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DVD/BD特典映像ガイド
   
O plus E誌 2011年8月号掲載
   
  『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』
 PART2の公開を待って,PART1のBD/DVDの特典映像を眺めてみた。本編と特典映像ディスクが,BDとDVDで2枚ずつの豪華4枚組だが,これが実売価格4千円以下とは割安だ。特典映像の数はほぼ同じなのに,BDとDVDでディスクへの分配の仕方が違う。同じ映像を複数の項目が共有しているためだろう。
 BD本編ディスクにある「WBムービーツアー」は,映画本編に沿った解説としては出色の充実度である。ルシウス・マルフォイ役のジェイソン・アイザックスが案内役で,過去の作品の関連映像,撮影風景等のメイキングも交え,ポッタリアンたちを大満足させる内容だ。
 他はBDとDVDの両方にあるが,「7人のハリー」(5分半)が楽しい。一部は顔をすげ替えて実現したのかと思ったが,ダニエルが7役全部を演じての合成だった。女装もしている。フェイシャルキャプチャもあり,技術的にも高度だ。「愉快なゴルフ会談」「かけっこ大勝負!」も楽しいが,これは楽屋ネタのおまけに過ぎない。
 「フォーカス・ポイント」の一部は上記「WBムービーツアー」と共通だが,8編からなり,全体では約30分ある。本欄の関心事は,「ハグリットのバイク」と「ドビーとクリーチャー」で,VFX活用の舞台裏が楽しめる。他の6編もメイキング映像として中身が濃い。かつての特典映像はお子様向け素材中心だったのに,シリーズの進行とともに,特典映像の質も上がってきた。
 ユニバーサル・スタジオ内に新設されたハリー・ポッターのアトラクションの紹介映像もある。本物そっくりで,楽しそうで,行ってみたくなる。
 
   
  『トロン:レガシー』
 BD+DVDの2枚組で,各々に特典映像が入っているが,勿論BDの方が多い。
 「空白の20年間 :フリンは生きている」は,ドキュメンタリータッチで描く,旧作と新作の間の物語だ。本格的映像で,ファンには素晴らしい特典だが,これはTVの特番か? 「再びトロンの世界へ」(10分余)は,本作の企画から製作までを描く。製作費獲得へのピッチ映像や絵コンテなど,これもトロン・ファン向けの素材だ。「『トロン:レガシー』の世界観」(12分弱)は,題名通り,本作でのサイバースペースの世界観やその技術的な背景を語る。トロン・スーツや武器の機能とデザインの説明,旧作との比較等,興味深い。3D化への取り組み,ジェフ・ブリッジスの顔を若くするVFXやその撮影風景等も入っていて,メイキング映像としての価値は高い。
 
   
  『ソーシャル・ネットワーク』
 BDの2枚組。監督やスタッフによる音声解説以外の特典映像はDISC 2に入っている。「フェイスブックの映画ができるまで」は,企画から制作過程全般の克明な記録だ。撮影場所毎に4つに分けられているが,全部通しで観ると92分もかかる。セリフ中心の性格劇ゆえ,撮影風景はさほど面白くないが,フィンチャーの映画作りのスタイルやこだわりが分かる。
 「製作の舞台裏」には6種の映像がある。「編集について」(約17分半)は結構ためになった。本欄の関心事の「ビジュアルについて」(8分弱)は,HDカメラでの撮影時の露出や被写界深度についての話題が出てくる程度だった。双子の作り方は,上記「…できるまで」の「ボストン」の章で取り上げられていたが,これは独立させて,もっと詳しく解説して欲しかった。音楽に関しては,3つも舞台裏解説があるのだから。
 
   
  『グリーン・ホーネット』
 BD1枚もの。勿論,DVD版より特典映像は多い。「メイキング・ドキュメンタリー集」には7編あるが,どれも面白くない。比較的情報量が多いのは,「スタントファミリー:アームストロング一家」(8分弱)「カトーを探して」(6分)「セットをブッ壊せ」(14分)の3編だろうか。素材は悪くないのだが,どれも料理の仕方が下手だ。映画本編同様,これといった特長がなく,サービス精神に欠け,スタッフの努力が報われない作品だ。
 
   
 
   
   
  (注:本映画時評の評点は,上から☆☆☆,☆☆,☆,★の順で,その中間に+をつけています。)  
   
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