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O plus E誌 2007年3月号掲載
 
    
 
その他の作品の短評
  (注:本映画時評の評点は,上からの順で,その中間にをつけています。)  
   
   ■『Gガール -破壊的な彼女-』:「スーパーマン」の女性版をユマ・サーマンが演じる。かつて従妹の『スーパーガール』(84)があったので,この題になったのだろう。この手のB級映画は,お馬鹿タッチの軽いノリで押し通す方が楽しいのに,妙にドラマ仕立てにするから面白くなくなる。CGの出来は標準レベルだが,『奥さまは魔女』(05)同様に,相手役男優に魅力がない。
 ■『輝く夜明けに向かって』:1980年代の南アフリカ,アパルトヘイトに立ち向かう正義の戦いを,無実の罪を着せられた1人の男の半生を通して描く。この歴史的事実を人類は忘れてはならないが,真面目過ぎて肩が凝る。テレビの特番ならともかく,映画としてはもう少しサービス精神があっても良かったかと思う。
 ■『ラストキング・オブ・スコットランド』:こちらは,悪名高いウガンダ大統領アミンの時代を描く。彼の理想主義に憧れ,やがてその独裁者ぶりに翻弄される青年医師の苦悩がテーマだ。アミンを演じるフォレスト・ウィテカーが各種映画賞に輝いているが,ギャリガン医師を演じるジェームズ・マカヴォイの熱演もいい勝負だ。ラスト5分間の息詰まる緊迫感が見事だ。唯一の欠点は表題で,もう少し洒落た邦題が欲しかった。
 ■『パフューム 〜ある人殺しの物語〜』:すごい物語だ。ドイツ映画だが,舞台はフランス,セリフは英語で語られる。猟奇殺人を,ここまで官能的な描写にしたのかと,そのコクに感心する。前半は,天賦の嗅覚をもつ香水調合師という設定の面白さに引き込まれ,後半は広場を埋め尽くした男女の愛欲シーンに度肝を抜かれる。原作に忠実なのだろうが,この展開と結末の異常さは好きになれない。超人的嗅覚をもつ男の活躍譚で通していればもっと楽しめたのに,残念だ。
 ■『ゴーストライダー』:全編CG満載の作品だが,試写会のタイミングが悪く,この欄でしか紹介できない。悪魔に魂を売ったアメコミのダークヒーローを,ニコラス・ケイジが演じる。米国版『どろろ』とも言える奇っ怪な話で,当のコミックのファンかバイク好き以外にはあまり向かないだろう。バイク映画の伝説の大スター,ピーター・フォンダが登場し,悪魔のメフィスト役を淡々と演じているのが印象的だった。技術的にはCG製の炎の表現が自由自在で,これは評価に値する。
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