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O plus E誌 2008年1月号掲載
 
    
 
その他の作品の短評
  (注:本映画時評の評点は,上からの順で,その中間にをつけています。)  
   
   ■『その名にちなんで』:「停電の夜に」の作家ジュンパ・ラヒリの長編小説の映画化作品。アメリカに移り住んだインド人一家の人生を描く。淡々と進行する物語の中に,ベンガル人たちの親族意識,家族愛,自己発見などが見事にちりばめられている。よくできた映画だ。欲を言えば,もっと米国とインドの文化や価値観の違いを対比的を描けば深みが増したと感じた。
 ■『再会の街で』:いい映画だ。9.11で愛する者を失くした男(アダム・サンドラー)と大学時代の旧友の歯科医(ドン・チードル)の魂の交流を描く。最初は歯科医の立場から彼を見つめ,やがて彼の悲しみに感情移入する。皆泣いていた。A・サンドラーがこんなに好い役者だったのかと初めて知る人も多いだろう。でも,この役はジム・キャリーで観たかった気もする。
 ■『光の六つのしるし』:本来ならメイン欄で紹介すべきVFX満載のファンタジー大作だ。全4冊の名作の映画化で,時を飛び越え,闇と戦い世界を救う14歳の少年の本格派アドベンチャー……。『ナルニア国物語』『テラビシアにかける橋』を送り出したウォルデン・メディアの作品なのに,どうしてこうもトホホなのか? この種のファンタジーが食傷気味な上に,テンポが悪い。俳優も,監督も,脚本も,CGも二流だ。
 ■『ジェシー・ジェームスの暗殺』:米国犯罪史に残る無法者を背中から撃った卑怯者の物語を,暗殺者側からの視点で描く。衝撃の暗殺で終わるのかと思いきや,後日談を描くラスト20分が抜群に面白い。それまでの息詰まる心理戦を丁寧に描いているが,長すぎて退屈だ。この無法者をなぜここまで崇拝し,畏敬するのかが,我々には理解できない。暗殺者を演じるイケメン俳優ケイシー・アフレックはベン・アフレックの弟だが,表情は(なぜか)キーラ・ナイトレイによく似ている。
 ■『アース』:BBCのクルーが5年間かけて製作した地球上の生態系を描く大ドキュメンタリー。ネタ的にはNHK番組『生きもの地球紀行』でもよく観た光景だが,この壮大なスケール,映像の美しさには圧倒される。絶対に大画面で観るべきだ。IMAXならもっと凄かっただろう。でも待てよ。撮影チームや配給会社は違っていても,白クマ親子の物語,ウォラスとの戦い,地球温暖化への危機を訴えるメッセージは,前に観た『北極のナヌー』(07年10月号)と同工異曲じゃないか。
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