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O plus E誌 2020年9・10月号掲載
 
映画サウンドトラック盤ガイド
   
 

■「ムーラン オリジナル・サウンドトラック」
 (ウォルト・ディズニー・レコード)

   
 
国内盤 輸入盤
 
 
   輸入盤(国際版)は全21曲収録で,Harry Gregson-Williams作曲のオリジナルスコア18曲+歌入りのエンドソング3曲の構成だ。国内盤には日本語のエンドソング1曲が加わる。ネット配信では,各々にオリジナルスコアが5曲追加されている。
 前作(98年アニメ版)はミュージカル仕立てで,登場人物達が歌う劇中歌が4曲あった。本作にはそれが全くなく,サントラ盤の愉しみはエンドロールで流れる歌唱曲の出来映えだった。少し驚いたのは,新主題歌“Loyal Brave True”を歌うのが,前作でエンドソングの2曲目“Reflection”を歌ったChristina Aguileraだったことだ。再度の起用の上に,名曲“Reflection”も再利用され,彼女と主演女優のLiu Yifeiの2人がこの曲を歌唱している。Aguileraは前作よりも一段とパワフルに,歌手でもあるLiu Yifeiは北京語で可愛く歌っている。
 日本語版“Reflection”に抜擢されたのは,筆者のお気に入りの城南海だ。カラオケバトルの女王として注目される前からのファンだが,ディズニー主題歌に相応しい歌唱力を有している上,訳詞も自ら担当している。
 
   
 

■「ヒッツヴィル:ザ・メイキング・オブ・モータウン(サウンドトラック)」
 (ユニバーサル ミュージック)

   
 
国内盤 輸入盤
 
 
   映画の邦題にはないが,CDでは原題のHitsvilleが冠されている。こちらも国内盤が発売されているが,輸入盤と同じ16曲収録で,日本独自のボーナストラックはない。映画のエンドロールには56曲がクレジットされていたが,となると,数あるヒット曲の中からどれが選ばれたかを予想してみろと試されているかのようだ。
 最初の大ヒット曲の“My Girl”で始まり,Beatlesがカヴァーして原曲の人気が増したMarvelettesの“Please Mr. Postman”が続くことは,映画中での扱いから予想できた。Motownにとって特別な存在のMarvin Gayeの“What's Going On”がトリなのも納得できる。M. Gaye, Temptations, Stevie Wonder, Miraclesらの2曲に対して,Supremesがたった1曲なのは個人的に不満だった。その後,輸入盤やネット配信ではデラックス版(35曲収録,曲順は相当違う)が追加発売されていて,SupremesとJackson 5も3曲入っていたので,少し安心した。
 
   
 

■「TROLLS World Tour (Original Motion Picture Soundtrack)」
(RCA Records)

   
 
 
 
  国内盤はなく,輸入盤かネット配信で入手できる。いずれも全20曲構成で,テンポのいい歌唱曲が詰まっている。前作と同様,シンガーソングライターのJustin Timberlakeが,主役ブランチの音楽プロデューサを務めている。自ら作曲/選曲して,自分でも数曲歌うのだから,出来がいいのも当然だ。
 オリジナルスコアはTheodore Shapiroが担当し,歌唱曲はLudwig GöranssonがJ. Timberlakeと共同プロデュースしている。主題歌の“The Other Side”を含む7曲が新曲で,残りはジャンルを考慮して,世界中のヒット曲から選んでいる。筆者のお気に入りは,Anthony Ramosが歌う“One More Time”(Daft Punkの曲)とRachel Bloomが歌う“Crazy Train”(Ozzy Osbourneの曲)だ。新曲の中では,L. Göranssonが作曲し,自ら歌った “Yodel Beat”がユニークだと感じた。
 
   
 

■「The Last Walts」
 (Rhino)

   
 
CD盤 40周年記念盤
 
 
   『ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった』のサントラ盤が発売されないので,少し変則だがM・スコセッシ監督の『ラスト・ワルツ』(78)を取り上げる。解散公演の約1年半後に実録映画が公開され,そのサントラ盤扱いでLP 3枚組(全28曲)が発売され,その後,CD化され2枚組となった。2002年にRemasterされたCD4枚組のBox Set(全54曲)が出て,今ではこちらが定番商品だ。一部Remixされた40周年記念盤も構成は同じである。
 今回,改めてThe Bandの全オリジナルアルバム(再結成後を除く)と上記40周年記念盤を入手した。音質も良く,サウンドは今聴いても瑞々しい。1976年時点で,よくこんな豪華ゲストのコンサートを企画したものだと驚く。Bob Dylan, Eric Claptonに加えて,Neil Young, Neil Diamond, Van Morrison, Joni Mitchell, Muddy Waters, Emmylou Harrisらがノーギャラで出演し,何とRingo Starrがドラムを叩いている。The Band自体の曲も3人のヴォーカルも素晴らしい。
 
   
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