head
title home略歴表彰学協会等委員会歴主要編著書論文・解説コンピュータイメージフロンティア
| INDEX | 年間ベスト5 | DVD/BD特典映像ガイド | SFXビデオ観賞室 | SFX/VFX映画時評 |
DVD/BD特典映像ガイド
   
O plus E誌 2012年4月号掲載
   
  『スマーフ』
 最近は,3D&2DのBDセットでもBD+DVDの2枚組でも,特典映像のフルセットは2DのBDに入っていることが多いので,今後特に断らない限り,それを対象として解説する。ところが,本作はその例外で,特典映像は専用のDVDに収録されていた。
 「コミックからスクリーンへ」(8分余)は,映画化に当たっての企画や登場キャラの再設定等の話題で,スマーフ達のCGデザインは次項とも少し重複している。「アニメーション・メイキング」(9分余)は,3D-CG化したキャラのデザイン,モデリング,ライティングの技術解説や,実物大のスマーフ村の制作等,解説は丁寧だ。
 「ガーガメルに密着」(10分弱)は,悪役の魔法使いの役作りやメイク等の取材で,これも楽しかった。
   
  『ワイルド・スピード MEGA MAX』
 特典映像は10数点あるが,少し散漫で,当欄読者にとって価値があるのは,次の3点だけだ。「大列車強盗」 (約7分半)は前半のアクションシーンのメイキングで,90%本物だというが,クルマや列車がCGでないだけで,勿論特撮&VFX合成の産物だ。列車は数両分のみで,本当にトレーラーをぶつけ,走る列車からスポーツカーを車外に移動させている。高い崖から川への墜落シーンでも,てっきりCGだと思ったクルマは実物だった。スタントマンと別々に落下させ,後で合成している。「金庫チェイス・シーンの舞台裏」(9分余)の金庫は,掲載時(11年10月号)はCGが実物か見分けがつかないと書いたが,これもCGではなかった。張りぼての金庫の中に小型車を入れ,人が運転していたとは驚きだ! いずれもCGで十分表現できるのに,監督の単なる拘りに過ぎない。
 
   
  『ファイナル・デッドブリッジ』
 特典映像合計33分は,最近では短い方だが,中身が濃く,当欄にとっての価値は高かった。「キャスト&スタッフが語るシリーズ第5弾」(約5分半)は,関係者の単なる語りだけではなく,特撮のメイキングになっていて,興味深い。「視覚効果ビフォア&アフター映像:橋の崩落」(9分余)は,これだけの長さの本編シーケンスを丸ごと上下Before & After形式で見せてくれるのは珍しい。色々なテクニックが使われているのがよく分かる。特撮とはいえ,俳優も決死の覚悟の体当たり演技だ。所々,スローでじっくり観たかったが,自分でビデオ再生をコマ送りで見るといい。「視覚効果ビフォア&アフター映像:飛行機事故」は,上記と同形式で,こちらは3分余のシーケンスだ。Before部分にはCGによるプレビズ映像も混じっている。
 
   
  『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』
 特典映像専用のBDには197分も収録されていて,簡単に全部は見切れない。重要な順に書くと,「マルチアングルから見るシカゴ」は,題に似合わず,充実したVFX解説だった。プレビズと完成映像の比較が12項目あり,全部で17分余だ。監督&プレビズ担当者の解説の有無を選択できる。VFXも12種類で,こちらは計18分半あり,VFXスーパバイザの解説を選択できる。通しで観て損はないが,「接近するオスプレイ/空からの急襲」「ドリラーの攻撃」が必見だ。空中を降下するスタントマンとCGとの合成も,クネクネ回転しながらビルを破壊するドリラーも,圧巻である。この破壊の映像は何度見ても凄い。煙・炎・破片の物理レンダリングが,高画質を支えている。「メイキング・オブ……」(約113分)は,5部構成で企画からポスポロまでの時間順だ。長いが,冗長ではなく,中身も濃い。圧巻は,シカゴ市街地での大規模撮影の模様と,ウィングスーツをつけてムササビのように飛ぶ空中スタントで,このメイキング自体が大スペクタクルだ。他では「未知の領域:NASAの過去,現在そして未来」(26分余)は,宇宙開発でのNASAの功績を讃えるPV風応援映像で,青少年への科学啓蒙コンテンツとして役に立つ。
 
   
 
   
   
  (注:本映画時評の評点は,上から☆☆☆,☆☆,☆,★の順で,その中間に+をつけています。)  
   
  Page Top  
  sen  
 
back index next
 
   
<>br