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(注:本映画時評の評点は,上から,,,の順で,その中間にをつけています。) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
続編もますます快調で,精緻な背景描写が大きな魅力 |
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本稿執筆時の現在,CG祭典SIGGRAPH 2001に参加のため,バンクーバーに滞在している。相変わらず,VFX,フルCGアニメのメイキングや新技術紹介のセッションは花盛りだが,LA開催でない分,業界の若手の参加がやや少ないので,聴講しやすい。土地柄,英国勢の発表は少なく,ILM,SPIW,Digital Domain,Disney/Pixarといった米国勢主体の運営だが,その中でも元気が良かった2作品をまとめて紹介しよう。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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技術的進歩,表現力の向上は書き尽くせないが,以下要点だけを書き留めておく。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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■ カンフー・アクションの動きもいい。既にセル調アニメの作風の呪縛から逃れ,自由自在の動きを演出できる域に入っている。カメラワークもしかりで,実写映画に学びつつも,CGならではの卓抜なカメラワークをマスターしたかのようだ。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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物語は凡庸だが,スマーフの描写は一見の価値あり |
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SIGGRAPHを支える米国CG/VFXの雄は,ILMとSony Pictures Imageworks (SPIW)で,最近インドに支社を設けるなど,SPIWの事業拡大も目覚ましい。そのSPIWが力を入れた最新作が『スマーフ』で,こちらは実写に大量のCGを合成したVFX作品である。SIGGRAPHに出発する前々日に試写を見て,会場で技術解説をじっくり聞いたという次第だが,正直なところ,映画そのものの評価は☆であり,お子様向き作品としても凡作としか考えられなかった。『カンフー・パンダ2』が大人の観賞にも堪える完成度であるのとは,大違いだ。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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とはいえ,1,000以上に及ぶVFXシーンの出来は素晴らしく,技術的には観るべき点が多々あった。まず,比較的シンプルに見えるキャラクターは,相当な試行錯誤の結果の産物である。メイキング講演で観た映像では,初期の単純なモデリング結果は気味が悪く,歩き方もぎこちなかった。単純ゆえの難しさと言おうか,青い皮膚の質感,髪形等,100回以上の修正を得て,最終形になったという(写真5)。もう1つ特筆すべきは,SPIWもライティング技術を一作毎に進化させている。複数のHDR画像を使ったImage-Based Lightingで,実写映像との違和感をなくしている(写真6)。スマーフが手にしたり,絡んだりする物体も恐らくCGなのだろうが,実写と全く見分けがつかない(写真7)。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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皮肉なことだが,この映画は,人間の出演者をなくし,すべてCGで描いた方が成功したのではないかと思う。監督の意図通りに演技できるか分からない俳優を使うより,どのような人物も設定でき,きちんとデザインすればそれだけ品質が上がるCGアニメの方が,表現力が上という時代になりつつある。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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(画像は,O plus E誌掲載分に追加しています) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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