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O plus E誌 非掲載
 
 
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『悪いことしましョ!』
(20世紀フォックス映画配給)
 
(c)2000 TWENTIETH CENTURY FOX
       
      (20世紀フォックス試写室00/10/23)  
         
     
  視覚効果よりも悪魔の美しさが見もの  
 原題は『Bedazzled』。「幻惑させられて」といった意味合いだ。邦題があるのはいいが,あまりピッタリした題ではない。もとより悪漢映画ではなく,主人公も悪さ1つしないラブコメディだ。1968年の作品のリメイクだというから,その時の邦題をそのまま流用したらしい。
 コンピュータ関連会社に勤める気の弱い青年エリオット(ブレンダン・フレイザー)は,同じ職場で働く憧れのアリソン(フランシス・オコーナー)にぞっこんで,彼女をハートを射止めるため,7つの願いの実現と引き換えに悪魔(エリザベス・ハーレー)に魂を売り渡す。寓話やゲーテの『ファウスト』にも見られる設定だが,願いごと1つずつで繰り広げられるドタバタ劇がウリである。
 『ハムナプトラ/失われた砂漠の都』(99)で一躍人気スターの座を獲得したB・フレイザーは,かなり太めでの登場だ。彼の二枚目半の滑稽さは,アメリカ人好みのコメディによく似合っている。憧れのアリソンは,こんなに憧れるほどの存在かな思うが,一方,悪魔を演じるE・ハーレーの妖艶な美しさには息を呑む。鮮やかな赤のコスチュームを様々取替えて登場するのも,ハリウッドならではの華やかさだ。旧作の悪魔は男だったというから,このリメイクでは,幻惑される相手を移して成功している。
 監督は『ゴーストバスターズ』のハロルド・ライミス,VFXスーパバイザに『スター・ウォーズ』のリチャード・エドランドと聞くと,楽しいSFX/VFXを期待したが,大型予算作品でないだけにまずまずの出来映えだ。悪魔の変身やエリオットの七変化,魔術による願いごとでは,それなりの視覚効果を見せてくれるが,あっと驚くほどではない。出色なのは,エリオットが体験する地獄のシーンだ。これはSFXならではの表現であり,かつ楽しい。
 各エピソードのオチや全体のエンディングに,人生訓めいたメッセージを盛り込ませてあるとも言えるが,真剣に身構えるほどの映画ではない。そこそこに楽しいが,この手のコメディは,日本の観客にはあまり受けないだろうなと感じてしまった。
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(c)2000 TWENTIETH CENTURY FOX
   
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