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            plus E誌 2015年9月号掲載 | 
         
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                            『キングスマン』 
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                            | (20世紀フォックス映
画/KADOKAWA配給
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                      (C) 2014 Twentieth Century Fox Film Corporation
                        
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                      オフィシャルサイト[日本語][英語] | 
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                      [9月11日よりTOHOシネマズ スカラ座他全国ロードショー公開予定] | 
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                      2015年6月26日 GAGA試写室(大阪) 
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    (注:本映画時評の評点は,上から   ,  , , の順で,その中間に をつけています。) | 
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    硬軟両面からの傑作スパイ・アクション2本 | 
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     |   |  今月は当欄の注目作品が多く,メイン欄で6本も取り上げる。紙幅の制約が有り,2本ずつ括り,それぞれコンパクトな紹介とならざるを得ない。まずはスパイ・アクションもの2本で,英国秘密諜報員のパロディ作品と人気シリーズの最新作だが,いずれも大傑作だ。 
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    意外な切れ味,洒落っ気もたっぷりの英国秘密諜報員 | 
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     |   |  英国のエリート諜報員を演じるのが,コリン・ファースと聞いて耳を疑った。およそアクション系男優とは言い難い存在だったのに,リーアム・ニーソンに続いてイメージチェンジを図るつもりなのか。表向きは高級紳士服店で,その裏に秘密諜報機関があり,その名も「キングスマン」という。『英国王のスピーチ』(10)のオスカー俳優を配したからには,これは現女王陛下のためでなく,次々期国王陛下のためのシークレット・サービス要員という位置づけなのだろうか。 
 007シリーズの登場以来,この半世紀に数々のスパイ映画が作られた。ニューヒーローを狙った真っ当な対抗作品もあれば,コメディ・タッチのパロディ作品も多数あった。本作はその中でも出色のパロディ映画だと言えよう。監督は『キック・アス』(10年12月号)のマシュー・ヴォーンだというので納得した。スーパー・ヒーローのパロディで成功を収めたので,今度は英国製スパイで2匹目の泥鰌をという訳だ。何と,この監督は『0011ナポレオン・ソロ』の主演男優ロバート・ヴォーンの息子だという(後に,DNA鑑定で否定されたらしいが)。なるほど,それなら007のパロディに殊更熱心なことも頷ける。原作コミックが存在するが,『キック・アス』同様,マーク・ミラーとこの監督の作であり,最初からこの映画化を前提に書かれたものだ。 
 高級スーツに身を包むエリート諜報員のハリー(C・ファース)が,旧友の遺児エグジー(タロン・エガートン)の身体能力と瞬時の判断力に惚れ込み,キングスマンの候補生として育て上げる物語である。紳士服店内に秘密の入口があり,ハリーに連れられてエグジーが地下に降りると(写真1),そこにはあっと驚く光景が待っていた。後はもうワクワク,ドキドキ,遊び心もたっぷりの電撃スパイ・アクションのオンパレードだ(写真2)。 
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     |   |  以下,当欄にとっての見どころである。 
 ■ 就寝中の水没,スカイ・ダイビング,愛犬を使ってのテスト等,若手の選抜・育成のプログラムが楽しい。B級タッチのスパイ・アクション満載で,意図的に荒唐無稽に描き,リアリティの無さを強調している。まさに,かつてのスパイ映画のノリである。 
 ■ 各種小道具が次々と出て来るのが嬉しい。とりわけ,防弾機能のある傘を使ったアクションが痛快だ(写真3)。眼鏡をかけたら会議参加者が見えるAR機能も笑える(写真4)。ライター,万年筆,靴,等々,何気ない平凡な小道具が武器となるのは,あの名作『007危機一発(ロシアより愛をこめて)』(63)への最大級のオマージュだと感じた。 
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              | 写真4 特殊眼鏡をかけると左手前の人物以外のバーチャル参加者が見える
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       |  ■ 敵役のIT富豪ヴァレンタインを演じるのは,サミュエル・L・ジャクソン。「アベンジャーズ」の庇護者をこんな役で使うのも,洒落っ気の表われだろう。最も気に入ったのは,彼の部下である女暗殺者のガゼルの両足だ。義足が武器となる殺人アクションは,まさに独創的であり,美的ですらある(写真5)。当然,スティール製の義足での演技は,VFXの産物だろう。 
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              写真5 両足の金属製義足に注目。これが殺人兵器と化す。 
(C) 2014 Twentieth Century Fox Film Corporation
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    前作に匹敵する面白さ,顧客満足度保証付き | 
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     |   |  一方の『ミッション:インポッシブル』シリーズもこれが5作目で,素晴らしい出来だった前作(12年1月号)からもう3年半以上も経ったのかと感じる。その間,トム・クルーズ主演作は,『アウトロー』(13年2月号)『オブリビオン』(13年6月号)『オール・ユー・ニード・イズ・キル』(14年7月号) と3作もあったが,いずれも好い出来だった。最近のトムの主演作は全く外れがない。
上述の『キングスマン』に比べると真面目そのもので,遊び心もなく,全編緊張の連続で突き進む。そもそもこのシリーズには,セックス・シーンもなければ,笑いを誘うシーンも殆どないという品行方正映画である。 
 既にシリーズ最高傑作の呼び声が高いが,筆者はそうは思わない。前作も秀作であったゆえ,同率首位だと評価しておきたい。特筆すべきは,イーサン・ハントの単独行動でなく,前作からTVシリーズ『スパイ大作戦』の伝統であるチームワークを前面に打ち出して来ていることだ。前作不在のルーサー(ヴィング・レイムス)が戻って来たことが嬉しい。ベンジー(サイモン・ペッグ)と併せて,電子工学のプロが2人揃ったので,これは強力だ。前作から登場のウィリアム(ジェレミー・レナー)もIMF消滅の危機に瀕して,しっかりイーサンを支える役に徹している。紅一点は,敵か味方か不明の女性スパイのイルサ(レベッカ・ファーガソン)が登場し,イーサンを魅了する。なかなか美形のスウェーデン女優だ。監督・脚本はクリストファー・マッカリーで,既に『アウトロー』でトムの主演作を経験済みである。 
 イーサンらが所属する秘密諜報組織IMFはCIAに吸収され,解体されようとしている中,悪の国家(ローグ・ネイション)である「シンジケート」と対峙するという設定だ。現在の世界情勢下で,敵の設定にも苦労の跡が見られる。以下,当欄の視点での見どころである。 
 ■ T・クルーズ自身が危険なスタントを演じるのがウリだが,本作では,軍用機A-400に乗り移り(写真6) ,時速400kmで飛行中の機体外部の扉にぶら下がるという。劇場公開前から,そのメイキング映像が公表されていた。てっきり,クライマックスでのアクションかと思ったが,開始早々のオープニング・ミッションでの1コマだった。VFX合成であれば何でもないシーンだが,本当に演じたとなると凄い(写真7)。勿論,命綱はつけていて,宣伝材料であると分かっていても,やはり凄い。 
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              | 写真7 (上)本番前は少し緊張した表情,(下)そして本当にこのまま姿で離陸 | 
             
          
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       |  ■ 続いての見どころは,ウィーンのオペラハウスでのシーケンスだ。オペラの舞台が登場するのは,ライバル・シリーズの『007/慰めの報酬』(09年1月号)を思い出す。ビジュアル面ではあちらが上だが,アクションのテンポは本作が数段上だ。舞台裏や客席上部のトラス等を縦横に使って移動し,最後は屋根の上から飛び降りる。しっかりプレビズでデザインされたシーケンスで,もうどこまでが生身で,どの程度VFX加工されているのか,全く見分けがつかない。 
 ■ 中盤から後半にかけての見どころは,給水タンク内での水中作業シーンである。取水口に落下して潜入し(写真8),タンク内で敵の基地を制御するメモリースロットを差し替える場面だ。シナリオ上は3分以内に実行すべき作業だが,実際には約6分間の潜水アクションである。ここもスタントマンなしで,トム自身が息つぎなしで演じたというが,映像的にどの程度VFX加工しているのか,こちらも全く分からない。 
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     |   |  ■ カーチェイス・シーンもしっかり組み込まれている。モロッコの市街地での派手なカーアクションから,郊外の高速道でのバイクチェイスが展開する。最近の作品としては,特に目立ったチェイス・シーンではないが,これまたCGなし,大半がトム自身の生身の演技となると味わいが違う(写真9)。CG/VFXの主担当はDouble Negativeで,かなりの数のクリエータが参加しているので,生身の演技を生かしながらも,あちこちで手の込んだ処理を加えていることは間違いないのだが……。 |    | 
  
    
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              写真9 すべて本人が演じたとなると,やはりリアルさが違う 
(C) 2015 Paramount Pictures. All Rights Reserved.
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    (画像は,O plus E誌掲載分に追加しています) | 
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