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DVD特典映像ガイド
   
O plus E誌 2005年4月号掲載
   
  『ロード・オブ・ザ・リング Special Extended Edition』シリーズ3作品
 SEEシリーズの『王の帰還』が2月2日に発売され,ようやく全巻が完結した。当初,シリーズ全体で本編3枚に,特典映像1枚か2枚がついた4枚か5枚組みのセットボックスが発売されるのだと思っていた。ところが,劇場公開版での未公開シーンをたっぷり付け加えたSEEが本編2枚,特典映像2枚のDVD4枚組みで,3セット発売されると知って恐れ入った。各セット¥10,290で計3万円以上,全12枚となると相当な価格と分量である。
  内容的にもすごい充実ぶりだ。 1作目のDisc 2だけで連続再生3時間半もある。各巻で「デザインと創造」「巨大ミニチュア〜ビガチュア」「WETAデジタルの仕事」等,同じようなタイトルがあるので,重複しているのかと思ったら,映画ごとにきちんと制作過程記録が整理されている。3本まとめて計画的に撮影されたシリーズゆえに,DVDへの収録を意識して,メイキング素材の保存もしっかり予定されていたに違いない。この点でも映画史に残る記念碑的な作品と言える。
 VFX関連の特典では,初巻の「ホビット・サイズの秘密」が印象深いし,第2巻の「ゴラム」のデザインやモーション・キャプチャの利用は大いに参考になる。一方,「デジタル補正」は大学の画像処理の講義に使いたくなる代物だ。「編集作業」では,通常の映画で1/12程度に圧縮するところを,このシリーズでは1/150に縮めたというのにも驚く。最終巻の特典Disc 1の「ロード…の馬たち」は撮影の舞台裏を知った上で,その馬たちの引き取り手を知ってホロリとさせる。
 映像クリエータを志す若者は全巻じっくり観るがいい。この魂の記録に啓発され,映像制作を志す若者が増えるなら,素晴らしいことではないか。
 
   
 
   
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