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O plus E誌 2018年5・6月号掲載
 
映画サウンドトラック盤ガイド
   
 

■「レディ・バード オリジナル・サウンドトラック」
(SMJ)

   
 
 
 
  ゴールデングローブ賞のミュージカル/コメディ部門の作品賞受賞作だけあって,本編は様々な音楽で彩られていた。本盤もユニークな構成である。全21点中の5点は登場人物のセリフであり,残る16曲が既存曲から選択されている。大半は本編で流れていたが,予告編だけで使用された曲も録されている。音楽担当のジョン・ブライオンのオリジナルスコア23曲だけを集めたOSTも別途発売されている。
 メイン曲扱いなのは,The Monkeesの「As We Go Along」で,イントロの演奏が美しい。母マリオンのテーマ風に本編中で2度使われていたのは,カントリー歌手John Hartfordの「This Eve Of Parting」で,歌詞が彼女の心情にぴったり合致していた。この2曲は共に1968年の作だ(一体,誰が選曲した?)。娘クリスティンのテーマはDave Matthews Bandの「Crash Into Me」で,これも2度流れる。1996年のヒット曲だが,この年代の曲が多いのは。1983年生のグレタ・ガーヴィグ監督が自らの想い出の曲を選んだからだ。
 
   
 

■「Peter Rabbit (Music from the Motion Picture)」
 (Columbia)

   
 
 
 
   一方,上記と同様,映画中では多数の印象的な曲が使われていたのに,こちらはサントラ盤として少し残念な発売形態だ。版権問題がこじれたのか,国内外ともにたった2曲のデジタル配信しかない。海外でも,これを不満とする投稿が目についた(そのためか,劇中使用の既存曲の大半は,YouTubeにアップされている)。  ただし,入手できる2曲は何れも名曲だ。James Cordenが歌う「I Promise You」は軽快で,CMでの利用に最適だ。もう一方の「Peter Rabbit Suite」はいかにも映画音楽で,エンドロールを飾るに相応しい。  
   
 

■「Wonder (Original Motion Picture Soundtrack)」
 (Milan Records)

   
 
 
 
   『ワンダー 君は太陽』のサントラ盤CDとしては,輸入盤だけで,国内盤はないが,iTunesやAmazonのデジタル配信でアルバム全体が購入できる(なぜか,iTunesの方が安い)。全21曲収録で,内3曲が既発表の歌唱曲,残る18曲(4曲が歌唱曲,14曲が演奏曲)が映画のために新たに録音された楽曲である。きちんと映画に登場した順に収録されている。
 冒頭に流れるのは,The White Stripesが歌う「We Are Going To Be Friends」で,2002年のアルバム「White Blood Cells」からシングルカットされた曲だ。題名も映画のテーマにぴったりで,最初にこの軽快な曲を聴いただけで,映画本編の明るさが伝わって来る。テーマ曲的な扱いで,17曲目もこのカバー曲で,映画の後半に流れる。シンガーソングライターのCamera Obscuraがこの映画のために歌ったもので,個人的にはオリジナルよりもこちらの方が好きだ。エンドソングはNatalie Merchantが歌う「Wonder」で,ドラムの音が軽快で,映画の爽やかな結末を象徴している。
 音楽担当のMarcelo Zarvos が書いた14曲の演奏曲も心地良い。映画にぴったり寄り添っていたためか,試写を観ている間は特に印象はなかったのだが,いま改めて聴くと,いずれも美しい。アルバムを通して聴いた場合に,曲順がスムーズで,極めてバランスが良い。
 
   
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  (3番目の「Wonder」は,Webページ専用で,O plus E誌には非掲載です)  
   
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