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O plus E 2022年1・2月号掲載
 
映画サウンドトラック盤ガイド
   
 

■「コーダ あいのうた - オリジナル・サウンドトラック
(Universal Music)

   
 
 
 
  この欄の題名を日本語表記しているように,国内盤CDが発売されているが,日本語ジャケットはなく,国内だけのボーナストラックもない。勿論,ネット配信でも購入できる。全18曲収録で,半数の9曲がMarius De Vriesによるオリジナルスコアの劇伴曲で,残る9曲が歌唱曲という構成である。
 歌唱曲の内,オリジナルはルビー役のEmilia Jonesが歌う主題歌“Beyond The Shore”だけで,他の8曲は既存の名曲だ。映画本編にとって大きな意味をもつのは,秋のコンサートでルビーとマイルズが歌う“You're All I Need To Get By”で,彼らのデュエット歌唱とMarvin Gaye & Tammi Terrellのオリジナルの両方が収録されている。極め付けは,バークリー音大の入試でルビーが歌った“Both Sides Now”(青春の光と影)だ。原歌詞と手話(ASL)の両方で歌うという離れ業は,この映画のクライマックスで,観客も涙する感動ものだ。

 
   
 

■「Crescendo (#Makemusicnotwar)」 

   
 
 
 
  国内も海外もネット配信だけで,CDの発売はない。Spotify,Amazon,Apple Music等から購入できる。アルバム・ジャケットの「CRESCENDO」の文字が右に行くほど太く,音楽記号の意味をビジュアル化している訳である。全16曲の大半はMartin Stockによるオリジナルスコアで,各曲は短く,アルバム全体で30分しかない。
 劇中で結成されたオーケストラの演奏は,モデルとなった「ウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団」が演奏しているのかと思ったが,違っていた。ドイツ製作の映画なので,Jens Troester指揮のNeue Philharmonie Frankfurtの演奏である。劇中で登場するクラッシックの名曲は6曲だったのに,このアルバムにはなぜか3曲しか収録されていない。ドヴォルザークの「管楽セレナードOp.44」と「交響曲第9番第2楽章」,そしてラストシーンのラヴェルの「ボレロ」である。

 
   
 

■「ウエスト・サイド・ストーリー(オリジナル・サウンドトラック)
(Universal Music)

   
 
国内盤 輸入盤
 
 
  ここれくらいの大作となると,しっかり国内盤も輸入盤もCDが入手できる。輸入盤のジャケットは味気ないが,国内盤は映画ポスターと同じトニーとマリアのバルコニーでのラブシーンを使っている。「ロミオとジュリエット」を模したシーンである。
 収録曲は21曲。“Prologue”から“Finale”“End Credits”までしっかり入っていて,全体で80分もある。このサントラ盤の音源は事前に入手していたが,それを聴いて全く感心しなかった。聴き直した旧作のサントラ盤の方がずっと迫力があった。ところが,映画の試写を観て,どれも何と素晴らしいサウンド,歌唱だと驚いた。恐らくシアターでのMax音量を大きく設定してあり,その分,サントラ盤の平均録音レベルが少し低かったのだろう。  さて,中身は8曲目“Maria”,9曲目“Balcony Scene (Tonight)”,11曲目“America”と,お馴染みの名曲揃いで,改めて紹介する必要はないだろう。この映画はなるべく音響設備が充実した映画館で観るべきだ。
 
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