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          O 
            plus E誌 2013年3月号掲載 | 
         
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                            『ジャンゴ 繋がれざる者』 
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                            (コロンビア映画 
/SPE配給)
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                      オフィシャルサイト[日本語][英語] | 
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                      [3月1日より丸の内ピカデリー他全国ロードショー公開予定] | 
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                      2013年2月4日 角川試写室(大阪) 
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    (注:本映画時評の評点は,上から   ,  , , の順で,その中間に をつけています。) | 
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    たっぷり楽しませてくれる異才の快作。これぞ映画だ。 | 
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     |   |  やっぱりだった。さすがだと言わざるを得ない。そして,なるほど,なるほどと納得して眺めるだけだった。本作も第85回アカデミー賞作品賞にノミネートされているが,いずれも異才クエンティン・タランティーノ監督の,この最新作に対する素直な印象である。 
 まず,オスカー・ノミネートだが,何度かこの欄で書いているように,筆者は,映画祭狙い,批評家受けを意識した文芸調の映画はどうも好きになれない。カンヌやベルリンの出展作品と聞くと,まずはアラ探しをしたくなるほどだ。近年一段とショウアップしたアカデミー賞は,そこまでの気取りはないものの,別項でも触れたように,最近の作品賞,監督賞の受賞作には,大いに疑問符がつく。いや,作品自体が悪いのではなく,投票権をもつアカデミー会員が素直でなく,ひねくれ者が多いと感じるだけだ。ところが,作品賞の候補作が4年前の第81回からほぼ倍増した結果,娯楽大作もノミネートされやすくなった感がある。前作『イングロリアス・バスターズ』(09年11月号)で2度目の作品賞ノミネートを果たしたタランティーノ作品なら,かなりの力作であると想像できた。そして,その期待通りであったことが,「やっぱり」なのである。 
 次なる「さすが」には,少し説明が要る。「ジャンゴ(Django)」とは,マカロニ・ウェスタンの代表作の1つ『続・荒野の用心棒』(66)の主人公の名前である。数年前,本作と同じソニー・ピクチャーズ製作の邦画で『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』(07年10月号)があった。当欄では,この作品を「アニメオタクのクエンティン・タランティーノの世界だ」と評していた。同作の監督は三池崇史だったが,この2人には共通項が多い。テンポの早さ,個性派俳優の起用,「そこまで,やるか」と感じる暴力シーン等々だが,強面振りもよく似ている(醜男度は,三池監督の方が上か?)。何とこの映画には,Q・タランティーノ自身がカメオ出演していた。それだけ「ジャンゴ」の名前への拘りと思い入れがあるはずで,じゃんけん後出しなら,三池作品より数段上のパワーアップを図っていると想像した。そして,その期待に違わぬ面白さであったことが,「さすがタランティーノ」という感嘆である。 
 時は1858年,テキサスの北部から物語は始まり,後半はテネシー州ガトリンバーグの農園が舞台となる。まだ南北戦争前の米国の深南部では,黒人の奴隷制度が当たり前の状態であった。主人公のジャンゴは,ジェイミー・フォックスが演じる黒人のガンマンだが,そのカウボーイ姿がどうも似合わない(写真1)。そりゃそうだ,黒人が馬に乗ることもなく,ガンマン姿などあり得ないので,見慣れていないだけだ。余り真正面から語られることがなかった,この時代の奴隷売買の実態を,タランティーノ流の味付けで俎上に乗せている。シリアスにならずに,コメディ・タッチのアクション映画の中に,しっかりメッセージを織り込んでいる。深遠なテーマを,巧みに茶化し,かつワクワクする映画に仕上げるのが,この監督の手腕だ。これが「さすが」なのである。 
 助演の筆頭は,ジャンゴを「賞金稼ぎ」の相棒に育て上げる歯科医のキング・シュルツ医師で,前作『イングロリアス・バスターズ』で好演したクリストフ・ヴァルツが再度起用されている。前半は,彼が主役かと思うほどの活躍振りで,終盤近くまで出番は多く,しかも個性的だ(写真2)。この演技で,既にゴールデングローブ賞,英国アカデミー賞の助演男優賞を受賞しているが,当然だなと思わせる快演だ。もう2人,話題の豪華助演陣は,初めて悪役を演じるというレオナルド・ディカプリオとタランティーノ監督お気に入りのサミュエル・L・ジャクソンで,彼らの存在感も大きかった。レオ様の悪役振り(写真3)も悪くないが,S・L・ジャクソンの敵役(写真4)は,それ以上の好演ではないかと思う。 
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               | 写真1 このカウボーイ姿はしっくりこない  | 
                            写真2 こちらはドイツ系の歯科医という設定  | 
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              | 写真4 黒人執事のスティーブン(左)。お主も相当ワルよのぉ。  | 
             
          
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       |  上映時間2時間45分の長尺なのだが,全く長さを感じさせない。分かりやすく,かつ楽しい映画なのも,この監督の基本スタンスだ。『パルプ・フィクション』(94)や『キル・ビル』(03&04)のファンならば,間違いなく気に入るはずだ。前半の2人の掛け合いも楽しいが,中盤から終盤への畳み掛けが,実に巧みな脚本で,ゴールデングローブ賞,英国アカデミー賞では「脚本賞」も受賞している。本家アカデミー賞では,撮影賞,音響効果賞も加え,計5部門でノミネートされているように,相変わらず挿入曲の選択には凝っている。お馴染みのエンニオ・モリコーネ作品を随所に盛り込み,この映画が紛うことなく『ジャンゴ』であることを意識させてくれる。これが「なるほど,なるほど」なのである。 
 さて,本欄の主題であるCG/VFXはと言えば,そんなものは殆どない。本作は,ただ書きたいからメイン欄に取り上げただけである。強いて言えば,やたら銃をぶっ放し(写真5),血飛沫と肉塊が飛び散る映像が印象的だ(写真6)。技術的には,古典的なSFXの範疇に入るが,この点でも古くささを全く感じさせない。
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              | 写真6 大量の血飛沫の仕掛けやキャンディ邸での銃撃戦シーンの舞台裏
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    (画像は,O plus E誌掲載分に追加しています) | 
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