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O plus E 2019年Webページ専用記事#4
 
映画サウンドトラック盤ガイド
   
 

■「ライオン・キング オリジナル・サウンドトラック」
(Universal Music =music=)

   
 
英語盤 日本語盤 デラックス盤
 
 
 メリー・ポピンズ リターンズ」(19年1・2月号)「アラジン」(同Web専用#3)と同様,国内盤として,英語盤,日本語盤,デラックス盤の3週類が発売されている。即ち,日本国内販売の英語盤は,日本語ライナーノーツが付く以外は輸入盤と同じで,日本語盤は劇中で日本人声優が歌った歌唱曲を入れ替えている。いずれも,同じ曲順で19曲構成である。デラックス盤は英語盤と日本語盤を(重複を除いて)併せた2枚組で計27曲のお徳用盤だ。
 前2作と少し違うのは,最初に歌唱曲,残りを演奏曲という風に括ってしまわずに,両者を混ぜ,劇中での使用順に並べていることである。これは少し嬉しい。また,日本語盤CDでは収録されていないが,(iTunes, Amazon等での)音楽ダウンロード用には,日本人歌手RIRIが歌う「サークル・オブ・ライフ」(日本語版オフィシャルソング)が追加されている。デラックス盤CDにも,この曲は入っている。
「アラジン」と同様の方針で,劇中の歌唱曲は,基本的には1994年のアニメ映画を踏襲している。即ち,Elton John作曲,Tim Rice作詞の5曲“Circle Of Life” “I Just Can't Wait To Be King” “Be Prepared” “Hakuna Matata” “Can You Feel The Love Tonight?”と,映画以前からあった大ヒット曲“The Lion Sleeps Tonight”(ライオンは寝ている)の計6曲が再度歌われている。当時大きな話題となった,このアニメ版の音楽を振り返っておこう。
 新曲5曲の内,“Circle Of Life” “Hakuna Matata” “Can You Feel The Love Tonight?”の3曲がアカデミー賞の主題歌部門にノミネートされ,大方の予想通り“Can You Feel The Love Tonight?”(愛を感じて)がオスカーを受賞した。この曲はグラミー賞も受賞している。加えて,Hans Zimmerが作曲したオリジナルスコアも音楽賞部門でオスカーを得るダブル受賞という快挙であった。その後,Hans Zimmerは映画音楽界の第1人者の地位を確立する。サントラ盤には,Elton John自身がソロで歌った“Circle Of Life” “I Just Can't Wait To Be King” “Can You Feel The Love Tonight?”の3曲も収録されていて,700万枚以上を売るメガヒットとなった。これは映画音楽史上最大の売上記録である。
 このリメイク作の音楽に,Elton JohnとHans Zimmerの2枚看板が戻って来たのが,何より喜ばしい。既に半引退状態だったHans Zimmerが,しっかり新しいオリジナルスコアを提供している。IMAXシアターの大音響で聴いたせいもあるが,壮大かつ重厚なサウンドで,とりわけ「象の墓場」や「ヌーの大群の疾走」シーンの音楽が圧巻だった。CGクオリティの高さと見事にマッチしていた。
 Elton Johnも新曲“Never Too Late”を書いて,自ら歌っている。全盛期の彼を思い出す軽快なナンバーだ。この曲は,エンドクレジットの1曲目として使われた。当初,エンドソングとして予定されていたのは,牝ライオン役のBeyoncéが歌う“Spirit”だったという。監督の意向で,劇中で使われることになったようだが,Beyoncé自身が作曲した意欲作である。
 さて,映画紹介本文でも触れたBeyoncéとDonald Gloverが歌う“Can You Feel The Love Tonight”はどうだったかと言えば,実は,映画観賞時にはあまり感動しなかった。やはり,本物そっくりの牡牝ライオンの顔でデュエットされても,感じが出ないのだろう。改めてCDで聴くと,アニメ版の同曲とは格段の差で,一級の歌唱力であることが確認できる。
 
   
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