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DVD/BD特典映像ガイド
   
O plus E誌 2012年2月号掲載
   
  『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART 2』
 BD 2枚以上の商品やBD&DVDセットには,特典映像がフルに入っている。映画自体も堂々たる大団円であったが,特典映像も盛り沢山で,メニューを見ただけで,その充実ぶりが分かる。もはやお子様向けのコンテンツは消え,完結編に相応しいメイキング映像集だ。  まず,BD Disc1にある「WBムービーツアー」が必見だ。映画本編を見ながらの同時進行解説だが,音声だけの解説や単純なPicture in Pictureではなく,主画面,副画面が適宜入れ替わる丁寧な作りである。見どころ指摘,関連情報,未公開シーンに加え,過去の作品で伏線シーンも登場する。撮影風景を中心に,セット,メイク,衣装,VFXのメイキングもあり.中身は濃い。もうこれだけで☆☆☆評価だ。「フォーカス・ポイント」(全部で26.5分)もメイキング映像集で,8編に分かれている。随所にVFXシーンがあるが,当欄としては「解明!『必要の部屋』」と「決死の脱出」がオススメだ。
 BD Disc 2の「サイド・ストーリー」も中身はたっぷりだ。「Xデー:秘密が明かされるとき」(48分強)は,最終編の色々なシーンの舞台裏だが,元はTVの特番だろうか。「 "ハリー・ポッター"を彩る女性たち」(22分半)も嬉しい企画だが,驚いたのは「ゴブリンに変身!!」(11分弱)だった。大半はCGかと思っていたが,何と小人俳優約60人を集めて,1人ずつにこれだけの独創的なメイクを施していたとは……。
   
  『カーズ2』
 BDが2枚以上ある(即ち,BD特典ディスクがある)セットでないと,フルのボーナス映像は見られない。まず,本編Discに『ハワイアン・バケーション』(6分弱)『飛行機メーター』」(約5分半)の2本短編があるが,これはお目当て通りで,本編以上に楽しい。
 Disc 2のボーナス・コンテンツは,ロンドン,東京等,世界地図上の9ヶ所から入る構成で,盛り沢山だが,探し難いし,題から内容が想像できないのも欠点だ。個々の場所に応じた「…を描く」は,ロケ風景を含め,CGクリエーターたちが町の風景作りを楽しそうに語る。その上で「掘削基地のセット」「パリ闇市場のセット」等,全景を見せてくれるのは嬉しい。ただし,どう見ても,ロンドンやパリに力が入っていて,東京の描き方に偏見を感じるのは,筆者だけだろうか。
 「スパイ・シミュレーション:○○編」と題したギャグ映像集や「愛車自慢@ピクサー」(8分弱)にも遊び心があるが,やはり本編自体は面白くなかった。
 
   
  『ピラニア 3D』
 3Dスーパーセットを買ったが,BD1枚ものでも特典映像は同じだ。全体では151分,「コンプリートメイキング集」だけで129分もの映像がある。10編に分かれているが,どれも冗長だ。「血と死体」(15分半)はこの映画のウリであり, 「特殊効果&スタント」(22分余) 「ピラニア&視覚効果」(17分余)は当欄向きだが,さしたる技術でなく,低予算での作り方の参考にしかならない。「なぜ3Dなのか」(約6分半)で,堂々とフェイク3Dの意義と作り方を語っている。
 精一杯手の内を見せてくれるが,上記2作品と比べると製作費もクリエーターの質も段違いであり,B級感は否めない。この下品さ,低俗さは,何やら場末のキャバクラに長時間引きずりこまれた感じだ。でも,サービス精神に徹していて,映画自体は面白かった。
 
   
 
   
   
  (注:本映画時評の評点は,上から☆☆☆,☆☆,☆,★の順で,その中間に+をつけています。)  
   
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