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DVD特典映像ガイド
   
O plus E誌 2009年12月号掲載
   
  『天使と悪魔』
 これだけの大作なのに,何と別ディスクなしの1枚もの。予告編以外には特典映像は4点しかないが,各々の中身が濃い。「脚本ができあがるまで」(10分余)は監督が前作を踏まえての企画から実現までを語るが,この種の映像としては上質だ。「撮影の軌跡」(10分弱)は,早送りまで交えて,ものすごいスピードでローマ市内ロケやスタジオ撮影の風景を追う。随所にグリーンバック撮影があり,じっくりVFXのメイキングを見たかったのに,これでは駆け足過ぎる。衣装についての解説・工夫もこの映像に出て来る。沢山の内容を,無理矢理ディスク1枚に押し込んだという感じなのが少し残念だ。
「アンビグラム 制作秘話」(5分弱)は,対称性のある文字列のデザインの話で,興味深い。「物語に登場する小道具」(11分半)も無駄のない構成で,見どころ満載だ。本の挿入画,透かしの制作,市内地図の工夫,枢機卿の服装,コンクラーベの小道具,16世紀風の焼きごて等々,プロの仕事は見ていて気持ちがいい。
 
   
  『鴨川ホルモー』
 1枚もの。主な特典映像は2点だけだ。「メイキング・オブ……」(18分余)は,監督がエピソードを語り,撮影風景も登場するが,終始ノンビリで全く緊迫感がない。学生サークルに毛が生えた程度で,これでもプロの映画作りかと疑う。CGがウリの映画だけに「鴨川ホルモーのVFX」(11分)には,さすがに見せ場のシーンの解説があるが,担当者2人の会話がかったるい。これが有料のコンテンツか,お前らヤル気があるのかと怒りたくなる。DVD製作企画が甘く,プロの志が全く感じられない。『天使と悪魔』の特典を見た後だけに,その落差に愕然とした。これでは日本映画の未来は暗い。
 
   
  『GOEMON』
 DVDのBoxセットは3枚組(Blu-rayなら2枚組)で,8,800円もする。豪華ブックレットは要らないから,もっと安くすべきだ。「特典Disc I」には,俳優のインタビューやイベント記録以外には2点あり。「GOEMON 徹底解剖SP!」(21分半)はTVの特番か? 全容紹介のプロモーション映像だが,撮影風景,PreViz映像等もあり,結構まとまっている。「メイキング・オブ・GOEMON」(36分余)からは,この異色作にかける監督の意気込みが伝わってくる。ただし,グリーンバックでの撮影風景ばかりで単調だ。製作者サイドの記録であって,購入者の視点に全く立っていない。「特典Disc II」の大半は,ポスター,チラシ,小道具,コンセプトアート等の静止画ばかりだ。唯一の動画は「デジタル・メイキング・オブ・GOEMON」(18分余)で,これがCG/VFXの解説との位置づけだ。ただし,PreViz映像と完成画像の併置ばかりで,これも単調で工夫がない。
 
   
 
   
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