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O plus E誌 2016年7月号掲載
 
映画サウンドトラック盤ガイド
   
 

■「シング・ストリート 未来へのうた
(ユニバーサル ミュージック)

 
 
 
  輸入盤を入手しなくても,映画の公開に合わせて7月6日に国内盤が発売される。筆者が配給会社経由で入手したのは輸入盤と同じ17曲だが,国内盤はもう1曲追加されて全18曲のようだ。
 収録された既存曲はラジオから流れていた曲中心に全7曲で,デュラン・デュラン,ザ・キュアー,ホール&オーツ,ザ・ジャムらの1979年から1982年にかけてのヒット曲だ。この映画にために作られたアダム・レヴィーン(Maroon 5)の「Go Now」が最大の聴きものだろう。残りは劇中バンドの「Sing Street」が演奏する楽曲で,スコットランド出身のゲイリー・クラークが作詞作曲している。意図的にシンプルかつ少し下手に演奏しているらしく,それが瑞々しく,60年代ポップスのようにも聴こえて,筆者の好みにピッタリだ。
 
 
   
 

■「ラスト・タンゴ
(ソニー・ミュージック)

 
 
 
  国内盤は映画公開より早く,既に4月に発売されている。全20曲で56分の構成だ。劇中のダンスシーンで名曲が流れていたが,映画は2人のダンスとマリアの激しい口調に圧倒されて,余り意識しなかった。改めてサントラ盤を聴き,その素晴らしい出来栄えに,映画とは全く別の印象すら覚える。既に何度も聴いてしまった。
 ダンス音楽に詳しくないが,タンゴとはかくも美しい曲揃いかと再認識した。いわゆる「アルゼンチン・タンゴのすべて」といった定番の企画ものとは一線を画し,緩急をつけた構成になっている。名門のトロイロ楽団やダリエンソ楽団演奏の1941年,1939年のオリジナル音源があるかと思えば,再結成された六重奏楽団セステート・マジョールが現代タンゴ界最高峰の歌手たちを迎えて新録音した名曲群,といった具合だ。
 
 
   
 

■「AMY エイミー
(ユニバーサル ミュージック)

 
 
 
  本作も国内盤が入手できる。映画中の使用曲は34曲がクレジットされていたが,サントラ盤は少し編集を変えて,23曲で丁度1時間の構成だ。内エイミーの歌曲は11曲で,その間を縫うようにアントニオ・ピント作曲の劇伴楽曲が彼女に寄り添うように埋められている。この構成が巧みで,映画のイメージを損なわない。
 エイミーの歌はデモ版やライヴ版中心で,デビュー時のまだ幼く,繊細な歌い方から,次第にパワフルになって行く過程が実感できる。圧巻は,死の4ヶ月前に収録されたトニー・ベネットとのデュエット「Body And Soul」だ。彼が映画中で語ったように,将来はビリー・ホリディ級のジャズ歌手に成長したと思われる。エンドロールで流れる「Valerie」は「Back To Black, Deluxe Edition」収録の激唱で,ラストに相応しい。
 
 
   
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