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O plus E誌 2001年8月号掲載
 
 
star star purasu
『ドクター・ドリトル2』
(20世紀フォックス映画)
 
(c)2001 TWENTIETH CENTURY FOX
       
  オフィシャルサイト[日本語][英語   (2001/6/26 20世紀フォックス試写室)  
         
     
  エディ・マーフィ完全復活  
   レックス・ハリスン主演の『ドリトル先生の不思議な旅』(67)をリメイクして大ヒットした『ドクター・ドリトル』(98)は,2000年3月号で他の動物ものと比較して紹介した。題材の良さを消化しきれてなかった前作に比べて,この続編の方がぐっと面白くなり,エディも生き生きしている。今度はドリトル先生が動物の言葉を話せることが前提なので,ストーリーにも動物の活かし方にも無理がない。
 80年代に『48時間』『ビバリーヒルズ・コップ』シリーズで一躍トップ・スターになったエディ・マーフィは,90年代に入って駄作が続いていた。特殊メイクと七変化の『ナッティ・プロフェッサー』と本シリーズは,まさに彼の当たり役で,軽やかな演技も完全復活と言える。2つとも名物シリーズとして,しばらく人気を博することだろう。
 今回の物語は,開発業者の森林伐採により危機に瀕している野生動物の生息地を救うというもの。森に1頭しかいない絶滅危惧種のメス熊に結婚相手を見つけ,種族を保存するのが救済の唯一の道だ。奇跡的に見つかった同種のオス熊を連れてきて2人を結びつけるのに,森の動物たちからドリトル先生にSOSが出されるという設定だが.単純でドジな悪人共をやっつけるファミリー映画に複雑なストーリーは無用だ。
 監督はこれが2作目のスティーブ・カーに変わったが,脚本担当のラリー・レビンは続投で,ドリトル夫妻も娘2人のキャスティングもそっくりそのままだ。さらに,毒舌家の犬ラッキー,アル中の猿,アライグマのジョーイ,森のボス役のビーバー,その他ネコ,ネズミ,イタチ,キリン,フクロウ等々の動物たちのオールスターも前作に引き続き登場する。
 動物の主役は,オス熊のアーチー役を演じる身長7フィート,体重800ポンドのタンク君だ。とても絶滅危惧種には見えないが,このクマがエディ・マーフィ以上の芸達者だ(写真1)。『ベイブ』の子豚は何十匹も用意して入れ替わり使ったというが,アーチー役はこのタンク1頭で演じ切っている。 250種類という動物の一部はフルCGで描かれているが,大半は頭部や顔面だけをディジタル加工してしゃべらせるアニマル・トークの技だ。これは言わずとしれたリズム&ヒューズ社の独壇場。もはや他スタジオの追随を許さぬ名人芸の域に達してきた。
 
     
 
写真1 エディ・マーフィに負けない芸達者のタンク君
(c)2001TWENTIETH CENTURY FOX
  写真2 声はコメディアンのフィル・プロクター
 
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  動物の種類も増え,表情も豊かに   
 
読者の皆さんお久しぶりです。半年ぶりにこのコーナーに復帰しました。
復帰1作目は当りでしたね。
私は前作も面白いと思ったんですよ。でも,この続編もかなり楽しめます。映画館と比べて試写室では皆さん静かに観ていますが,この映画は爆笑の渦でした。
アメリカの映画館は,抱腹絶倒で凄い騒ぎだったでしょう。1時間28分と思えぬほど中身は詰まっていますね。セリフも動物の表情も随分練れてました。声優にも個性派を揃えているようです(写真2)。
動物の種類も増えましたね。カメ,ワニ,カメレオンにまでセリフがあり,しかもその表情が豊かです。
『リトル・ニッキー』(5月号参照)のブルドッグも凄かったけど,こちらは数でも勝負してます。アライグマのジョーイは,助演男優賞ものです(笑)。
ハチ,ハト,ハトの糞,多数のネズミなどはCGですよね?
他は,本物の動物に見えました。
そうでしょうね。でも,動物同志は一緒にできないことが多いから,ディジタル合成がかなり使われていると思いますよ。
悪人たちと動物たちが一緒のテーブルにつくシーンは,きっとそうですね。
夏休みの家族連れ映画としては最適でしょう。最近ディズニーは,アニメ以外にこの種の映画を作らなくなったから,その役目も果たしています。
3年間で女の子たちが大きくなったのに驚きました。映画の中のファミリーの成長に合わせて,シリーズ化すると楽しいと思います。  
 
     
   
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