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O plus E誌 2008年4月号掲載
 
    
 
その他の作品の短評
  (注:本映画時評の評点は,上からの順で,その中間にをつけています。)  
   
   ■『燃えよ!ピンポン』:これも一見香港映画かと思うが,れっきとしたハリウッド製のお馬鹿映画。本当に25億円もかけたのかと疑うが,脚本も俳優も完全にB級,いやC級だ。卓球の試合場面満載で,激しい球の動きは当然CG描写だろう。ここまで馬鹿馬鹿しいと,むしろ立派と言える。小難しい映画は御免で,笑い転げて時間をつぶしたい観客にはオススメだ。
 ■『スルース』 :妻を寝取られた男(マイケル・ケイン)とイケメンの浮気相手(ジュード・ロウ)の心理戦攻防を描くリメイクもの。登場人物はこの2人だけで,舞台劇を思わせる3幕ものだ。2幕目までは快調だが,詰めが今イチだ。名優2人の個性が生きているが,これなら邦画でも実現できる。江守徹と木村拓哉,緒形拳とオダギリジョーなんて組み合わせも乙なものだ。富豪小説家の屋敷が舞台だが,そのインテリアが素晴らしい。これは,邦画じゃとても真似できない。
 ■『ブラックサイト』:ダイアン・レインが,女性FBI捜査官を演じるサイバー・スリラー。Webサイトを利用した公開殺人,劇場型犯罪がテーマだ。技術的には,ここまでハッキングされることはないだろうが,一般観客にネット社会の恐怖を感じさせるには十分な演出だ。そこそこに面白いが,それ以上ではない。
 ■『フィクサー』: ジョージ・クルーニーが主演の社会派映画で,農薬公害訴訟の裏でうごめく陰謀と戦う弁護士を描く。色気なし,変化球なしの直球勝負で,助演陣もなかなかに渋い。ティルダ・スウィントンが存在感ある悪役で助演女優賞を得たものの,この作品自体は,オスカー候補としてやや小粒だったと感じた。
 ■『大いなる陰謀』 :映画を愛し,映画人育成に励むロバート・レッドフォードが久々に監督・主演したメッセージ・ドラマだ。単なる反戦映画ではない。上院議員と敏腕女性ジャーナリスト,大学教授と学生の会話に,9.11以降のアメリカの悩み,人生の道徳的課題がちりばめられている。トム・クルーズ,メリル・ストリープ共演という豪華キャストだが,生真面目過ぎて退屈でもある。そのせいか,後席の若い女性2人連れが,ペチャクチャとうるさかった。92分の映画くらい黙ってじっと観てろ,この小娘どもが! 米国社会の悩みも大きいが,日本の若年世代の低脳ぶりの方が嘆かわしい。
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