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この特典映像ガイドを始めて10年以上になるが，疲れてもう本コーナーを閉じたくなった。ところが，熱心な読者から「本数を減らしてでも」と説得され，今後は間欠的に，かなり価値のある特典映像のみを案内することにした。年に3，4本程度になるかもしれない。
本映画時評を毎月の連載にしたのは，1999年9月号からで，その記念すべき映画は『マトリックス』であった。同作品はDVD普及の牽引役ともなったヒット作で，DVD収録の特典映像の評価・解説は，2001年６月号から掲載し始めた。年を経る毎に，この種の特典映像は質・量ともに充実した。本コーナーの評価は私見に過ぎないが，DVD購入の判断や購入後の効率良い観賞のお役に立つよう，心がけて来たつもりである。
それを続けることを苦痛に感じ始めたのは，やたら長い割に内容が薄いメイキング映像が増え，丁寧に解説するだけの時間が見つけにくくなったからである。加えて，映画製作陣も配給会社も，かつてほどCG/VFXをウリにしなくなった。決定的であったのは，よかれと思って解説したことに対して，制作者からクレームがつき始めたことである。特典映像からはそうとしか読み取れない事柄に対して，それ以上の責任は取りづらい。
それやこれやで，当コーナーの長年の読者には申し訳ないが，思いっきりペースダウンし，記念碑的な価値のあるコンテンツのみ取り上げることにしたい。
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