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DVD特典映像ガイド
   
O plus E誌 2008年11月号掲載
   
  『ウォーター・ホース』
 1枚もので,特典としては「未公開シーン集(8種)」と「メイキング・ドキュメンタリー(6種)」だけだが,後者は連続再生で1時間16分もある。「ネス湖伝説」「物語」「キャラクター」「撮影の舞台」など,いずれもボリュームはあるが少し冗長だ。当欄の関心は「水中シーンの撮影」「クルーソーができるまで」の2編で,前者(12分弱)は水上&水中撮影の機材等がよく分かる。子役が酸素ボンベをつけて,奮闘している様が印象的だ。後者(14分余)では,CGになる前の模型造形やCGの基本動作等,製作のプロセスがよく分かる。映画は駄作だが,このVFXメイキングには価値があった。
 
   
  『エリザベス:ゴールデンエイジ』
 1枚もの。特典の数は多くなく,各10分前後でコンパクトにまとまっている。「メイキング・オブ……」は,スタッフ&キャストの語りと映画の紹介だけでつまらない。むしろ「エリザベスの世界」が,衣裳・建物・内装等の時代考証を含むメイキング映像だ。「撮影の裏側:塔,宮殿,大聖堂」では,12世紀建造の大聖堂の撮影の様子が語られる。本命は「艦隊の制作」で,実物大の帆船の製作,その装飾,ブルースクリーンとジンバルの配置,1つの船の両側で別の船に見せる技などが語られる。VFXはCG描写が主力で,実物のテクスチャを多用し,低予算の割に最大の効果を得たという。
 
   
  『ジャンパー』
 これも1枚ものだが,中身は濃い。「グラフック・ノベル:デビッドの孤独」(8分)はアニメ版の紹介。レトロな感じで,結構面白い。「ジャンパーの足跡」(11分弱)は,世界各地のロケ撮影模様の記録。なかなかリッチで楽しい。「撮影の舞台裏」(35分半)は,撮影全体の結構綿密な記録で,この監督の流儀がよく分かる。「小説から映画へ:ジャンパーの過去・現在・未来」(8分余)は短い解説,「プレビズ:コンセプト・アニマティクス」(4分半)はCGプレビズだが,いずれも特筆すべき点はない。当欄の本命「視覚効果:テレポートの瞬間」(7分半)では,CGを使わず瞬間移動を表現する様々な技法を紹介してくれる。全体的に内容は良質だが,監督のせっかちな語りが減点対象だ。
 
   
  『ライラの冒険 黄金の羅針盤』
 2枚組。Disc 2には特典が10項目もあり,全部観ると2時間46分だ。原作者・脚本・美術・衣装・音楽など,いずれも内容は充実,丁寧な作りで退屈しない。『ジャンパー』と比べて,監督と原作者の語りがいい。この映画がいかに丁寧に作られたかが滲み出ている。中でも出色なのは,「ダイモンについて」(20分弱)と「アレシオメーターについて」(15分弱)だ。VFXメイキングは「よろいグマについて」(17分半)で,正邪2匹のクマのキャラの設定,デザインからレンダリングまでたっぷりエピソードが楽しめる。映像には直接登場しないのに,CGのために鎧や大型模型を作る職人技に少し感動する。さすがオスカー受賞作だ。
 
   
  『クローバーフィールド/HAKAISHA』
 O plus E本誌では紹介しなかったが,ここで語っておこう。1枚ものだが,特典映像の質は高い。「別エンディング」が2種あるが,監督の解説つきで観た方が,最終選択の理由がよく分かる。「メイキング映像」(28分余)からは,全編手持ちカメラ撮影,広報極秘作戦の性急な感じが伝わってくる。撮影風景にも緊迫感がみなぎっている。映画では1度しかまともに登場しないのに,「モンスターの正体」(6分弱)でしっかりそのモンスターのデザイン・コンセプトやVFXを解説してくれる.「視覚効果」(22分半)は,「自由の女神」の頭部飛来や市中の混乱,ヘリでの脱出シーンなどが対象で,素材準備や合成に関しての丁寧な解説となっている。
 
   
   
 
   
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