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DVD/BD特典映像ガイド
   
O plus E誌 2012年1月号掲載
   
  『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』
 色々な組み合わせが売られているが,BDを含む3枚組以上に特典映像がフルに含まれている。特典専用BDには,数点の長めのボーナス・コンテンツがある。
 「メイキング・オブ…」(36分余)は,企画会議からキャスティング,密林内や海岸での撮影,一転して英国での風景等,様々な舞台裏を観せてくれる。悪くはないが,特筆するものもない。「伝説の泉を探して」(約11分)の前半は,舞台となる島を再現しての巨大セットでの撮影風景だ。随分贅沢な作りで,監督が映画人冥利に尽きるというだけのことはある。後半はVFX中心で,背景のVFX加工の様子や,悪役が分解して骸骨化する過程のVFX解説がある。「海賊船の建造」(8分半)は文字通りの内容で,美術的に見応えあり。「美しき人魚たち」(9分半)の前半は,シンクロ水泳チームを起用しての人魚作りの様子で,後半にはCG/VFX解説もある。映画は今イチだったが,特典映像の方が充実している。
 2D版のBDには,本編の他に「ディズニー・セカンド・スクリーン」なる機能があり,ネット接続機能のあるBDプレイヤーで本編再生すると,同期してiPadで特典映像が観られるという。VFX解説もあるようだが,こんな面倒な仕掛けは御免だ。素直に観せてくれ。
   
  『SUPER 8/スーパーエイト』
 DVD版は28分だが,BD版「映像特典」は8つのパートに分かれていて,全部観ると97分もある。「SUPER 8に懸けた夢」(16分半)と「8ミリ革命」(8分余)は類似内容で,コダック社のSuper 8規格のフィルムやハンディカメラへの監督の想いや,数々の記念すべき映像が示される。いずれも,完全に映像マニア向けの内容だ。「子役発掘」や「鉄鋼の街を再発見」は,オーディション,ロケハン,撮影風景等だが,少し退屈する。「訪問者の生命」(12分余)は,モンスターの造形や加工の様子で,これが比較的面白かった。
 別項の「列車事故の解剖」は,冒頭の大事故シーンのプリプロ,本番撮影,ポスプロの映像集だ。細切れにしてあって,ゲーム感覚のインタラクティブ・モードでしか辿れない。おまけに日本語字幕もない。当欄には興味深い内容だったが,これもこんな煩雑な形態にせず,素直な映像で見せて欲しかった。
 
   
  『マイティ・ソー』
 これも特典映像のフルセットは,2D版のBDにのみ収録されている。7項目あるが,メインは「アスガルドから地球へ 」(20分弱)で,前半は本作の企画内容,物語の世界観の解説だが,後半は神の国アスガルドや甲冑類のデザインの話が中心となる。「虹の橋」の話題など,駆け足でなく,もっとじっくり解説して欲しかったところだ。他では,「ムジョルニア 」(6分余)と「ラウフェイの誕生」(約5分半)が比較的興味深かった。前者はソーが手にするハンマーの制作で,200種類もデザインして,実際の演技では1kgのゴム製や光沢のある4kgの金属製など,3種類を使ったという。後者は,敵役の造形やメイク,性格付けなどで,ここでも本作がかなりデザイン重視の映画だったと分かる。
 
   
 
   
   
  (注:本映画時評の評点は,上から☆☆☆,☆☆,☆,★の順で,その中間に+をつけています。)  
   
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