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O plus E誌 1997年7月号掲載
 
 
『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』
(ユニバーサル映画)
 
(c) Universal Pictures - All Rights Reserved
       
         
         
   
  先月号のこの欄で予見した通り,やっぱりILM(Industrial Light & Magic)社の実力のほどが気になって,『ロスト・ワールド』も『スター・ウォーズ/帝国の逆襲《特別篇》』も見に行ってしまった。
 予想通り,第1作の『ジュラシック・パーク』よりも恐竜の種類も迫力も登場場面もぐーんとアップしている(付写真3)。4年間でSGIワークステーションのパワーもアップしたから,その分CG映像だって作りやすくなっていて当然だ。それは十二分に実感できる。
 『スター・ウォーズ《特別篇》』で書き加えた怪獣なんて,『ロスト・ワールド』の恐竜たちに比べれば,学芸会の作品みたいなものだ。ILMにしてみれば,ちょいとしたアルバイト感覚で作ったんじゃないかと思えてしまう。『帝国の逆襲《特別篇》』のリメイクもその程度の出来栄えだった。一方,こちらの恐竜たちの迫力,動きはすごい。技術的というより,技能的なところで一段と磨きがかかったと感じる。
 しかし,ただそれだけなのである。単独で評価すれば,パニック映画としては高得点を取れるだろう。でも,007や『ターミネーター』のように,第2作の方が上出来という訳には行かなかったのである。
 第1作で死んだはずのイアン・マルカム(ジェフ・ゴールドブラム)を生き返らせ,主人公にした意味が表われていない。マイケル・クライトンの原作が,複雑系やカオス理論をテーマにするため,この天才数学者を復活させてしまったので,それに従わざるを得なかったのだろう。『インデペンデンス・デイ』でもいい味を出していた彼を生かしていないのは惜しい。
 主役はTレックスだが,助演恐竜賞(?)を贈るなら,小さなコンプソグナトス(コンピー)たちだろう。人にまとわりつき,おどけてはね廻る可愛く恐ろしいこの小恐竜の振付けは出色だ。アニマトロニクスとCGを併用していることは分かるが,どこでどう使い分けているのかは素人目には区別がつかない。作品としての評価はだが,彼らの演技はとしておこう。
 
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 ILM製CG恐竜図鑑 
 
前作よりも迫力はかなりアップしてましたね。
そうですか?私は,同じように感じました。初めて見た時が衝撃でしたから…。前作をビデオやテレビでしか見てない人には一度映画館で見るものいいと思います。
続編の限界ですね。ゴジラにしろ,ジョーズにしろ,パニックものの固定ファンは,続編でも見に来てくれるでしょう。お盆映画だから,お化け屋敷みたいにカップルで行くものいいんじゃないの。
私は,もっと明るい映画の方が好きです(笑)。2作目はストーリーで勝負しても良かったのに,人物の描き方は貧弱でした。主役は完全にTレックスですね。
もうCGのモデルデータがあるんだから,そりゃ何度でも登場させられますよ。それもノーギャラでね(笑)。今回は,その分の開発パワーは新しい恐竜作りに向けたんでしょう。そうすれば,また第3作でも使えます(笑)。
それなら,一匹ずつ名前とか,特徴とかをスーパーを入れて解説したら良かったと思います。
ハドロサウルス,草食,体長4〜12m,ずんぐりとした恐竜で300もの臼歯を持つ,といった感じですか。恐竜図鑑ですな(笑)。今回は,技術的革新性はなかったけれど,レベルは確実に上がっているし,またまたILMの実力を見せつけられたというところですね。
 
  
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