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O plus E誌 2001年1月号掲載
 
 
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『13デイズ』
(ビーコンピクチャーズ作品
/日本ヘラルド映画配給)
 
       
      (2000/11/20 日本ヘラルド試写室)  
         
     
  キューバ危機を描く硬派のドキュメンタリー  
   似たような題で紛らわしいが,こちらは13日間。中身もぐっと硬派で,第3次世界大戦勃発の恐れがあったキューバ危機の13日間を描いたドキュメンタリーだ。日米同時公開どころか,この作品はアメリカよりも1週間早い本邦公開だ。珍しくH・フォード,A・シュワルツェネッガーと大スターが揃った正月映画戦線に,ケビン・コスナーをぶつけたかったのだろう。
 そのケビン・コスナーの役柄は,米国大統領ジョン・F・ケネディの特別補佐官のケネス・オドネル。大統領と弟の司法長官ロバート・ケネディを加えた3人の若きアメリカ指導者たちの苦悩と決断を描いた骨太のドラマである。通称「キューバ危機」と呼ばれる1962年10月16日から28日までの13日間,カストロ政権下のキューバを舞台に米ソ対立が一触即発状態に陥った。今は亡きこの特別補佐官への100時間のインタビューやCIA機密文書をもとに書かれた脚本というから,ほぼ史実通りだと考えていいだろう。最近のラブロマンス数作が不発だったケビン・コスナーは,『JFK』(91)で演じた検事役といい,この補佐官といい,政治ドラマの方がよく似合う。
 映画の大半が大統領執務室や国家安全保障会議緊急執行委員会の席が中心となるので,軍事的緊張の進行を示すアクセントとして,カリブ海の封鎖海域,アメリカ,キューバ,ソ連の基地の映像が配されている。フィリピンの大規模ロケでキューバのミサイル基地を再現したというが,ここがCGやVFXの活躍の場だ。
 何しろ,時代は約40年前の1962年である。当時の戦闘機やミサイルを再現するのに,CGは便利なツールだ。旧式の戦闘機をCGで再現するのは『スペース カウボーイ』でも試みられたが,編隊飛行や撃墜シーンも含め,この映画の方が本格的だ。これも,担当はシネサイト社。最近,VFX技術の実力アップが目覚ましい。
 
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楽しみはソックリさん登場
いい映画だと思いますが,この2時間20分はずいぶん長く感じました。
後ろの席で字幕翻訳の戸田奈津子さんが,「長尺もので,どうも済みません」なんておしゃってました(笑)。歴史に忠実なので,順に辿って行くと単調になるのでしょう。長く重苦しい13日だったことを印象づけるためだとも考えられます。
まだ生まれる前の話なので,勉強にはなりましたが,歴史の資料集を読んでいるみたいでした(笑)。
アメリカ史にとっては特筆すべき大事件ですから,後世に語り継ぎたい題材でしょう。ま,NHKの大河ドラマみたいなものです(笑)。ケネディ兄弟の偉大さばかりが強調されていますが,今の日本にこんな立派な政治家がいたらなぁと感じますね。
ロバート・ケネディ役はよく似てましたね(写真)。そっくりショーの方が楽しみでした(笑)。
このステーブン・カルプは,前にもR・ケネディを演じたそうです。JFK役のブルース・グリーンウッドはあまり似ていませんが,最後の名調子の演説は,かなり工夫して似せていましたね。本物をよく知りませんが,マクナマラ国防長官も似ていたようですよ。
『フォレスト・ガンプ/一期一会』(94)のように,実録フィルムとの合成があるのかと思いましたが, なかったですね。
これだけ登場場面があると,古い映像だけじゃ 無理でしょう。
ロケットや核爆発やミサイルは,CGですか?
そうでしょう。黒い偵察機U2は,当時随分話題になりました。これは大半がCGでしょうが,撃墜されバラバラになるところは模型かも知れません。VFXシーンは少なくないけれど,この映画ではさほど大きな役割は果たしてないので,この実話のもつ意味だけを感じてもらいたい映画です。
 
写真 ロバート・ケネディ役(左)はよく似ている
   
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