限定される現時点では,親切で現実的な商品企画だ。本編映像は両方に入っているが,容量からして,Blu-ray版だけに特典映像が沢山入っていることが多い。別売りの場合も同様のケースが増えている。それを前提に,今後は当欄でもBlu-ray版の存在を意識して解説する。
 本作の場合,DVDの特典映像は3点だけだ。「…製作の舞台裏」(28分弱)で,監督・主要キャストが語る普通のメイキングだが,スミソニアン博物館にグリーンスクリーンを持ち込んだり,大通りや大型セットでの撮影が印象的だった。「歴史的告白:それぞれの言い分」(約6分半)は登場する歴史上の人物に色々と語らせるギャグ,「サルの主演女優」(約6分半)は猿の演技・訓練・撮影風景だが,いずれもさほど面白くない。
 Blu-ray専用の映像特典は多数あり,ゲーム,ミュージック・ビデオ,NG集等も含めると,全部で10点もある。本欄として価値があったのは,「写真の世界の再現:1945年のタイムズ・スクエア」(6分弱)で,これは正統派のVFX解説だった。「秘密の扉と科学者たち」(16分弱)は,NYの自然史博物館の館内ガイドを兼ねた啓蒙映像で,小中学生の理科教育にはいいだろう。とても全部は見切れないので,その他は早送りで済ませてしまった。それで,十分だ。
 
 
   
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