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ジム・キャリーとILMに縁のあるこの2作品 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
何かと共通点の多い,この 2本まとめて紹介しよう。まず『マスク2』だが,この映画に登場する変なお面を配ったり,かなりのTVスポットを流したりで,配給元のギャガ・コミュニケーションズが力を入れていることが分かる。約10年前の『マスク』(94)は,同社にとって創業以来の大ヒット作であり,業界内での今日の地位を築いた記念すべき作品だったからだろう。 当時社長の藤村哲哉氏とは,通産省のマルチメディア委員会で同席していた。「プロモーション用に思い切って, CD-ROMを作ったんです」と配っておられたが,DVDはまだ世になく,CD-ROMのマルチメディア・コンテンツも珍しかった時代のことである。大半がスチル画像で,QuickTimeムービーがわずかに入っていたかどうか記憶も定かでないが,この販促方法自体が新しかった。同社の未来も明るく見えた。 映画もそれに負けず劣らず斬新だった。 ILMが担当したVFXが輝いていた。主人公の体が自由自在に変形したり銃に化ける様子は,CGはこんなことにも使えるのかとの驚きを与えた。そのCGを使わずに顔面が激しく動くジム・キャリーは,まさに当たり役だった。この一作でブレイクした彼のその後の活躍ぶりは,言うまでもないだろう。この時の相手役が,新人のキャメロン・ディアスだった。かくして,まだマイナーだったニューライン・シネマが生んだこの映画は,主演の男女優にとってもギャガにとっても大きな転機となった。 一方の『レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語』は,ドリームワークス作品の配給権を得たアスミック・エース・エンタテインメント社が『シャークテイル』( 05年3月号)に続いて配給する2作目だ。いずれもプレス資料は立派で,同社の意欲のほどが伺える。その願いが通じてか,アカデミー賞には4部門にノミネートされ,メイクアップ部門のオスカーを得た。 この長い題名中の「レモニー・スニケット」とは,世界 40言語で出版され3,000万部を売り上げた「世にも不幸なできごと」シリーズの原作者名だ。作者自身がしばしば登場して語る形式のファンタジーで,両親を事故で亡くしたボードレール三姉弟妹に次々と降りかかる悲惨な出来事を描いて人気を博している。その映画化には,「ハリー・ポッター」や「指輪物語」の成功が強く影響していることは言うまでもない。 監督は『シティ・オブ・エンジェル』 (98)のブラッド・シルバーリング。案内役レモニー・スニケットにジュード・ロウ,ジョゼフィーンおばさんにメリル・ストリープという助演陣も豪華だが,キーとなる変幻自在の悪役・オアフ伯爵をジム・キャリーが演じている。オスカーを獲ったのは,彼に対する様々なメイクアップだ。実を言うと,事前にキャスティングを知らずこの映画を見たのだが,見慣れぬ顔のこの芸達者は一体誰だろうと思ったのが,変装したジム・キャリーだった。 ハリポタ・シリーズに負けずに中身をぎっしり詰め込んだこの映画は目まぐるしく,ちょっとついて行けないところもある。いかにも絵本的な楽しい映画なのだが,それが欠点で,一体どこが「世にも不幸せ」なんだろうと疑問に思ってしまう。小説と挿し絵で成功したファンタジーの世界が,うまく映像にマッピングできていない感じだ。これは子供たちの演技力の限界なのか,脚本自体のリズムが良くないためなのだろうか。 ILM主担当のVFXに関しては後述するが,エンド・クレジットを飾る3D影絵は素晴らしい出来だった。これだけでも一見の価値はある。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
VFX的には,いずれも見どころ満載 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
『マスク 2』の原題は『Son of the Mask』だ。ジム・キャリー夫妻に子供が産まれる設定かと思いきや,大スターとなった2人は出演せず,TV界で活躍中のジェイミー・ケネディとトレイラー・ハワードが若夫婦を演じる全く別の物語である。主役はむしろ,マスクの魔力でミラクル・パワーをもって生まれたアルヴィー坊やと愛犬のオーティスだ。うっかり無くしたマスクを取り戻すために地上に現われた「いたずらの神様」ロキがここに絡んで,前作以上のハチャメチャな場面が続出する。全編スラップ・スティックのコメディーは騒がしいだけで,残念ながら前作ほどのシャープさはない。 評論家筋の評価も芳しくないが, VFX的には実に見どころの多い映画だ。前作と同様の突然の変身(写真1)は,当然かなりパワーアップされている。最も注目すべきは,赤ん坊のアルヴィーが飛んだり跳ねたり,突如顔が漫画調に変身したりするシーンだ。乳幼児の出演シーンの多い映画では,双子を起用するのは常道だが,それに加えて彼らのフルCGモデルも用意されている。赤ん坊にモーション・キャプチャ装置で演技させるのは無理だから,アニメーションは手付けとなる。 もっと難しいのは,実写の顔の表情を 3D-CGの顔へと変形させるシーンだ。赤ん坊の肌は柔らかく透明なだけに,そのテクスチャをディジタルで表現するのは易しくない。これはILMが担当し,最新のカメラアレイで撮影した多数の映像を利用して表現している(写真2)。実をいうと,この技術は先に『レモニー・スニケット…』の末妹サニー(こちらも双子を起用)を表現するのに開発されていた手法だ。 ILMと同等以上に『マスク2』で活躍したのはティペット・スタジオで,オーティスの変身シーン(写真3)は同社が担当した。アルヴィーの受胎シーンの印象的な精子のアニメーションはKleiser-Walczak社が制作した。 一方の『レモニー・スニケット…』の ILM担当のVFXは全550カットで,これもかなりの分量だ。焼けたボードレール家の遠景や時代不祥の街の中のシーン(写真4)には,見事なマット画合成が使われている。三姉弟妹のクルマが踏み切りで立ち往生するシーンは,機関車もクルマもCGだ。一方,湖に突き出したジョゼフィーンおばさんの家(写真5左)やオラフ伯爵の屋敷は精巧なミニチュアで,写真5右のようなシーンはスタジオ内でのブルーバック撮影だろう。 といった風に,この映画の VFXは実に多彩で,プロの技のオンパレードだ。それでいて,アカデミー賞の視覚効果部門にはノミネートすらされなかった。技術部門なのに映画全体の出来が影響するのが最近の傾向だ。この10余年ILMもつくづく作品に恵まれない「世にも不幸せなスタジオ」になったものだ。 |
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