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O plus E誌 未掲載
 
 
『ボーン・コレクター』
(コロンビア映画&ユニバーサル映画作品/SPE配給)
 
       
      (2000/3/9 SPE試写室)  
         
     
  サスペンス・スリラーとして合格点  
   ジェフリー・ディーヴァー作の原作小説は,年末恒例の「週刊文春ベスト・ミステリー」で第1位 ,『このミステリーがすごい! 2000年版』で第2位だった。主演のデンゼル・ワシントンがゴールデングローブ賞主演男優賞,アンジェリーナ・ジョリーがアカデミー賞助演女優賞を受賞というので,配給会社にとって好宣伝条件が揃った。もっとも,対象となったのはそれぞれ別 に出演した『ハリケーン』『17歳のカルテ』であって,本作品ではない。
 それでも,監督は『パトリオット・ゲーム』『硝子の塔』『今そこにある危機』など,サスペンス・ドラマ得意のフィリップ・ノイスとあって,大いに興味がそそられた。『グリーンマイル』では原作を全部読破して感激が薄れたので,今回は約9割読んだところで残りを我慢して試写会に臨んだ。
 ニューヨーク市にくり広げられる連続猟奇殺人事件。毎回犯人が意図的に残す難解な証拠の解読に当たるのは,事故で脊椎を損傷し,手足の自由を奪われた元科学捜査担当の刑事リンカーン・ライム(D・ワシントン)。首から上と左手の指1本以外使えない彼に替わって現場捜査の特命を受けるのは,若い婦人警官アメリア・ドナヒー(A・ジョリー)。古い犯罪記録本に基づき犯行を続けるボーン・コレクターとの知恵競べ……といった設定のサスペンス・スリラーである。
 女性捜査官の活躍は『羊たちの沈黙』,犯行のタネ本探しは『セブン』を思い出させる。実際,脚色も監督も『羊たちの沈黙』を相当意識していたようだ。ベストセラーの原作の表現を精一杯取り入れようとして,映画のセリフだけではやや説明不足だったり,後半駆け足調になったのもそっくりだ。この同系列の2作品ほどの衝撃はなかったが,これといった欠点もなく,そこそこ楽しめた。ゴールデンウィークの娯楽作品としては合格だろう。
 
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  映画ならではのビジュアル脚色  
 
もっと怖くて気味の悪い映画を想像していたのですが,『イグジステンズ』の後だけにずっと大人しく感じました(笑)。これなら女性でも平気です。
殺し方の残虐さを想像して読むと,小説の方が怖いですよ。
90%読んで,結末を取っておいた効果はありましたか?
まぁ,こんなものでしょう。主人公を白人から黒人に,看護人を男性から女性に変えていたのは,キャスティング上の許容範囲ですね。ただ婦人警官は誰もがハッとする美人というので,期待していたのですが…。
それほどでもなかったと(笑)。
でも,健気なアメリアの感じはよく出ていたし,A・ジョリーは好演だと思います。名優ジョン・ボイト(『ミッション:インポッシブル』など)の娘さんらしいですよ。
口元や顎の線が似てますね。ところで,この映画特撮シーンは,どこだったのでしょう? 縛られた人間を襲うネズミくらいしか思い当たらないのですが,大半は本物に見えました。
それにしては,エンドロールにアニマル・トレーナの名は2人しかなく,パぺッタはいませんでした。
CG担当にはそこそこ名前がありましたよ。
あれは,主人公が声で操作するパソコン画面のグラフィックスかも知れません。映画に出てくるコンピュータの画面は,現実より進化していることも多く,この作品でもうまくビジュアライズしていましたね。ジグソー・パズルを取り入れるなど,映画ならではの脚色です。
ウィンドウズに似ているようでいて,もっと素敵でした。音声であれだけ操作できると便利ですね。
まだ,あのレベルまでは無理でしょう。でも,モニタの筐体にはスポンサのIBMのロゴが大写しになっていたから,同社ご自慢のディクテーション・ソフトが売りだったのかも知れません。
 
   
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